女學校 (中公文庫 い 101-3)

著者 : 岩井志麻子

• 中央公論新社 (2006年2月1日発売)

感想・レビュー・書評

[knkt09222さんの感想 · 2017年8月8日]

話はマトリョーシカ構造と言おうか、たまねぎ構造と言おうか、夢の中の夢の中の夢構造と言おうか。
女学校を甘美に語らっていたかと思いきや、急に下卑た口調で、すべて嘘だよ、と。
夢のような記憶は一転、悪夢や幻想の類いとなる。
小説ならではの「見えない」記述が効果的だ。つまりこういう小説が好きだ。
でも、タカハシマコによる漫画化希望。

[ゆうさんの感想 · 2021年6月8日]

綺麗な言葉や耽美な表現に浸りたい時にはぴったりでした。
時々ゾッとするような台詞で現実に引き戻される場面は本当に目が覚めるようでとても良かった。

ただ少し冗長というか、くどいと私は感じました。
三分の一くらいにまとめてくれないかなと…笑

[始田一八(はじめだいっぱち)さんの感想 · 2021年5月13日]

収録内容は以下の通り。

本編(2002年1月-5月、7月-11月 発表)
吉田伸子: 解説

テレビで見て知っていた「ヒョウの面白いおばちゃん」の作品が気になり、初めて読んだ作品。
十節あるうちの最初「うつくしき時」を読んですぐに只ならぬメッセージを感じつつも、それがハッキリしないまま最後まで読んだ。
その後に、吉田伸子による解説で夏目漱石の「夢十夜」が挙げられていて、納得がいった。大正という時代設定に加えて「花代子」のネーミングなど、とても深い。
今までの「ヒョウの面白いおばちゃん」という印象に加え、歴史や世相を見る鋭い観察眼を持った人物だと知った。

[♡♡♡さんの感想 · 2020年11月27日]

岩井志麻子版の夢十夜。そして胡蝶の夢。夢なのか現実なのかとぐるぐると巡る様が癖になる。これはなに？ホラーというか、幻想小説というか。女学校とは一体なんなのか。「地獄だわ」とにかく甘美な地獄だった

[yamaitsuさんの感想 · 2014年5月26日]

内容はイマイチぴんとこなかったんですが、ただこれ、海外の、シュールな女性アニメーション作家でアニメ化したら面白そうだなと思いました。

[ｼｬｲﾆﾝｸﾞｳｨｻﾞｰﾄﾞさんの感想 · 2014年3月10日]

耽美な大正ロマン＆ゴシックホラー。
夢か現か幻か、結局何だったんだろう？
つまらなくはなかったが、最終的には理解不能。

[雨森紫陽子さんの感想 · 2013年9月12日]

いったいぜんたい、どこからが現実なのか。
美しい洋間か、ドオルズハウスか、女学校か、汚い和室か、それとも物語中には一切出てこなかった真っ白な病室か。

言葉遣いにときめき、小道具にときめき、舞台設定にときめき……
どこまで私を夢中にさせたら気が済むの！と思いながらページを繰りました。棺のシーンが大好きです。この小説の舞台を表現したドールハウスが作りたい！
精神錯乱系かな、と思いました。でも、精神錯乱の一言で終わらせたくはない。大好き。

[mさんの感想 · 2013年6月18日]

お嬢様ものが読みたくなり、岩井志麻子作品を初めて読んでみた。

読み進めれば読み進めるほど、花代子と月絵、そして女学校があやふやになる。ドォルズ・ハウス？それとも、すべてが妄想？
ねっとりとしていて、靄がかかったような世界観なのに、どきどきする。不思議な読後感。

解説で自由戀愛がオススメされていたので、今度読んでみたいと思う。

2013.06.18

[浅利やみかさんの感想 · 2012年4月30日]

何処までが夢で、何処までが現実で、何処までが妄想なのか、全ての境界が曖昧なお話。
華美な文章は素敵だけど、結局理解がついて行かなくなってしまいました。
女学校とは一体どういう存在だったのだろう。

[noted2yさんの感想 · 2012年1月20日]

内容無いのに文章だけ華美に盛り過ぎ。読みにくい。たいくつ。

著者プロフィール

岩井志麻子　（いわい・しまこ）

岡山県生まれ。1999年、短編「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞を受賞。同作を収録した短篇集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞。怪談実話集としての著書に「現代百物語」シリーズ、『忌まわ昔』など。共著に『凶鳴怪談』『凶鳴怪談 呪憶』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 死相』など。

「2023年 『実話怪談　恐の家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」