疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)

  • 433人登録
  • 3.88評価
    • (16)
    • (21)
    • (23)
    • (0)
    • (0)
  • 30レビュー
制作 : William H. McNeill  佐々木 昭夫 
  • 中央公論新社 (2007年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049543

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
デール カーネギ...
J・モーティマー...
マーク・ピーター...
スティーヴン・D...
ジェイムズ・P・...
有効な右矢印 無効な右矢印

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)の感想・レビュー・書評

  • 経済雑誌のおすすめ。

    決して難解な文章ではない。
    ただ、あまりに膨大な情報量、
    反語表現の多さ、
    時空を超えた例示にキャパオーバーになってします。
    自分がどこにいるのか、いつの何の話を読んでいるかを
    見失いがち、とでも言うか。

    そしてついつい、本筋を離れて、枝葉末節の話を拾ってしまう。
    英国海軍が壊血病に効果のないライムジュースを飲んでいて、ライミィと呼ばれてたとか、
    農業が始まってからよりも、狩猟時代の人類の方が、
    健康的で余暇があったとか。

    (下巻に続く)

  • 読了したのはかなり前だが…
    ワクワクしながら、「スゲー!スゲー!マジでー?!」と驚きながら、あれよあれよという間に読み終わってしまったことが印象的。
    ザックリとしていながら、世界が網羅されているという、スリリングで素敵な歴史書です。

    超オススメ!!

  • 著者のマクニール氏は当然歴史家ですが、これを読むと科学者でもあると思うのです。
    この本では「世界史」で詳細に触れていない疫病について述べているのですが、数少ない古書を紐解くにしても医学や生物学などの自然科学の知識がないと、感染症ついては到底推測できないからです。グローバル化した現代社会では地球の裏側で発生した感染症が忽ち全世界を脅かす危険に曝されています。最近ではパンデミック寸前だったエボラ出血熱が記憶に新しいところです。今日の人間を脅かす感染症の元となる出来事は、人類の祖先がはるか昔、アフリカの大地から各地に移動していったことに寄ります。熱帯雨林での多様なミクロ寄生の網の中で他の生命体と絶妙なバランスを維持してきた環境から抜け出した人類は、各地で様々な特異な性質を現し、他の動物を圧倒し食物連鎖の頂点に立ちます。爆発的に人口も増えて行くのですが、これにより人体内部の寄生体(微生物)の多様性も失っていたのです。宿主と寄生体のアンバランスが病気を発症させるという基本的な考え方を思い出すと、脆弱なミクロ寄生の環境に身を置いた人類がその後、幾度も目に見えない病原体の侵入に曝され、急激な人口減少を繰り返したのも必然の成り行きなのでしょう。冒頭でアステカ帝国が少数のスペイン人により制圧された要因が疫病にあると推測していますが、これまでの歴史家が焦点を当ててこなかった部分で学際的で納得がいきます。疫病の流行がキリスト教や仏教の布教に影響したというのもなるほどね〜と思いましたし、以前に読んだ孔子の時代をテーマにした小説で南部の地方の医者が薬の処方や治療に長けていると言う記述があったのは理由があったことに気づきました。マクニール氏によると、天然痘の根絶に成功したとWHOが高らかに宣言したとしてもそれは「人類の手による生態学的な混乱のひとつ」であるから、われわれは「依然として地球のエコシステムの一部」であるという人間の本質的な条件に変わりはないといいます。微生物側からするとちゃんちゃらおかしいということなのかもしれません。下巻では 黒死病など具体的な疫病についての考察があるようなのでこれも楽しみです。ネイサン・ウルフの「パンデミック新時代」という本とこの本を並行して読むと尚理解が深まるのでお勧めします。、

  •  歴史を動かす究極的な力(要因)は何なのか。神の摂理? 超越的な人間の能力? 技術力の発展に伴う経済構造の変化? 単なる偶然と運がすべて? それとも複合的原因による多重的決定? いやいや、それを前にしては免疫を持たぬ人間など全く無力な、未知の(あるいは既に抑止できたと思われていた)感染症・疫病!の力を忘れてはならない。中世の黒死病(ペスト)がなかったら、我々は現在、我々の知る世界とは全く違った世界を眼にしていたであろう。ホーキングが敢えて「絶対に人類は未知との遭遇をしてはならない」という理由もそこにある。我々の運命は、愚か者の手中などではなく、知られざるウィルスに握られているのかもしれない。同時に「同じ意味で」ジョン・W・キャンベルの『影が行く』も必読書である。

  • 医療の歴史より、疾病の歴史の方が面白い。医療の歴史の主人公が 強い人間なのに対して、疾病の歴史の主人公は 弱い微生物が多い

    ヒトは 食べられて進化してきたことを実感した

    他のレビューにあるように 読みづらい。

  • 面白いけど読み進まない…上巻は具体的な病名も出てこず、導入だった。

  • マラリア、ペスト、天然痘、結核、コレラ、梅毒。古来「神の怒り」と怖れられてきた疫病は、個人と共同体の運命を翻弄し、時に歴史を大きく塗り替えてきた。遊牧帝国の繁栄とペスト、インディオを絶滅寸前に追いやった旧大陸の感染症。ハンセン病に割かれた頁は多くはないが、重度の皮膚病がすべてこの名で呼ばれ一様に隔離されていた時代や、近代戦の開始に伴う疫病学の発達など、本書は社会の変容と疫病の関係を多元的に描き出している。

  • ときどき日本語が変なんだけど、そこは仕方ない。
    歴史を学んでいると、よほどでないと病気の話ってでてこなくて、この本を読んで震えた。
    地政学を読んだ時、自然の境界を越えたとき、国は滅亡するってあったんだけど…これ、病気もあるんだろうなぁ。

  • 天然痘等の人類にとっては突発的に表れたミクロの病魔との戦いの歴史。
    文明の興亡に深く、絡んでいることに驚いた。

  • 異文化の邂逅は病原菌の交換でもある。人々が新しい病を克服するまでの抵抗がそのまま中世の停滞だとする。図版を使った解説本があればもっとすんなり頭に入るのだが。

  • 「銃・病原菌・鉄」を先に読んでいたので、理解しやすかった。

  • 「サイエンス・ブック・トラベル」から。

  • (途中 2014年11月6日)
    疑問1「中南米大陸特有の病原菌がピサロやコルテス等ヨーロッパ人に感染しなかったのか」→病原菌の数や歴史の長さ、多様性が違う?
    疑問2「なぜアメリカ大陸の熱帯地方はアフリカと違い、人類の居住を妨げる程ではなかったのか」

  • 資料番号:011022225
    請求記号:493.8マ

  • 疫病が世界史に与えた影響について壮大なスケールで書かれていて、世界史の見方としておもしろい。本当かどうかわからないあやしい説明も含めて楽しめた。 
    18世紀以降を描いた6章は具体的で、瘴気説・細菌説の論争や、軍事医学の進歩や、ハンブルク市・アルトナ市の上水道の例など、科学で感染症を克服していくさまがよくわかった。著者は病原菌と人類の戦いはずっと続くとしているが、科学という武器を手に入れたらやはり人類の勝ちになるのではないか。

  • 歴史を理解する上で、気候変動と人口動態は考慮しなきゃならんと思っていたが、そこに疫病も追加せねば。。。

    疫病は身体的にだけでなく、精神的にも人、社会を打ちのめす。(だから、南米の古代帝国はスペイン人に屈した)

    日本では、人口が十分になり、疫病が風土病として固定されるまでは、社会に免疫がつかず、1世代ごとに疫病が流行した(平安頃)が、これを乗り越えると、人口が倍増した(平安末期~鎌倉)

  • 銃鉄病原菌の元ネタというか先行図書。最初に読んでいたら感動したと思うけど、既読感が満載で‥

  • 疫病の発生過程の説明にまず驚かされた。初期の人間は、生態系の中に組み込まれており、自然な疫病による人口統制がなされていた。しかし、狩猟や農耕を始めることによって生態系を壊し、ミクロな病原菌の生態系をも壊すことによって細菌の繁殖力を増強することによって都市病等の病気にかかるようになっていった。このように自業自得的な過程があったということに非常に驚いた。

    そして、このように周期的に訪れる疫病からの死の恐怖が、キリスト教を発展させていった。というのが面白かった。キリスト教では死は幸福であり、ほかの宗教では不幸であるというはっきりとした違いを再確認させられた。

    また、このような疫病が数々の戦争の原因となったり、勝敗を決する要因となったりしていることに驚かされた。さらに、戦争の原因となっているにもかかわらず、その戦争の衛生部隊によって衛生観念が広まっていったという逆説的なことにも驚かされた。

    最後に筆者が述べていた、「過去に何があったかだけでなく、未来には何があるのかを考えようとするときには常に、感染症の果たす役割を無視することは決してできない。創意と知識と組織がいかに進歩しようとも、規制する形の生物の侵入に対して人類がきわめて脆弱な存在であるという事実は覆い隠せるものではない。人類の出現以前から存在した感染症は人類と同じだけ生き続けるに違いない。」という文章は、この先も真実であり続けるだろうと思った。技術が発展するにつれて菌の繁殖力が強まっているという背景にはこのようなものがあるのだろうと考えさせられ、技術の発展も一概に良いことといえないのではないかと思った。

  • 世界中で長く読み続けられている中公文庫の「世界史」を書き上げたマクニールが、『疫病』という観点から歴史を紐解いた本。


    最近文庫化して中公文庫「世界史」の隣においてある「銃・病原菌・鉄」と似たテーマであり、病気というものが如何に人類に影響を与えてきたのかがよく分かる。


    人類を最も多く殺したのは事故でも戦争でもなく「病気」であり、これが常に戦争の結果や文明の運命を大きく左右してきた。


    スティルバーグ監督の映画「宇宙戦争」の最後に、酸素が原因で侵略者達が滅亡するシーンがあったと思うが、人類は他の地域から侵略を受ける度に、お互いの病原菌を運んで大打撃を受けてきたのである。免疫力というものが古来の戦争には非常に大きな勝因であるらしい。


    よくも悪くも人口を抑えてきた疫病だが、最近はかなりの種類を滅してきたかのように思える。しかし、アフリカ大陸を考えてみるといい。未だに野生の動物が数多く暮らす彼の大陸は、動物が駆逐されない範囲で生態ピラミッドが成立していることを表す。つまり疫病が人口増加の制約として機能しているということだ。


    人口が多くなるほど、新たな疫病が広がる確率が高くなる。少し前に起こった鳥インフルエンザもその一つだ。人類の未来を考える上で、唯一の天敵を学ぶことの有意をこの本は教えてくれる。

  • 世界史の大家であるウィリアム・H・マクニール先生による、疾病が及ぼした影響から世界史を読み解こうとする野心作。大変ざっくりした展開で驚くが、古今東西の具体例がふんだんに盛り込まれているので、納得できる。

    「マクロ寄生」と「ミクロ寄生」に挟まれる「宿主」。バランスをうまくとることで、この三者は存在し続けられる。この平衡状態の網目は、環境によって変化する。例えば、熱帯では密度が高いため、外来種や資源以上の生命を養うことができない。反対に、より寒冷乾燥な気候になればなるほど、密度が低いため、外来種が入る余地がうまれる。

    宿主と寄生体の間には、緊張した関係がある。寄生体に対して免疫を持たない宿主は、寄生体から破滅的な攻撃を喰らうことになる。しかし、攻撃が激しすぎて宿主を完全に絶滅させてしまえば、寄生体の生存に関わる。何世代も(本書内では四~五世代とある)かけて、両者が和解しようとするプロセスをたどる。結果、宿主は免疫をもち、寄生体の暴力性はマイルドになる。

    これらの仮説を駆使して、上巻では原始時代~モンゴル帝国勃興以前の世界史を読み解いている。

  • ウイルスや細菌などによる疫病と人類は切っても切れない関係にありますが、その疫病の蔓延が歴史に及ぼした影響を、ときに少々強引とも思える論により展開されてゆきます。
    それにしても内容は幅広く、人類の黎明期から現代、しかも全地球規模にわたって丹念に述べられています。日本もちょっぴり。
    「ミクロ寄生」「マクロ寄生」といった独創的な捉え方も興味深いです。

全30件中 1 - 25件を表示

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)に関連する談話室の質問

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)に関連するまとめ

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)の作品紹介

アステカ帝国を一夜にして消滅させた天然痘など、突発的な疫病の流行は、歴史の流れを急変させ、文明の興亡に重大な影響を与えてきた。紀元前五〇〇年から紀元一二〇〇年まで、人類の歴史を大きく動かした感染症の流行を見る。従来の歴史家が顧みなかった流行病に焦点をあてて世界の歴史を描き出した名著。

ツイートする