書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫 ほ 12-10)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049918

感想・レビュー・書評

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  • 作者が「小説を執筆するにあたって」を第三者に説明する、というよりは作者の覚書のようなリズムだったせいか?言葉の言い回しがしっくり来なかったせいか?所々なるほどねとは思えたけれど、全体的に難しかった。作者の作品を読んだ上でこの本を読んだ方が理解が追いついたかもしれない。
    文章書いてご飯食べたい人が読むには参考になるかも。

  • 文章を書く参考にと思ったけれど、思っていたより「小説とは」に重きを置いた本。
    先日、某雑誌で伊集院静さんが「量を書け、量を書いたらおまえの欠点もわかるし書く中でしか次の場所は見つからない」と書いていた。
    文章も絵も音楽も続けることでの発見、成長があると思うのでシックリきた言葉。
    でも、この本では「次々と書こうとしないで」何を書きたいかをよく考えてとある。
    気持はわかるけど、兼業の仕事に対する姿勢にしても私には合わないかも。
    うなりながら読んでる。なかなか読み進むことができない。
    文例の「アンナ・カレーニナ」を読みたくなってきた。
    さっきまで良く考えてとか書いてあったのに、ルールは決めてもいいけどテーマを決めるのはダメとか。
    私の理解力がないのか、なんとなく言いたいことはわかるんだけども。ぐるぐるしてしまう。
    読んでいるうちにこの本は作者の本の解説なのかも?という気分になってきた。保坂氏の本をじっくり読んで再読したら見方が違うのかも。
    たぶん、これを村上春樹とかが書いていたら、あーあれね。と本のシーンが浮かぶんだろう。

    「小説家は小説を使って自分を高めなければならない。」「賞をもらおうが、一作書くごとに、自分がレベルアップしていく実感がなければ小説を書く意味がない。」
    でも自己救済であってはダメ。

    「風景を描くことで文体が生まれる」

    「ストーリー・テラーは、結末をまず決めて、それに向かって話を作っていく」

    「作者にとって小説を書くとは問題を解くこととイコールになる。当然、読者にとっても小説を読むことが問題を解くこととイコールになる。」
    「その問題は読み終わった後で解けているわけではなく、小説を読んでいるプロセスそのものに問題を解くという行為が内在する」

    「小説になる困難さを抱えた小説だけが、小説として書く領土を広げることができる。小説は形ではなく。何を書くか、この形で何が書けるかを考えるものなのだ」

    気になった言葉を書き出してみたけれど、次のページで否定されていたりもする。私には難解だった。
    仕事に対してもあれもこれもは無理だから、兼業仕事は、仕事をあまり振られない人になった方がいいとか書いていたのに、後半で「成功するために周囲を犠牲にするなんてどんな職業でも許されない」とか言い出す。どうやら小説の中ではということらしいけれど、ありゃ?と思わずにはいられない。
    そんなぐるぐるした本。
    もしやこの本もストーリーのない小説だった?
    まあ、小説家の考え方を読めたのは面白かった。

  • いまいちこの人と波長があわない。
    なんか中途半端なんだよなあ。その、「小説」という枠組みを広く捉えてほしい、もっと視野を広げたほうが小説家向きだっていう主張はよくわかる。でも自分の作品を例に出されると……なんていうか自作の解説っていうか、「こういう読み方すればおもしろさ伝わるでしょ?」みたいな押しつけがましさを感じてしまうのだ。「抽象的に」とか言うわりにわりと細かいし…結局、テクニックの話しちゃうし。

    だいたい、「小説の世界って広すぎて面白すぎるぜ!」という主張で書かれてるものなら高橋源一郎の作家指南本がやはりナンバーワンで、これより他におなじ系統のものはいらないという気がする。
    本書からは小説への愛情があんまり感じられんのです。

    そしてなにより。書かれている文章が外(書きたいのだけれどなかなか書きだせずにいる人)に向けられている感じがどうもしない、ということ。なんだかひとりごとというか、自分に言い聞かせているような……。これは、言いすぎだろうか。でも「書きあぐねている人」というのは、作者自身なのではないかと感じたことは事実だ。

  • 読むのが早かったのか、合わないのか?

  • わかりづらい

  • 保坂和志風の小説、もしくは保坂好みの小説を書くための入門書、に近い。
    だからといって、参考にならないわけでもないし、保坂さんの小説は結構好きだし好きな人も多いと思うので、決して読むに値しないわけではないと思います。

  • 小説が立ち上がる、という表現に惹かれた。文章がこねくりまわってなんのことをいってるかわからない。

著者プロフィール

1956年、山梨県に生まれる。小説家。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2018年『ハレルヤ』所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。主な著書に、『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。

「2022年 『DEATHか裸(ら)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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