神はサイコロを振らない (中公文庫 お 67-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046238

作品紹介・あらすじ

かつて、忽然と消息を絶った報和航空四〇二便YS‐11機が突如、羽田空港に帰還した。しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は十年前を指したまま…。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは-。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 文体が合わず、海外ミステリレベルの登場人物の多さに辟易として断念。ネタバレレビューを読もう。

    いつか再読した時に更新

  • 行方不明になった旅客機が10年振りに羽田に生還し、着陸する。
    残された家族は墜落したと思い、既に遺族となり、それぞれの日常を歩んでいた。一方の乗客たちは10年前のまま。。
    だが、3日後に元の世界(10年前)に戻り、、消滅すると
    10年前に自身の論文をトンデモ扱いされ、職を追われた元東大教授が説く。
    それぞれの家族との対面、本人たちの思慮が。。

    話としては面白いが、登場人物が多過ぎて焦点がぼやけてしまう。
    色々な事象を表現したかったのは理解できますが。。

  • かつて突然姿を消した飛行機が10年後に乗客とともに再び姿を現した。乗客は10年の時が進んだことに驚きつつ、各々の会いたい人との再会を果たした。だが、この再会にはタイムリミットがあり...

    いくつもの話が同時進行で進み、頻繁に切り替わる。また、登場人物も多いため、状況把握が少し大変。警視庁の人が2つの事件を追う話が面白かった。

  • 物語の設定のうまさが、さまざまな想いをつくる。

    10年という 時差が 突然 うまれる。
    そして、3日後には 死んでしまう。
    という設定。

    飛行機が行方不明となった ということで、
    乗っていた人たちの関係者は 『死』 を受け入れた。
    ところが 実は 生きていたんだ ということで
    『死』から 『生』にもどっても 10年は 取り戻せない。
    その混乱の中で かかわり合いを 再度 みつめる。

    飛行機に乗っていた人たちは 自分たちの『死』はしらない。
    そして、10年間たっている という 浦島太郎 の世界。
    あんたは 『死』んでいたんだと、関係者に言われる。
    それを受け止めることは できないが 10年の変化の中で
    認めざるを得ない状況になる。
    さらに、後3日間で あなたは 『死』 を迎えると宣告される。
    じょじょに 『死』を 意識し始める。

    仮の『死』から 事実としての『死』。
    つねに 死に向き合うことで、
    生きることの意味、愛するということ、親子の関係、
    そして、様々な事件に遭遇したことの痛み。
    これが 東日本大震災でいわれた 『絆』 なのかもしれない。

    この設定の中に 一体誰を乗客とするのか?
    それが 物語の 彩りを 作り上げていくのだろう。

    奇跡の生還であり、飛行機に乗った人たちは
    10年の歳月をしらないままに やってきたのだ。
    失われた10年。
    神戸大震災がおこり、サリン事件が起こった。
    死んだとされて 遺族は 様々な試練を受けた。

    非現実的な出来事を想像できる範囲内で描く。
    リアリティがないが故に、リアルとなる。
    航空会社のスタッフの献身的なサポート。
    市役所の人々。縁のある人々が かさなる。
    ドキュメンタリーの手法がうまく構成する。
    群像がおりなす 不思議な空間。

    ひとは、それぞれ 輝くときがある。

  • ずっと読みたかった本です。再生と残酷さと…それでもこの事故(?)の遺したものは大きいです。
    10年前に消息を断った飛行機が、10年後に乗客乗員そのままの姿で戻ってくる。乗客乗員は10年前のまま、だけれど丁度出発した日の10年後である3日後にはまた元の時間軸に戻ってしまうかもしれない…。加藤教授の言ってる事はよく分からなかったけどトンデモ量子力学者の汚名は晴れてよかった。
    10年間、乗っていた家族や同僚は死んだものとして新たな人生を歩んでいた人たちには奇跡の再会。でも、皆さん「お盆の時期だからたまたまあの世からちょっと戻ってきてくれただけ」って受け入れてるの強いな…10年はそれだけ長い時間なのだとつくづく思いました。
    周りの人たちは受け入れてるし、再会と別離のエピソードも素敵なものが多かったです。興梠父の公安への一件はスカッとしました。
    でも寄近警部補の事を考えるとかなりつらいです。目の前で2度も相手が消える、そのうちひとつは明確に亡くなるし…というのは警察辞めたくなるでしょうけど彼女は乗り越える気はします。同人誌のネタにするかも。
    神降くんもそんなすぐ気持ち切り替えられるんだ、とびっくりでした。歴史が変わらなかった事は仕方ないのかな。。
    人って強いなと思いました。これ程の事が起こっても前を向けるんだな。いきなり10年後に放り出されて、あなたは3日後に死にます、って言われてもほとんどの人は自暴自棄にならない。フィクションだけれど…良かったです。

  • 登場人物を絞った方が読み易いし感情移入できて面白くなったと思う。

  • 2018年1月12日読了。

    422ページ

    「神はサイコロを振らない」、アインシュタインが「偶然」を、要素とする量子力学を批判する言葉だったらしい。
    1994年、宮崎空港から羽田に向かってた飛行機が行方不明になり、機体も何も発見されなかった。
    しかし、10年後に突然羽田空港に現れ、奇跡の生還を遂げる。
    しかし、この生還を量子力学的に予言していた教授がいたことと、彼らはまた運命を背負って10年後に現れたのであった。

    小説的には可もなく不可もなく。
    個人的にはあまり面白い小説ではない。

  • 映画のキャスト・アウェイに似た印象。今作の主人公は68名。それぞれの物語が生まれるのだから追いかけるだけでも疲れてしまった。結末は大石さんらしいと思う。
    あらすじ(背表紙より)
    かつて、忽然と消息を絶った報和航空四〇二便YS‐11機が突如、羽田空港に帰還した。しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は十年前を指したまま…。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは―。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。

  • YS-11が時空のねじれに飛び込み10年後の世界に現れる。乗客は皆10年前に死亡したことになっている。それぞれの乗客が家族や知り合いと再会していくが、空白の10年に起こった出来事は厳しい。テレビドラマなら良いかもしれないが、小説としては話が入り組んでいてかったるい。

  • 今を大切に

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著者プロフィール

大石英司
1961年生まれ。鹿児島県鹿屋市出身。1986年『B-1爆撃機を追え』で小説家デビュー。C★NOVELSを中心に著書多数。陸自の特殊部隊の活躍を描く〈サイレント・コア〉シリーズは、通算400万部を超える。他の著作に、『神はサイコロを振らない』(中公文庫)など。

「2023年 『パラドックス戦争 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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