ナ・バ・テア (中公文庫 も 25-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046092

作品紹介・あらすじ

信じる神を持たず、メカニックと操縦桿を握る自分の腕だけを信じて、戦闘機乗りを職業に、戦争を日常に生きる子供たち。地上を厭い、空でしか笑えない「僕」は、飛ぶために生まれてきたんだ-大人になってしまった「彼」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語。森博嗣の新境地、待望のシリーズ第二作。

感想・レビュー・書評

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  • スカイ・クロラシリーズの時系列で言えば1作品目。
    飛行機に詳しくないから専門用語はわからなかったですが、
    臨場感は伝わってきた。
    なぜ飛ぶのか?
    戦死は可哀そうなことなのか?
    すごく暗い感じの作品なのですが、
    ところどころに登場人物の想いや熱意が伝わってきて
    のめり込みやすかったです。

  • スカイクロラシリーズ2作目。
    まだまだ謎しか出てこない。
    なのに次々と読んでしまう。
    流石の森博嗣先生。

  • スカイクロラを最初に読んでその後調べたら、物語的には最後の話だと知って驚いた。次にこれを読んだため、スカイクロラでは分からなかった草薙などの話が読めて「なるほど〜」と思った。続きが気になる。

  • これが実際のシリーズ一冊目だったのですね。スカイクロラを先に読んでしまった。
    スカイクロラの10年前、主人公・草薙水素と、ライバルであるティーチャの話。妹だと紹介していた草薙瑞季の生い立ちもここでわかる。キルドレとはなんぞやということもここに出ていた。栗田仁朗が新人として草薙の基地にやってきて出会う。

    命をかけた闘いに対する考え方、なんだか剣闘士の気持ちを内側から覘くような気分になるな。外から見える世界とはまた違った世界観だなあ。忘れていた子供の気持ち。

  • よしもとばななさんの後書きがよい
    言葉にできる能力がすごい

  • 僕はいつからこんなに偉くなったのだろう―。組織に守られ前線から外され、歩くだけで敬礼される日々。ただ、飛んでいたいだけ。戦闘機に乗っていない自分は死んでるのと変わらない。少年、函南との出逢いに、彼も自分もその瞳に未来を見据えたのかもしれない。憧れの人と殺し合う、流れる涙、剃刀に傷...それは哀しみではない。自信 がある、予感 がするから。だけれど解っていた、それは 諦め だと。黒い整列を真下に見ながら、死んでやる!!と飛び続けた。もうパイロットではなくなっていた。僕は兵器だ。高く高く。何処までも、誰よりも高く這い上がらなければ。また彼と踊る為に。

  • ひんやりとした感じ。ひとりでいること。揺れ動かない、静かな世界。

  • 始めの夕焼けの中を飛んでいるシーンが静かですごく好き。
    スカイ・クロラから始まる一連の作品は、たとえ戦闘のシーンであっても、空の飛び方が美しく、静かに感じられる所が一番の魅力だと思う。

  • 再読。None but air。草薙さんの話なので、カンナミの話より少し重め。
    文章よりも、内容がメインかも。シリーズのほかの本とつながる感じが心地よく。

  • 空と地上と格納庫。
    シリーズのどれを読んでもその3点を行ったり来たり・・・
    なのになぜその世界にひき込まれてしまうのか?

    それでもシリーズ中では、「空気の世界」で存在する「人」がわりかし生々しく描いてあるかな?

  • スカイ・クロラシリーズ。空でしか生きられない。普通でありながら、普通でない人。独特の世界観に惹き込まれるが、どこか自分の姿にも重なる部分があって、考えさせられた。

  • 主人公が誰なのか、しばらく開かされない
    5分の1ほどまで読んで、やっと草薙水素の話だと分かる

    一人称か同じ「僕」の視点からの視点、死を恐れておらず淡々と戦闘機を操作しているような描写がテンポよく感じられる
    ロールとターンの違いとかも分からず、エルロンとエレベータとかラダーとか知らない単語なのに、なんとなくイメージ出来る気がする

    主人公が世界観に興味がなさそうなので、配属された基地の中から見た世界しかまだ分からない
    それでも一気に読んでしまう

  • 図書館で念願のオレンジ表紙を見つけて借りた。映画化以降、なかなかこのシンプルな表紙を見つけられない気がする。内容だが、20~30ページ読まないと主人公が誰だか分らなかった。一人称が「僕」だったのには驚きもあり納得もあり。『スカイ・クロラ』で頭を捻っていた事柄の多くが、この巻を読んで明らかになったようにも思う。

  • スカイ・クロラシリーズ開戦
    (出版順では2作目ですが時系列的には1作目)

    戦闘機乗りの物語。

    森博嗣氏の他作品のプロローグに見られる詩的な表現ってわかります?
    全体を通してそのテイストが強い作品です。
    空の僕と地上の僕の一人称で淡々と物語が進みます。

    シリーズを通して「続きが気になる!」というよりは「よくわからんけどよかった」という読了感が味わえます。

    飛びたくなった?
    それとも墜ちたくなった?

  • 飛行戦闘の描写は専門語が多く、読んでいてわからない箇所も多いが、リズムカルで軽やかな文体で楽しい。
    空を飛ばないのなら死ぬしかないような、抑鬱的な雰囲気なのに陰険な空気感はあまりない。それに惹き込まれてしまう。

  • スカイ・クロラの続編と勘違いして購入しましたが、過去にまつわる話でした。

  • 再読

  • スカイ・クロラを読んだあとで続けて読みました
    さらに世界観や人間関係が分かってきて、このあとの作品が楽しみになってきました
    個人的には好きな作品です

  • スカイ・クロラシリーズの2作目。
    シリーズ入手順の関係上、他の作品を先に全て読み終えた後で本作を読了した。

    ナ・バ・テアは正しくクサナギの物語であった。
    本作でのクサナギは他のどのシリーズよりも人間味に溢れていると感じた。青臭くすらあったように思う。また、クサナギの自身の性別に対する認識と考え方が他シリーズでは言及されていなかった事もあって、面白いと思った。抱いている価値観や倫理観はキルドレ特有であり、普通の人とは異なるのに、それでもクサナギに人間味を覚えるのは、自身の考えに対する執着・情熱の強さに確固たる信念を感じるからだと思うし、それこそがクサナギというキャラクターの魅力なのだと思った。

    またティーチャーに関する描写も興味深かった。
    結局のところ、ティーチャーが何を考え、何を求めていたかは終ぞ読み解くことは出来なかったが、そのギラついた情熱は極めて強烈で行間からも溢れんばかりであり、深く印象に残った(余談だが、私がティーチャーのビジュアルを想像しようとすると、このギラついた情熱に引きづられてギラギラしたオジサマをイメージしてしまう)

    シリーズを通して読了した今、私の胸に占めるのはティーチャーやクサナギ、その他の数多のパイロット達に対する憧憬であり、私自身、何者にも縛られず空を飛ぶ彼ら彼女らのように生きたいとさえ思った。

  • 再読。スカイ・クロラより過去の時間軸の話。今回はクサナギとティーチャがメイン。ぼんやりとしか覚えていなかったので細部を確認しながらの読書となった。専門用語が変わらず多いのに没入しやすく登場人物の目線になりやすい。このシリーズを読むと不思議と心が凪ぐ。

  • 【あらすじ】
    草薙水素が主人公。撃墜王ティーチャのいる基地に配属された草薙はティーチャに対する憧れがあった。
    新しい基地では翠芽に乗ることになるが、翠芽よりも散花が好きな草薙。その後、散香の新しいモデルに乗ってみないかという話がくる。
    新しく比嘉澤という女のパイロットが配属されたが、彼女もティーチャに対して憧れがあり、その様子を複雑に思う。ティーチャ、草薙、比嘉澤、栗田で偵察に行った際、比嘉澤の機体は被弾し、比嘉澤自身も怪我を負った。そのまま不時着して死亡。
    その後草薙はティーチャに部屋に呼ばれ、比嘉澤について報告する。墜落の責任について話すが、ティーチャはこのような状況でも自分は娼婦の元へ行くことを考えていると言う。戸惑った草薙はティーチャの車に乗り込み、娼婦の館で娼婦を追い出して自ら服を脱ぐのであった。
    しばらく経った頃、草薙は2週間の休暇を取った。堕胎するため、ティーチャに保証人になってほしいと頼むと、ティーチャは医師に連絡を入れた。強い生命力を持つキルドレの子供は、身体から取り出しても生きることができるという。草薙は拒んだが、ティーチャは子供が生きることを望んだため、そのように施された。
    そして、ティーチャが草薙の元を訪ね、自分は今の基地を辞めてきたこと、今後パイロットを続けるかも分からないことを告げる。ショックを受ける草薙であったが、しばらくして黒豹の絵が描かれた戦闘機と戦うことになった際に、それがティーチャだと気付く。

    【感想】
    10年ぶりの再読。スカイクロラシリーズの2作目。時系列では1/6番目に当たる。キャラの中で草薙が一番好きなので、読んでいて楽しかった。

  • 「スカイ・クロラ」以来、シリーズ二作目読了。

    前作を読んでからだいぶ時間がたっているが、読み始めて(ストーリィはともかく)すぐ物語の雰囲気が頭の中に甦ってきた。
    シニカルというかドライというか、フラットというか。

    語り手である「僕」が理屈をこねて目的や考え方を正当化していくが、節々で周りに影響を受け、制御・説明しきれない感情が発露していく。
    空を飛ぶ描写は美しいけれど、脆くて危なっかしく見える。

  • 結論から言うと、「スカイ・クロラ」「ナ・バ・テア」「ダウン・ツ・ヘブン」は、どの順番で読んでも特に違和感がないと思う。

    むしろ、上に上げたのと逆の順番で読むのがいいかも。

  • 『ナ・バ・テア』再読3回目
    若い頃のクサナギを中心に物語がまわっていく
    大人の男、ティーチャに憧れを当初は持っていたものの同僚の死後いつしかティーチャと勝負をしたいと思うようになる
    地上では汚い事が蔓延る、汚いものが何もない空を飛び続けることがクサナギの生き様を表しているよう

    設定上、ずっと子どものままであるクサナギだけれどもスカイ・クロラと比較してナ・バ・テアではまだまだ荒削りな行動の描写があった
    子どものままだけれども成長する、思考の変化、大人と子どもの境界線はないのではないか?線引きはなんなのだろう、汚いと綺麗の違いか?色々読みながら考えました。

    2018.3.18(3回目)

  • 2.5
    スカイクロラシリーズの2作目(時系列1作目)。スイトが若い頃の話。ティーチャーとのやりとりの話が出てくる。草薙瑞季はティーチャーとの子のよう。

  • 【あらすじ】
    信じる神を持たず、メカニックと操縦桿を握る自分の腕だけを信じて、戦闘機乗りを職業に、戦争を日常に生きる子供たち。地上を厭い、空でしか笑えない「僕」は、飛ぶために生まれてきたんだ??大人になってしまった「彼」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語。 森博嗣の新境地、待望のシリーズ第二作!

    【感想】

  • 初めて読むスカイクロラシリーズ!

    スカイクロラから読むべきか?ナバテアから読むべきか?迷った挙句ナバテアから読み始めました。

    取り敢えずブォイドシェイパシリーズのように主人公の視点でのみ物語が語られるので世界観が掴めません!?

    洗練された世界の様ではあるが、プロペラ機の戦闘機で戦争をしている世界???

    キルドレって何!?クサナギの所属する会社とは何なのか?そしてあの人が育てるあの子はどうなるのか??

    続きが気になります。

  • とてもとても好きだ。星5じゃないのは、死にたくなるから。
    読んだ後、ぽーんと飛ぶように死んじゃいそうになる。何の感情もなく…。

  • 「スカイ・クロラ」シリーズ

    初めから一人称なのに、それが誰の視点であるのか全く語られない。最初にスカイ・クロラを読んでいると何となく予想がつくけれど、それでも正解かは分からない。しばらく読み進めてようやく答えが出る。スカイ・クロラよりも先に読むことができたら、それもとても面白かったのではないかと思う。

    *2008.2 *2016.7

  • 2016.6 12

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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