世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

  • 3394人登録
  • 3.67評価
    • (100)
    • (150)
    • (151)
    • (33)
    • (9)
  • 168レビュー
制作 : William H. McNeill  増田 義郎  佐々木 昭夫 
  • 中央公論新社 (2008年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049666

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
冲方 丁
村上 春樹
デール カーネギ...
マーク・ピーター...
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)の感想・レビュー・書評

  • 最近は山川出版社の「もう一度読む山川世界史」がビジネスパーソンに流行っているそうです。

    高校生の世界史の教科書といえば山川出版社です。
    タンスの中に山川出版社の世界史の教科書を読んだ人でないと、本書は難しいかもしれない。
    というのも、本書を読む人は専門家ではなく、世界史の概要をさっと読み返したいと考えている人が多いのではないかと思う。とすると、重要な事は、その時代で起こったことを詳しく読む(時代の縦の部分)とその時代に他の地域で何が起こっていたのか(時代の横の部分)。

    本書は山川よりも時代の背景や事象を少し詳しく記載されているため、縦の部分の知識を増やすことができるが、相当に意識して読まないと横の部分を欠落して読んでしまう。
    例えば、第1回十字軍が開始されていた時、インドと中国そして日本はどのような事が起こっていたのか、なんてのは本書では意識しないと、章毎にある地域での事象を説明しているため、わかりにくい。
    なお、山川も同じ構成で書かれているが、簡潔に書かれているため横のつながりがわかりやすいと思う。

    ということで、横の関係性を一応わかっている人が縦の部分を補充したいという問題意識があれば本書は非常に有効です。
    縦の部分に関する記述は、さすが世界のベストセラーです。

  • 単なる通史ではなく、歴史の新たな考察を発見できるのではないかと思い手に取る。確かにひとりの歴史家が著しているので独自の観点が読み取れ興味深い。
    文化史へ多くの紙面を割いていることも特徴。キリスト教、イスラム教、仏教等の宗教の勃興や伝播、またお互いの関連性、地域の特性等、頭が整理された。
    一つの勢力が征服者として地域を移動する中で、いかに文化(宗教等)が伝播し、影響を及ぼしたのか、また影響を及ぼさなかったのか、その意義を考えた。

    注意すべき点は、この本を読むにあたり、相応の基礎知識が必要だということ。つまり、この本は初心者向けではない、ということ。

    わずかではあるが、日本に対する記述も興味深い。

    最後に、翻訳がどうもこなれていない。一部、直訳的なところがあるのか、日本語として読み難いところが残念。

    以下引用~
    ・ナイル流域特有の地理的条件も、政治が中央集権化することを助けた。ナイルの両側は不毛な砂漠だったから、その方向からの危険な外的な侵入はなかった。
    ・ローマ法の能率性と柔軟性は、193年にローマの平和が敗れた前も後ろも、有効な社会経済体系を維持するのを助けたことはたしかである。・・・これは、後代になって商業の再興を大いに助けたのであり、ローマ帝国の現代への永続的遺産のひとつとなったのである。
    ・もし、アジアに、インド人を中国人、日本人、朝鮮人、蒙古人、チベット人、ビルマ人、カンボジア人、セイロン人と結びつける共通の文化的伝統が存在しているとすれば、それは古代インド文明、特にその宗教的表現の及ぼした感化の結果にほかならない。ヘレニズムの成果もこれほど巨大ではなかった。
    ・そこで日本は、600年から1000年までの間に、仏教、儒教をはじめ彼らが輸入し得る中国文化のあらゆる要素を歓迎して受け入れた。この時示された、外国の文物に対する日本人の精力的な熱狂性は、それ以後の時代にも何度かくりかえされ、その度に日本の歴史は急激な転換を見せたが、これはほかにはみられない、まったく日本史だけの特徴である。
    ・中国の安定に役立ったもうひとつの因子は、才能ある個人を帝国の官僚制に補充するための試験体系だった。

  •  通史というのは、ある程度の細部の犠牲の代償として大局観を語るものと思う。この本は、まさにそれに成功している。西欧人の観点で見たときに、世界の歴史がどう評価されているのか、大きなところを掴むことができる。
     ジャレド・ダイアモンドの『銃、病原菌、鉄』を読んで、著者の独自の観点と受け止めて感心した観点のいくつかは、本書で既に指摘されているものだった。私が『銃~』を読んだ際のスタート地点がずいぶん後方だったのだと思う。
     特に興味深かった点を挙げる:
    ・ヒンズー教とカースト制が、征服した民族の風俗を大きく変えずに取り込むカプセルの機能をもっていたという観点。
    ・古代ギリシャにおける貧富の差の拡大が、ギリシャ悲劇の発展を終わらせ、ギリシャ哲学の成立を促したという観点。および戦車の使用の関連。
    ・エジプト文明が発展した理由の一つとして、ナイル川の交通の便が国内統治を捗らせたという観点。
    ・都会人のための宗教としてユダヤ教が他の宗教より優れていたという指摘。
    ・中国文明の安定性は、世界的にも特異であるという指摘。
    ・遊牧民族からの防衛と軍事技術の性質が、いかに各文明の社会的変化に影響を与えたか。(梅棹忠雄『文明の生態的史観』にあった「乾燥地帯は悪魔の巣だ」のくだりを思い出す)

  • 本当に心から楽しい本に出会った。
    常に次の展開が楽しみで、時代が進んで振り返るたびに、川の周りで麦を植えてた人間たちが、よくここまでたどり着いたものだと感じ入る。小さな赤ちゃんが立派に成長していく過程をつぶさに見届けていくような、そういう感動をもたらしてくれる。
    そして、それが基本的に全て史実であり、自分がその成長の最新の到達点、つまり現代に生きている。それが小説にない味わいになる。

    170624下巻まで読み終わり
    読書にそんなに時間を取ってない割にしつこい読み方をしたので、もう半年くらいずっとこの本を読んでいた。で、19-20世紀を最後一気に読んだ。単にそういう読み方をしたせいかも知れないが、1500年以降の下巻は、時代が進むのがとても速かった印象。まぁ、ルネサンス〜宗教改革〜科学〜大航海〜アメリカ独立/フランスの革命〜段階的な産業革命〜一次大戦/戦間期/二次大戦〜独立/冷戦まで、割と改めて勉強しなくてもそこそこ知ってることだからでもあるけど、我々の生きてる時代は決して完成した特別な時代なんかではなく、過去からしっかりひとつずつ進んできた道の上にある、ある一点に過ぎないことがよくわかる。ここ70年ほどひどい戦争がないのは確かにラッキーではあるけど、それは我々が何か完成の域に達したという意味ではない。着実に技術と制度が現代型へと変化してきて、それに伴って今の世界や生活ができてるということ。それ以上でもそれ以下でもない。ただ、そうだとしても、21世紀というのは確かに20世紀とも違うし18-19世紀とも全然違っていて、謎や可能性に満ちてる。その時間を自分が実際に生きてるということに対して、感慨というか感動というか、感覚が改まった。
    最後に、素人にもこんなに読みやすい形で、歴史の中での人間の姿を生き生きとイメージさせてくれたマクニール先生に感謝をしたい。彼の死を悲しむ。これだけの物語を語っておいて、あまりにも謙虚かつ前向きなひと言で最後を締めた。

    さて、自分は生物学の視点から、この仕事に何をどう積むことができるか?

    ところで、翻訳の文章は、すばらしいとまでは言わないが、特に悪い意味で気になりはしなかった。翻訳体の物語を小さい頃によく読んでいたからかも。

  • 本当に良書です。これまでの3本指に入る。

    ヨーロッパの学問は文明間、宗教間の矛盾を解決するために発達してきた。

    それ以前の人間と人間に似た生物との差は幼児期と少年期の長さにある。一人前になるまでの時間が伸びることは人間形成に時間がかかるようになり、したがってものを学ぶ能力が飛躍的に増大することになる。

    学習能力が増すと程度の差こそあれおそらくは偶発的に行われる発明や発見の中から良いものだけを選び出して保存することが多くなる。そして文化進化が生物進化の歩みを追い越す

    いつどこで今の人種が形成されたのかわかっていない。歴史時代を通じて人間の行為に影響を与える変数は我々の知る限り様々な人間集団における生物変種とは一応無関係と考えられるので気にしなくていい

    気候変動は生態学的な背景を変化させ、その結果人間は適応と発明能力を本当に試される危機を何度も経験した。これが古代狩猟民族の生活に制限を与えてがんじがらめにしていた慣習から人間を解き放ち、文化発展の第一歩を踏み出させた。

    大局的視点を知っておく(教養)一方で、自分自身も歴史に組み込まれた一部であり、その内部観測的視点が専門性の高い知識とかになる

    メソポタミア文明で始めてエリート階級ができたようだ。それができた理由は大規模な工事が必要だったから。つまり何か大規模なことを行おうとするとヒエラルキーを必要とする。民主的に生きたいならば適切なサイズというのがあるのかも

    職業の分化によって日常の決まり切った畑仕事から解放され、それまでにはありえないような高い技術と知識をものにすることができた。

    暇のおかげで運河や溝の建設、神殿建築、そして時間の測定技術が発達した。時間の測定は特に重要で、季節を予言できる人は神々と特別な関係な関係あると尊敬された。

    おそらく文明の初期において、神官たちは神々がどのように世界を治めるかについて体系的な教義を入念に作り上げた。彼らの考えたことはずっと後になってから作られた詩によって知ることができる。

    シュメルの治水土木がその地理的技術的限界に達するに連れて争いは深刻になる形成だった。

    地方自治の強さが統一国家の樹立を阻む勢力に。敵対し合う都市間の連合や同盟は絶えず変化したから、署都市間の勢力均衡によって戦争が激減することなどありえなかった。そこでうちでは平和を守り、外では敵に対して身を守るという問題はどうしても解決できなかった

    にもかかわらずこの問題は非常に重要な問題だったので、それはシュメル文明のみならず、のちのメソポタミア文明でも次第に無視できない重要な問題となった。ー武器の改良、軍隊組織の改善、兵力増大、行政・政治上の工夫などはそこから生まれた結果。(政治、統治、共生、そしてその裏返しの軍事・防衛という問題)ー法典の整備、官僚制による役職設定、公式の郵便事業などの、工夫はその後の文明世界での政治の基礎に。

    シュメルの国土が常に一つの神一人の王の卓越した権力の元に統一されていたと民衆に信じ込ませるために為政者が宣伝を行なった証拠もある。

    遊牧民は力に訴える方法で土地を移動しながら生きた。農耕民族は平等主義で平和的。そのため、その二つがぶつかればいつも遊牧民が有利だった。

    旧世界における農耕民の生活によって可能になった人間の数の優越と、遊牧民族から生まれた政治・軍事組織の優越との間の関わり合いを軸に展開。両者の間の関係は社会組織と結合が強まるか弱まるかによって技術が発達するかしないかによって、ある時は一方の主役に、別の時はもう一方に有利に働いた。時折大征服者や帝国建設者が現れたり、致命的な悪疫が流行すると両者の関係に変化が生じた。時と場所を問わず、両者の関係変動は人間社会を荒廃・混乱させた。紀元前3000年以降は二つのライフスタイルが分離したため人... 続きを読む

  • この著者の世界史講義を読んで、もっと知りたくなりこの本を読んでみることにしました。
    上下巻に分かれているので、この本では文明が勃興する紀元前500年前までとそれからの紀元1500年までの二部構成で述べられています。世界史講義での内容もそうでしたが、著者は人類史をひとつの全体として概観することが可能になる。と述べている通り、旧世界の4大文明の共存の様子がコンパクトにそれでも繋がりを持ってまとめられています。強力な文明が成立すると全体は、均衡を図るため「その中心から発する力により撹乱される傾向がある」とあるように中心から辺境にどうその影響が及ぼされ、技術や思想の伝播によりその地域の変化や革新に繋がったのかが時間軸、地球規模で書かれています。文明の発展の起爆となったのは、やはり地理的条件で、それに食料増産のための技術、家畜の利用、そして、武器の発明、それに欠かせないのが鉄。アルファベット文字の発明。この本ではあまり目立って書かれていないのですが、伝染病の威力。地続きの大陸にあっては当たり前の周辺の部族の襲来で、覇者が目まぐるしく変わるのですが、その鍵となるのが、こうした物でした。西欧の歴史では紀元前の古代ギリシア文明の影響力が大きいことや、キリスト教やイスラム教など宗教がどのようにして伝播していったのか、宗教と政治の関係は密接であり、今に至る紛争に連綿と続いていることが納得出来ます。日本については、農民層が密集して定住したため、ヨーロッパより一家族だけあたりの余剰食料が少ないため、貧しく非常に勤勉に働く大衆の基層がつくられたとあるのがなるほどと、国民性を理解するのに役立ちました。細かい部分まではとても覚えきれないので再読の必要性も感じつつ、ざっと読んだところで下巻に手を伸ばそうと思っています。

  • 「これが世界の足跡です」
    そんな声が聞こえてきそう。
    圧倒的。オールインワン感がたまらない。

    面白くないはずがないな。
    大いなる昔話としての史実は、この私たちの今に確かに繋がっている。

    歴史を時代的・地域的・テーマ的に輪切りにした、例えば、古代インドの歴史、のような著作物は数多い。そういった断片的な扱いの本とは一線を画す。一人の人間によって書き貫かれた通史としての面白さを存分に味わえます。地域的・時代的相似性をさりげなく示してくれる。
    国家・政治、ないしは企業の在り方、つまり人間集団の様態の多様性、宇宙を垣間見るようでもある。

    また、世界史が面白いのは日本史を相対的に捉えられるから。日本が如何に特殊で独自性に満ちているかを再認識できる。
    ヨーロッパと日本の騎士・武士社会の様態(1000年から1500年あたり)を同一文脈て扱っていたのも面白かったな。

    さあ下巻へ。

  • 上巻は先史時代から大航海時代以前まで。
    情報量が多く、一度読んだだけではちょっと消化しきれない。

    日本で学ぶ世界史は日本を中心とし、中国や西洋など日本に大きな影響を与えた地域の比重が高いけれど、本書はその点で大きく異なる。
    すなわち、ユーラシアの中央アジアと中東を中心として、西のヨーロッパ、東の中国。あるいは西のアフリカ、東の東南アジアという対称性が発見できる構成になっている。それにより、ギリシア思想と儒教、十字軍とサムライというような対比がされる。また中央アジアが世界に果たした役割が非常に大きいことがわかる。

  • 中東に勃興した最初の文明が周囲に波及し、後に別個の文化的伝統を作り上げるギリシア、インド、中国、少し遅れてヨーロッパ文明が立ち上がっていくというユーラシア中心主義で古代史の概観を説明してく。
    中世はそれらの伝統がそれぞれに独自の発展を遂げ、相互にはその存立には本質的な影響を与えない程度の影響しか与えなかったとされている。
    これらのユーラシアの定住文明は紀元前2世紀くらいからは一貫して遊牧民の進入、侵略にさらされていて、その軽騎兵の戦術に対応するために騎士が生み出され、古代の中央集権制から封建制への変換を促したとされている。
    日本が中国文明に属する他の東アジア諸国とはやや離れた独自の進展をしていくことにも触れられている。

    さらに冷戦時代にかかれたこともあり、 ヨーロッパ文明の周辺として出現しのちに超大国となるアメリカ、ロシア文明の発生と比較へと話は進んでいく。
    近代はヨーロッパ文明によるアメリカ、ロシア文明の分立と他の文明への政治的、経済的支配によるより本質的な影響を与えた時代として概観されている。
    ここでも独立性を保った比較的規模の大きい文明としての日本は独自の地位にあり、他のアジアの大国である中国(清)、インド(ムガル帝国)、トルコの運命とは対照的に並べられている。

    一方で青銅器文明では一騎打ち戦法が主流で貴族の権威が高かったのが鉄器時代に入り武器の低コスト大量生産ができることで自営農民による集団戦法が力をもち古代民主制の基盤となったこと、ホメロスのイリアスにはその不整合が戦車から降りて戦う貴族戦士という形で現れていること、さらには中国の儒教、インドの仏教、ヨーロッパ、中東の一神教などの異なる 宗教的伝統の中で聖典の語句を自由に並べ替えることでそこからほとんど任意の教訓、教義をひねり出すことが行われた事実などがほとんど普遍的現象として取り上げられていたのが興味深かった。

    リーマンショックによる先進各国の苦境、いわゆる新興国の興隆の状況をかんがみて文庫化されたのかもしれない。

  • 銃・病原菌・鉄とあわせておすすめ。
    ちょっと日本を持ち上げすぎなところが気になるけれども、なぜギリシャはヨーロッパにとって大事なのかが少しわかった。
    全体として農業の改良(鉄のクワの誕生とか、ジャガイモが伝わるとか)によって人が増える、人が増えると非生産的なこと(戦争だったり発明だったり)ができる。で国が大きくなる。ってのが流れとしてあって、戦争も改良(新たな戦闘形態や新たな武器の発明)されていくがだんだんとお金がかかることになり、よりお金をかけれる国が戦争に有利になり大国になっていくと。大国となったのは第2次世界大戦ぐらいまでで、ここからはゲリラ戦に代表されるように民族的宗教的な小規模グループへ分化している流れがあると。
    おもしろいです。何回読んでも面白いかも。

  • ポイントは3つ。1つは全体の傾向として人物ではなく文化・文明に焦点を当てた構成となっており、異なる文化間の衝突・融和に関する考察が興味深いものとなっている。2点目はその論理的必然として紀元前、特に文化の黎明期にページを割いており、上巻では半分近くが紀元前に関する内容で占められている。そして3点目として、そのテーマが故に本書の内容はジャレ・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』と親和性が非常に高いということ。合わせて読むことで文化の進化がどのような過程で進んでいくのか、はっきり理解できるようになると思う。

  •  タイトルにあるとおり世界の歴史が書かれた本。
    年と出来事を淡々と書き連ねていくような内容ではなく、国々の文明や宗教の関わりなどを、紀元前から現代まで追っていく内容となっています。

     自分の世界史観を整理したかったり、別の角度からの世界史を知りたい人にオススメです。ただし、著者の思想や独自の歴史観がまざっているので『教科書』としては合わないかもしれません。とはいえ、それが本書の魅力でもあります。

     上巻では農耕や宗教の広がりの解説から始まって、ヘレニズム・インド文明の影響による各地域の発展、他民族の略奪や侵略による衰退などを得て、人類の歴史が西暦1500年前後まで書かれています。

  • マクニール先生の世界史は面白い。個々の事例が繋がって、巨大なネットワークになる。まるで、マインドマップを作っているようだ。

    そうして生まれた<世界史>に、違和感を覚える人もいるだろう。なぜなら、偉人や英雄が世界を動かした、というような物語的な歴史ではないからだ。本書を見回しても、歴史的人物(始皇帝、アレクサンダー、カエサルetc...)の活躍を謳う記述は驚くほど少ない。それよりも、文明の形成や、社会階級の対立、宗教の発展や発明品による社会的影響、各文明間の連関など、マクロな視点が重視されている。人文的というよりも社会科学的である。そう、あくまでも「学問」としての世界史なのだ。

    だから、「教養」としての世界史を求める人には、少々物足りないかもしれない。足らない部分は英雄譚や地域史、文化史など必要に応じて補完するべきなのだろう。

  •  「文化」という視点による世界史。文化の伝搬が他の地域にどういった影響を与えたか、その結果何が起きたのかということが地域、年代ごとにまとめられている。上巻では前500~後1500年頃までであるが、「宗教」という発明が想像以上に歴史を大きく動かしているという印象を受けた。もちろん宗教の発達にかなりの部分を割いて解説しているということもあるが、国の転換期に宗教が大きく関わっていることは否定できない。歴史は戦争の記録という見方があるが、宗教の伝搬の記録という見方もできることが分かった。

  • 日本の供述が興味深かった。ボリュームからすると少しではあったけれど、日本人の勤勉さがどのような環境下で、またヨーロッパとどのように異なるため生まれたのかが理解出来た。

  • 中身を理解するのが難しくなかなか読み終わらなかった。

    世界史を縦断的ではなく横断的にまとめた本。世界の出来事の一つ一つが関連していることは知っていたが、どのような理由・形式で行われたかを詳細に述べてくれている。

    例えば、4大文明と呼ばれているものも、同時に独立的に発生したものではなく、一つ一つが影響し合って発展していったものであるといったことを詳述している。

    また、日本についての考察もかかれており、西欧や中国・インド等で起こった現象が当然には当てはまらなく、独自の文化・宗教体系が発展していったことに驚いた。

  • 高校時代、歴史って苦手だったなぁ~。
    色々と覚えなきゃいけないと思ったから、重圧だったんだね~。
    なのに、大人になってから読む歴史書は、面白いのは何故でしょう?嬉しい誤算です。

    大人になると、「歴史を知らない=文脈を知らない」のは、恥であるし、何を言っても説得力がなくなるので、教養として知っておかなければならない。

    本書は、詳細な歴史学の教科書(全10巻)の副読本として、ザックリとした歴史について書かれているので、文脈を掴むのに持って来いだし、スピード感が良いのです。

    面白くてスイスイ読めちゃいますよ。
    これを教科書にすれば良いのに…てか、読むと良いよ、高校生諸君!

  •  世界の4大文明がどう交錯し、どう影響を与えあったかの流れが説明されている。この流れを知っていれば、より一層世界史が面白くなるだろうということは間違いない。ただ、誤字・脱字が多くて若干読みにくい。

     ある文明が繁栄すると、その周辺部がその文明の知識や制度を取り入れて、また発展する。ユーラシア大陸の東と西でそれが交互に繰り返されてきたことは注目すべき事実だと思う。

     歴史の転換点において、遊牧民族の侵入が重大な役割を何度も果たしてきた。過去二千年にわたって、その圧倒的な機動力と組織的攻撃力で影響を及ぼしてきた遊牧騎馬民族の末裔は今、ほとんど影響力を持っていないように思える。しかし、現代、遊牧民と同じ役割を持つ人たちはいるのではないか。
    だとしたら、それはどういうものなのか興味がわく。

  •  書評サイト「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」で紹介されているのを見て購入。単に出来事を並べるのではなく、また世界の様々な場所(例えばヨーロッパと中国)をバラバラに語るのではなく、人類の文明がどのように発展してきたか全体像をつかめるように語っている。

     著者のマクニールはカナダ生まれでシカゴ大学の教授となり、引退後もアメリカ在住とのこと。つまり西洋世界の人だ。しかし本書は決して西洋中心の史観ではない。むしろ、欧米人が他の地域の住民より優れているような誤解を丁寧に排除している印象だ。そうでなければ欧米のみならぬ世界で名著とみなされたりはしないだろうが。

     私が本書を読んで興味深く感じたのは、個人と国家の関係がどのように進化してきたかという点だった。

     現在では、地球上ほぼすべての土地はいずれかの国家の領土であり、ほぼすべての人類がいずれかの国家の国民となっている。しかし国家の概念は最初からあったわけではなく、最初からすべての土地と人間が国家に属していたわけではない。では、国家はなぜ生まれ、なぜ定着したのか。本書でその答が明確に示されているわけではないが、初期の国家における支配者と民衆の関係を読むうちに、なんとなく理解できた気がする。

     今の世界のあり方が当然ではないのだ。

  • この本について、「学生時代に、こんな風に世界史を教えてくれたらよかったのに」という感想をよく聞くが、わたしはそうは思わない。思想や文化の発達の視点から、世界史を解いてゆくこの本は、一度は「教科書的な」世界史を学び、かつ、世界史に興味がある人にしか響かないのではなかろうか。
    高校時代、世界史が苦手科目の1つであったわたしだが、世界史に興味はある。だからこの本を読んでみると、学校で教わる世界史が、単なる言葉の羅列ではなく人間の営みとして動き出したような体験ができた。
    どんどん興味を削がれ、言葉を追いかけるだけになってしまった近代史を取り上げる下巻にも期待したい。

  • 上下巻と一気にいきました。物語調で一瞬フィクションかと思うくらい、気持ちよく読み進めることができました。
    やはり、歴史を学ばなければ、現状分析や将来の見通しを立てることはできませんね。

  • いやぁ、読みにくかった。翻訳のせいもあってか、記述がいちいちまどろっこしくって頭にスッと入ってこない。連休中だったのに、読み終わるまでに1週間もかかってしまった。下巻はいつ読み終えることができるんだろう。
    世界史全体の大きな流れを概観できるので、内容は悪くないんだけどなぁ。しかし、よくこの本が大学生協で売り上げ一位になったよなぁ。

  • 世界史の知識が皆無だったが、粗方の知識を学ぶにはいい本だった。
    しかし、終盤は理解が追いつかない部分も。
    紀元前の考古学的発見から1500年あたりまで。

  • 読みやすかった!

全168件中 1 - 25件を表示

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)に関連するまとめ

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)の作品紹介

世界で四十年余にわたって読みつづけられているマクニールの「世界史」最新版完訳。人間の歴史の流れを大きく捉え、「きわめて特色ある歴史上の問題」を独自の史観で鮮やかに描き出す。ユーラシアの文明誕生とそのひろがりから、紀元後一五〇〇年までの四大文明の伸展とその周縁部との相互干渉まで。地図・写真多数収録。年表つき。

ツイートする