五郎治殿御始末 (中公文庫)

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著者 : 浅田次郎
  • 中央公論新社 (2006年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046412

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五郎治殿御始末 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 嫌う人も多いと思いますが、私は浅田次郎さんの"泥臭さ""しつこさ""あざとさ"が嫌いでは有りません。いやむしろ、それがあっての浅田次郎と思っています。
    最初の4作は、そうした浅田節が余り表に出てきません。こんな作品なら誰が書いてもいいだろうという感じです。「なんだろう?」と思いながら読み進めました。
    最後の2編は浅田さんらしさがやや現れてきます。特に表題作の「五郎治殿御始末」は"らしい"作品と言えるでしょう。

  • 明治維新により武士階級が消滅し人生の転換を迫られる人達。あ。そういうひと、タイムスクープハンターの密着取材で見ました。今までの常識が変わってしまう大 変さは想像するしかないが、その時代の人々の心中は想像の範囲外な気がする。戊辰戦争で生き残った会津藩士の家族の「女腹の血筋」という言葉の意味深さ、それ を言わせる矜持の高さに震えが走った。

  • 江戸時代から明治を迎えた武士たちの物語。

    椿寺まで
    箱館証文
    西を向く侍
    遠い砲筒
    柘榴坂の仇討
    五郎治殿御始末

    維新を迎えた侍たち、それぞれの矜恃。時代の大きな波に翻弄された、生きるのが下手な無骨な男たちの物語。じんわりと胸を熱くします。

    桜田門外の変を題材にした柘榴坂の仇討は、中井貴一、阿部寛、広末涼子のキャストで映画化されます。楽しみです。

  • 浅田次郎さん、1

    【最終レビュー】

    今年秋公開予定・映画化原作本。図書館貸出。

    著書の短編の一作「柘榴坂の仇討」が原作。この短編のみで。

    浅田次郎さんは、「4年ぶり」映画『日輪の遺産』(堺雅人さん主演。映画館観賞済。東日本大震災の年に公開)の原作本を読んで以来。

    「安政の大獄」当日、井伊直弼の下級家臣だった、お駕籠回り近習・志村金吾(中井貴一さん)が主人公。

    幕末(安政の大獄)~明治6年の「13年間」にわたる、金吾の井伊直弼に対する「忠義を貫いていく」、例え、時代が変われど、どんな立場に変われど、真の義は揺らがない。

    大体は、そんなあらすじかなと、40数ページを読んだ印象です。

    その、井伊直弼を討った、刺客で生き残った一人、明治に入りたまたま金吾と対峙するのが、阿部さん演じる、安政の大獄当時は、佐橋十兵衛を名乗り、明治に入り、直吉と名前を変え、車夫として勤めている役柄。

    時代が変わり、変わるもの、変わらないものが「静かに、目に見えない空気の中で交錯してる」

    この著書を通じて、第一にこう自身は感じています。

    ただ、これだけの内容では『どこか、隠された謎』もあるので、後は『映画本編』でどう、膨らませて描かれるか、確かめるしかありません。

  • 幕末の人情物。
    維新の変わり目を生きた武士たちの物語。

    実際には、こんなロマンチックな話ばかりではないと思うけど、当時の武士の価値観からすると、頷ける話。

    不器用な生き方は、ある種の美しさがあり、
    狭苦しいところに、人間らしさがあると言える。

    表題作の、五郎治殿御始末、武士と町人の絡みで現される人間というものの描写が、浅田節といえるのではないか?

  • 著者の得意とする人情ものでした
    舞台設定は幕末
    磯田道史の解説がなかなか良かったです

  • 浅田次郎の短編集です

    明治維新、武士という職業そのものが消えた時代。
    古いものの代わりに新しいものが次々に表れる激動の中で
    時代に適応しつつ、自らを適切に“始末”する男たちの物語


    当時の人々にとって「御一新」がどれだけ大変だったか身に沁みました

    わずか100年と少し前の
    太陰暦から太陽暦へ、1日は24時間と60分と60秒に分けられ
    政府体制から着る服まで変わった大事件を
    改めて身近に感じられます

  • 明治という変革を迎えてしまった武士達の姿を描いた短編集。物理的存在否定だけでなく、急激な近代化、西洋馴化による士道の忠義忠節すらも失われゆく中、ある者は不器用に時代に抗い、ある者は溜まった澱と決別し、時と共に歩む道を選ぶ。
    各話とも胸にこみ上げるものがあり、涙無しでは語れない。コミカルな「お腹召しませ」と合わせ読みで効果絶大。

  • 幕末から明治、「最後の武士たち」の生きざまを描いた作品集。
    時代の転換期に自らの居場所とアイデンティティを同時に喪った武士たちの悲哀・嗚咽・希望がまるで見てきたように鮮やかに描かれている。
    ある作品は哀愁に満ち、またある作品は弱々しくも向日的であるが、どの作品を通しても「普遍なるもの」を求めているのが印象的だ。
    信じるものが無くなったとき、生きる理由が見当たらなくなったとき、それでも人は何を求めて残すことが出来るのか。
    時代や洋の東西を越えた理念は現代にも確かに通低していて、「いまの時代の生き方」というものを今一度、俯瞰して考える必要があるのだな、と思わせてくれました。
    雑事のない連休には良い一冊でした。

  • ご一新後(明治維新後)の元・武士達の日常を描いたお話。 激動な時代を精一杯生きてます。 今も激動の時代とか言いますが、このときほど歴史が大きく変わり、人々の生活に変化をもたらしたことはないだろう。

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