自殺自由法 (中公文庫 と 27-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.16
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本棚登録 : 185
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049383

作品紹介・あらすじ

ある日突然、日本に「自殺自由法」が施行された。しかし、国民は相変わらずの無関心だった。それぞれの目的で、公共自殺幇助施設「自逝センター」に向かう人の群れ。そして、それを取り巻く人間たちの思惑…。「死ぬ自由」を得た人間たちの姿を、著者独自のビターテイストな文体で描く問題作。

感想・レビュー・書評

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  • 政府に自殺する事が認められ、コンビニ感覚で「あ、死のう」と自逝センターに行けば死ぬ事ができ、政府も世論もそれを推奨する世界。
    本の題名を見た印象で、「主人公が悩みに悩んで死にに行くような話なのかな」と思って読んだら全く違っていた。
    幾人かの小話を集めた、群像劇だった。

    テーマは尖ってて惹きつけるものの、登場人物が自逝センターへ行く理由が金や暴力やらで、話が軽い。
    頭が軽い人物が「金もねえし死ぬかー!!」と死にに行くか死にに行く途中で頭がおかしくなった他者に殺されたり、人物に感情移入していれば「胸糞悪い」と思うところだがどっこい、そんな人物はいない。共感できる悩みも、共感できる人物もいない。
    それが大きな変化等もなくつらつらと続くので、正直途中から飽きてしまった。深く考えてはだめな娯楽小説です。

    人によってはこういった話が好きな方もいると思いますが、私には合いませんでした。

  • じせい自逝 幇助ほうじょ 死を選択できないから生きているだけの人間ほど惨めな存在はありませんから いかにして俺自身を喜ばせるか 本物の右翼 街宣車 粛清 来週、彼女はもういない! 君のおかげで僕は目が覚めた。そういう意味では感謝する。 火炎瓶 完全無痛方式 潜入ルポ 今の日本は負け犬で埋め尽くされてるんだコノヤロー! 生活保護 掃き溜め 広報車 ジジババどもの医療費を死ぬまで負担してやるよりは安上がりなのさ スマタ 稲毛 舞浜 映画ライターとモデル ポスター 生きる元気 キャッチ野郎 世論調査 リポーター ドキュメンタリー企画 殺すことだ 小説の出版 スティックシュガー パートのおばさん 小井泉 突如閃いた 世界で一つだけの花 反戦活動でイラク ポークビッツ 文京区 ドイツ人 ダンケ ガイド マリ 飽きた 雨宮処凛 激安人間 命の軽さ

  • ただただ残虐なもんが読みたいときにどぞ。

  • ついうっかり読み始めてしまったがノンストップで最後まで読み終えてしまった。何だろうこの救いようのなさは。
    長い人生、死にたいななんてときもある。でも大体は死なないものだし、あのときは病んでたなくらいに思えるときもやがてくるだろう。そんなとき自逝センター行きの白バスに一歩足をかければ、文字通り死ぬほど後悔する事になる。

    雨宮処凜さんの解説でほっとした。

  • 「日本国民は満十五歳以上になれば何人も自由意志によって、国が定めたところの施設に於いて適切な方法により自殺をすることを許される。但し、服役者、裁判継続中の者、判断能力のない者は除外される。」

    自殺自由法が制定された日本で、多種多様な主人公が自殺と向き合う、いわゆるオムニバス形式。総勢22編。

    性的猟奇的報道側に偏った話が多いが、
    読み進めるごとに月日が進む緻密さは饒舌し難い

    破滅願望がある方にこそふさわしい
    オススメしたい一冊

  • 暗黙のうちに封印していたはずの潜在意識をあらわにつきつけてくる戸梶圭太の確信犯的小説。あられもなく命を軽く扱うことによって逆に命の重さを問いかけてくる。近年、顕在化してきた格差社会や人々の選民意識をシニカルに象徴。おそろしい。

  • 文字通り、人生の選択として自殺が用意された世界の話。
    人々は列を作り自逝センターに吸い込まれていく。

    ページの殆どは様々な人間がその世界でどう生きるか(死ぬか?)をオムニバス的に描いている。

    以下少しネタバレ気味。

    あまり多くを書いてしまうのもアレなのだが、その法が成立した背景といったものの描きは少ない。
    消化不良的なものがあるが、尤もそういうものなんだろうというのは理解できる。

  • 2012/7/27
    タイトルが気になって手に取ってみたものの以前もーいーや。って思った戸梶さんの本でした。やっぱり淡々と流し読みするような感じはな…もういいな。って思った以前の感想と同じ。ラストは鼻で笑っちゃったので好きかな。

  • 2011.11.14.

  • タイトルに惹かれて。

    きっと色々書いてあったんだろうけど
    わたしにはそこまでじっくり読める本じゃなかった。

    今日は春の陽気でぽかぽかしてて
    なんかすごい幸せで、近所散歩して…

    こんなことで幸せっていいなぁ
    と思った。

    やっぱ比較にしろ自分とリンクできないと
    うまく本は読めない。


    ということで、この本はどかん!と来てしまうので
    それで精一杯でした

    ☆ふたつ

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著者プロフィール

1968年東京生まれ。学習院大学文学部卒。98年『闇の楽園』で第3回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。作家活動と並行して『Jの利用法』ほか自主製作映画4本を監督。イラスト、写真、クレイアートにも才能を発揮する。

「2013年 『劣化刑事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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