お腹召しませ (中公文庫)

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著者 : 浅田次郎
  • 中央公論新社 (2008年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122050457

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お腹召しませ (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 江戸末期を時代背景とした短編6つの小説。お腹召しませは、お家を守る為に切腹を決意した高津又兵衛が家族や周りの態度からお家制度そなものに矛盾を感じていくとても楽しい物語。大手三之御門御与力様失踪事件之顚末や安藝守様御難事など形骸化した武家社会の仕組みや決め事の中で窮屈に生きる武士達がむちゃくちゃ面白く描かれている。その他、感動するものもあり繰り返し読みたくなるものばかり。

  • 現代の会話から過去の話へと導き出すところ、ほんとうに旨いと思います。「お腹召しませ」他数編の短編集。 「お腹召しませ」もいまどきの人間の感覚から、武士といいながらも数百年も平和だとこうなるねぇ・・・とうなずくような内容。 この他の短編集も現代への課題も織り交ぜて語りかけているようで面白いです。「現代の若者たちは煮え滾る欲望を、政治や思想に託けて発散しなければならないほど貧しくはなく、また愚かしくもないのである」@御鷹狩 などなるほどと思いますね。なかなか楽しめます。

  • 2017年8月 出口さんに貰う

  • やはり浅田次郎はすごい…
    物語も絶妙な機微で描かれていて面白いが、日本語を強く感じた作品。
    言い回しや漢字、非常に勉強になる。

  •  武士の本義が薄れた幕末維新、戸惑いながらもおのれを貫いた男たちの物語(背表紙解説より)この物語に似たようなことっていつの時代にも当てはまりそうだ。例えば、戦後70年を経て平和ボケした平成末期、資本主義経済に翻弄されながらサラリーマン生活を貫く男たちの物語ってどぉ(笑 価値観の変革期に人々は右往左往するわけ。

  • 五郎治殿御始末を読んでからしばらくして、本書を手に取った。
    武士の世の終わり頃を舞台とした短編集で、裏・五郎治殿御始末といった味わい。

    というのは、武士道とか言いながら、われわれの先祖がそんなもんじゃなかったはず・・・という思いが、この作品集を貫いているかのよう。そこに、おかしみやら、あたたかさやら、せつなさが漂うという浅田さんらしい歴史小説です。

    個人的には、最後の殿様と後に言われた、浅野家の殿様を描いた安藝守様御難事がお気に入り。

  • 歴史小説の短編集。

  • 前作の幕末もの読み切りのほうが味はあったかな。

  • いい話6編。
    よくこれだけお話を思いつくなあと、
    改めて浅田次郎に感服。
    表紙の絵がイメージ悪いのが残念。

  • 「こんな晩くらい、夜泣きのひとつもしとくれよ。薄情者か、おまえ」
    2015/09/10-09/18

  • 2015年8月28日読了。

  • 母国語の司祭たる小説家はその記す一言一句に責任を持たねばならない。

  • 江戸末期にあった伝え聞いた話を作者の空想で膨らましたフィクション。その時代に生きる人達の一生懸命な気持ちが浅田節で描かれており、読んでいて気持ちがいい。

  • 幕末を舞台とした6つの短編集。主人公たちにそれぞれ人生最大級のピンチが訪れる。お家存続の危機や、武士の誇りを守るために懊悩するうち、次第に人間らしさに目覚めていくという共通したテーマが根底にある。感銘を受けたのは、表題作「お腹召しませ」。ほかの5編については、テーマを大切にするあまり、かえって筋書きが束縛されて、作風が窮屈に感じられたのが残念だった。

  • 馴染みづらいタイトルだな、ってのが第一印象。でも受賞作品ってところにも惹かれて、優先的にゲットした作品。短編集とも思わなかったけど、幕末を背景に繰り広げられる6編。それぞれ微妙に主人公も時代背景も異なる。表題作があまり好きじゃなく、これはイマイチかな~って思いかけてたけど、“女敵討”と“御鷹狩”が素晴らしくて、そのおかげで、自分の中での全体の印象もちょっと上向いた。短編の中に人情の機微を盛り込むの、やっぱり抜群に上手いす。

  • 江戸から東京に変わった時期の武士の生活ぶりを描いた短篇集。
    プライドと暮らしの折り合いのつけにくさ。ユーモアたっぷりに書かれているが感情移入すると笑えない。大きな制度の過渡期の混乱ぶりが痛ましかった。

  • 2007年第1回中央公論文芸賞、第10回司馬遼太郎賞。
    現代の回顧から描いた「お腹召しませ」「大手三之御門御与力様失踪事件之顚末」「安藝守様御難事」「江戸残念考」「御鷹狩」の短編5編。
    260余年の太平で、建前とは別に武士の本義が薄れてきた幕末の武士の本音を描く。
    ◇お腹召しませ
    婿が藩の公金に手を付け女郎を身請け逐電してしまい、家を守るためには腹を切るしかない。妻と娘は、家を守るためいともあっさり「お腹召しませ」と言う。妻「おひとりでお寂しゅうございましょうが、お腹召しませ。」娘「後のことは母上と万端つかまつりますゆえ、ご安心ください。お腹召しませ。」つらいな。
    ◇大手三之御門御与力様失踪事件之顚末
    現代で携帯電話は伸縮自在な首縄を家庭と会社に握られているようなもの。ならば電源を切れるかと言うと、あらぬ憶測を招くので勇気がいる。
    ある日大の大人が「神隠し」にあった。行方知れずになってから5日目、記憶喪失の状態で見つかる。
    ◇江戸残念考
    大政奉還から何事もなく日は過ぎていき何の沙汰もない。すると慶喜公が鳥羽・伏見から逃げ帰ってきたという噂を聞いてくる。江戸は無様な結果に曝され、日常の挨拶も「残念無念」と言うのが流行っていく。

    浅田次郎曰く、「小説はその奔放な嘘にこそ真骨頂があり、歴史学には嘘は許されぬ。嘘と真実とが歴史小説という器の中で何ら矛盾なく調和していかなければならぬ。これは奇跡である。」そこにとらわれず自由に描いた短編。

  • 浅田次郎の江戸を舞台とした小説。いくつかのテーマで描写される秀逸な本です。

  • 身近に感じる出来事から展開する物語・そして独特な言い回しや史実の知識が比較的少なくても読める点から、特に歴史小説を読んだことのない人におすすめできます。

    どの短編からも、「自分の大切なモノって何だろう…」と考えさせられます。一足先に動き出した主人公たちから刺激を受けられる一冊です。


    特に「江戸残念考」が大好きで何度も読み返してしまいます

  • 江戸末期の武家中心な短編集。しきたりに縛られてがんじがらめなお武家さんたちが時々滑稽で、時々切ない。神隠しの話と女敵討の話が好きだった。

  • ―――お家を守るため、妻にも娘にも「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断は…。
    武士の本義が薄れた幕末維新期、惑いながらもおのれを貫いた男たちの物語。表題作ほか全六篇。
    中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞受賞。

    ちょっと前に書いた『五郎冶殿御始末』
    と同じように、幕末維新期の物語ですが
    若干こちらのほうが古い時代を扱ってます

    「吉岡の家はわしを限りに絶えればよい。どう考えようと、人の命より家の命のほうが重かろうはずはあるまい。」(「女敵討」より)

    武士かっけぇ

  • 江戸末期の武家の小話。各話の前後の現代世相との対比や浅田氏自身のエピドードに対するコメントが入り、それがまた大変面白い。
    今生の我々と共通するやるせなさや憤りを、その時代背景を見てきたかの如く生々しく描き出す技量は相変わらず。やはり私は浅田短編作品が好きなのだ!と思わせる一冊。

  • 現代のささいな出来事から時代物に移る、というパターンがちょっとまだるっこしい感じだったが、お話自体はよかった。しかし結末が自分でもつけかねている、というのは一流作家の弁としては納得できかねる。物語は物語として責任をつけてまとめて欲しい。私に情緒がないだけかもしれないが。

  • 武士の日常を描いた作品。
    本のタイトルにもなっている、「お腹召しませ」ほか六篇が収録された、短編集。

    登場人物たちは皆、それぞれに必死なのだろうが、どこか笑いを誘う。

    何がなんだかわからないままに大名が走らされる、「安藝守様御難事」と、一家相伝の「残念無念」のルーツを探る、「江戸残念考」がお気に入り。

  • 時代小説の短編集。江戸末期の最後の武士を人間らしく描いています。非常にユーモラスな仕上がりとなっています。

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