世界見世物づくし (中公文庫)

  • 21人登録
  • 3.50評価
    • (1)
    • (1)
    • (4)
    • (0)
    • (0)
  • 2レビュー
著者 : 金子光晴
  • 中央公論新社 (2008年8月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122050419

世界見世物づくし (中公文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 大正から昭和初期に中国、ヨーロッパ、東南アジアと放浪した詩人の随筆集。当時の様子と雰囲気が伝わる。海外についてのエッセイの寄せ集めなので一貫した印象は薄い。

  • この人の腹が据わっている文章と生き方がとても好きだし、本書も実際とても面白く「支那」関係の洞察は今でもよく通用すると思う。
    貧乏についての文章にはとくに笑った。曰く「貧乏も、ひとり身でやっているのだったら、からだがひきしまって、そんなにわるいものでもない」。「貧乏に平気な女がいたら、と僕はあくがれたほどだ。それほど例外なしに、女は、貧乏ぐらしの苦しさが辛抱できない」。「中西悟堂君は、米や、パンを排して、しばらく松葉を摘んで常食にしていた。蛙をつかまえて、あたまから呑んでしまうのをみていて三歳位だった僕の息子が、わっと泣き出したことがあった」。「真の貧乏人とは、もっと筋骨の通った堂々としたもので、福士幸次郎、吉田一穂、山之口獏などのような、不退転な貧乏のことをいうのだ」。「『お前、一人殺したら、日本金千円やるといったらやる気あるか?』と、Dという友人が言ってきたとき、僕は、それもいいな、とおもったくらいだ。ともかく、巴里の貧乏から脱出できるのなら、たいがいなことはやってもいいとおもったものだった。恐らく、戦後の青年の気持ちもそれに似たようなものではなかったろうか」。「西洋の貧乏は、決してたのしいものではない。竹の家、紙の家の余情はなくて、鉄鎖と石室の非情に終始している」。「ところが戦争を越えてからの現在の日本は、あの頃の西洋とよく似てきて、先にも言った通り、金がなければ一日もすごせない。貧乏はできなくなったのだ」。

全2件中 1 - 2件を表示

金子光晴の作品

世界見世物づくし (中公文庫)はこんな本です

世界見世物づくし (中公文庫)のKindle版

ツイートする