焔: The Flame (中公文庫 と 25-10)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049116

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭から主人公格2人(プロ野球選手とその代理人)の性格がどうも気に食わない。金や名誉のために優等生を演じきれるヤツってなんだかなぁ。それでも自分のやるべきことは淡々とこなし、生活リズムは崩さずストイックに、野球選手とその代理人のプロとして生きる様には学ぶべきところもあるしなぁ…。

    ってスロースタートながらも読み進めていくと、なんだかその気に食わない性格描写が伏線になってきて、いくつかのきっかけを踏んで野球選手側の主人公に変化がおとずれ、見事にクライマックスに結実していくさまは、まさにスポーツ小説の醍醐味。

    読んでて気持ちがどんどん熱くなってきて、最後のページを読み終えた時「よーし、俺もいっちょやったろか」と変なテンションになっている自分に気付く。まぁ30分もたてばテンションは落ち着いてしまうのだけど、それでも読んでいる間に燃える気持ちを味わえるだけでも十分お値打ち。

  • 大リーグ移籍を熱望するプロ野球選手と、自分の野心のためにそれを画策するエージェント・・・。
    シーズン終盤の二週間を描いてる。野球選手とエージェントの心理はよく描写されていて、後半まで引き付けられたが・・・。
    最後が良くない。野球選手の心変わりのあたりは、もっと丁寧に描いてないと、唐突感が拭えない。理由も書かれているが、それだけだと弱いなぁ。いきなり心変わりした感が最後まで尾をひく。

    後半は書き急いだ感じを受けた作品。

  • 堂場瞬一の作品を読んだのはこれが初。
    最初に読むなら野球を題材にしたものがいいなと思って、あらすじも知らないまま読み始めたけど、プロ野球のペナントレース終了直後、ドラフト会議をはさんでプレーオフ開幕間近というこの時期にちょうどマッチした物語でびっくりした。

    試合の描写が多いので、ふだん野球を見ない人にはおもしろくないかもしれない。スポーツを観るのが大好きなわたしも、試合の展開を文章で追うのは苦手。中盤のあたりは飛ばし気味に読んでしまった。でも終盤は目の前で試合を見ているみたいな感覚になって、ドキドキしながら読んだ。現実にはなかなかありえない展開だけど…。

    プロ野球選手とエージェントの、過去と現在と未来。同じ時間や目標を共有しているように見えても、それぞれの思惑がたどる道は異なるということ。
    沢崎と神宮寺というまったくタイプが違う二人のライバル関係が、特におもしろかった。

  • FA権獲得直前のタイトルなき天才バッターがメジャー転身を図る。女子アナの恋人との関係、野球との関係が微妙に軋みだす。最後は、野球を愛する選手として伝説に挑戦する。

  • 大リーグを目指す無冠の強打者・沢崎と、背後で暗躍する代理人・藍川。
    彼らの思惑に綻びが生じたとき、辿り着くのは、破滅か栄光か?
    ペナントレース最終盤の二週間を追う、緊迫の野球サスペンス。

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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