忘れられた日本 (中公文庫)

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制作 : Bruno Taut  篠田 英雄 
  • 中央公論新社 (2007年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122048775

忘れられた日本 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 日本礼賛本の元締めかと思いきや、比較的フェアな洞察によるものだった。つまるところ、日本にあるよいものとよくないものを腑分けしながら彼はたとえば桂離宮の建築様式に自身の美のあらかじめ完成せられた姿を見出すわけだ。

    しかし、現代においては「いかもの」あってこその
    日本アニメ文化の爛熟があるかとも思う。
    その二つを結びつけている日本文化という大地を
    発掘することができたらもっと面白いだろう。

    また、昭和初期という戦争に埋もれがちな時代の
    日常の住まいを見せてくれる貴重な文章でもある。

  • [ 内容 ]
    ドイツの世界的建築家タウトが一九三三年から三年間、日本に滞在した際の見聞記。
    桂離宮、伊勢神宮、床の間とその裏側から日本の農家、心、禅、いかものといんちき、げてものかハイカラなどについて日本人の心象・季節感まで幅広く語る。
    日本文化の再評価に大きく貢献したタウトの遺稿を知己であった訳者が再編集した珠玉の論考集。

    [ 目次 ]
    日本美の開顕(私は日本建築をどう見るか;桂離宮;伊勢神宮;日本建築の世界的奇蹟;日本の農家)
    日本文化の形相(日本の心;禅;単純のなかの豊富;床の間とその裏側;いかものといんちき;げてものかハイカラか)
    日本の自然(日本の四季)
    奈良

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 文化人類学者でも社会学者でもなく、建築家の視点からの日本文化論。80年前のものとは思えない、フレッシュな視点が素晴らしい。
    桂離宮のお勉強にもなります。

  • また伊勢神宮に行きたくなった。

  • 必要から生まれたものこそが本物で美しい。
    装飾を目的としたものはいかものである。
    たぶん、そういうことを仰っているのだろうと。

    修学旅行で見た日光東照宮が大不評で驚いた。
    歴史的建造物はすべて美しいと感じなければいけない、と思い込んでいたので、本当の審美眼を持つことが大切なんだなあと感じた。

    何を美しいと感じるか、何を評価するかは人それぞれだけど、その基準を強く持つこと、根拠を示せることが重要だと感じた。

    陰翳礼讃とセットで置いておきたい。

  • タウト氏にとって、桂離宮と伊勢神宮は日本建築の世界的奇蹟なのである。自分の目でその奇蹟的な美を感じてみたい、と思わせるものがここに論じられている。

  • 伊勢神宮の素晴らしさ、桂離宮の素晴らしさについて。

    日本の四季をいかに過ごしたか、建築家目線で書かれてるのが興味深い。

    しかし深読みしすぎじゃないか、と思わされることもしばしば。
    床の間という純粋に芸術的な空間の裏が、時々(茶室においては頻繁に)厠であることから、人間にとっての実用と文化との優劣(という表現は適当じゃないかもだけど)まで考えを敷衍させるのには恐れ入った。

  • 読みにくそうな気がして、購入してから読み始めるまで時間を要しました。ところがところが、頁を繰るごとに、親しみやすい内容になり、どんどん読みやすくなりにけり。篠田英雄氏の編訳に因るところが大きいかと思われますが、いかがでしょう。
    鉛筆で、横に線を引こうかと思った箇所が、いくつかありました。

  • 1280夜

  • 日本建築の再発見の立役者と言われるブルーノ・タウトはどんなふうに日本建築を語ったのか気になって読んだ。
    ちょっとがっかりでした。
    極端な二元論でわかりやすいはわかりやすいがつまらない。
    桂離宮や伊勢神宮は手放しに賞賛するが、日光東照宮のような建築にはひどい酷評をする。まさに近代に活躍した建築家らしいと言えばらしい。その時代の技術に従った簡潔な構造、実用的、有用的、機能的、合理的なものを褒める。それだけじゃ説明できないものは精神的な意味における美だと言って褒める。日本の民家にまで注目しているところはすごい。古くさいって思っちゃうけど、学ぶべきことは多いと思う。
    そのほか、日本の文化や言葉まで書かれています。

    いかもの[日本語=キッチュ(Kitsh)] :芸術たることを欲しながら、遂に芸術たりえない「芸術」
    いんちき[日本語=ティンネフ(Tinneff)] :安っぽい間に合わせのもので本物と同じ効果を挙げようとするごまかし
    げてもの:民芸、手工の巧緻、旧い作品
    ハイカラ:現代主義、旧いものの誤解せられた模倣、現代の生活

    どれも死語。笑

    小堀遠州が桂離宮の造営について建築主に対して提示したと言われる三箇の条件がおもしろい。
    1、建築主は竣工以前に来て見てはならない
    2、竣工の期日を定めてはならない
    3、工費に制限を加えてはならない

    今じゃ絶対ありえない条件です。笑
    ちなみに桂離宮は誰が造営したかについてはまだわかっていません。

    P.28
    このように御庭の諸部分は著しく分化していながら、しかもすべてが相集まって一個の緊密な統一を形成している。ここに達成せられた美は、決して装飾的なものではなくて、実に精神的意味における機能的な美である。この美は、眼をいわば思考への変圧器にする、即ち眼は、見ながらしかも思考するのである。

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