十二人の手紙 (中公文庫)

  • 439人登録
  • 4.02評価
    • (44)
    • (68)
    • (31)
    • (2)
    • (2)
  • 62レビュー
著者 : 井上ひさし
  • 中央公論新社 (2009年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051034

十二人の手紙 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 井上ひさしは夫が好きで、よく薦められるものの、ちゃんと読んだのは初めてだったかな?
    (以下、ネタバレというほどでもないですが、未読の方は先に、先入観なしに作品を読む方が良いと思う。)

    文庫本の奥付けには1980年初版発行と書いてあり、本当に初めて世にでた年とどれくらいずれがあるかはわからないけど、まあだいたいそのころなのだろう。時代物というには新しいけど、現代物としては読めない、中途半端な時代感覚ーー読み始めはこれにひっかかって、ちょっと入りにくい。
    でも、手紙形式だけでストーリーを紡ぐというスタイルは見事だし、またその語られるストーリーのエログロ(?)さが適度に刺激的で、ワイドショーで他人の波乱の人生をついつい追っちゃうような心理で、面白くなってくる。(ワイドショーとちがって、少なくとも建前上は架空の出来事なので、不必要に胸を痛めることもないし。)
    それだけでもじゅうぶん面白かったけれど、終章がまた素敵でした。どう素敵かということは解説の扇田昭彦さんという方が書いている通り。解説でのカフカの引用「文学は祈りに傾く」という言葉もなるほどなあと思った。
    うーんじわじわ来るなあ…。

  • プロローグを読んだ時、手紙っていいものだと思いました。こんなに綺麗な日本語、久々に見た気がしました。昔の作品だから、と言えばそれまでですが、感情や状況を相手に伝えようと言葉を選んで書く手紙は、言葉の乱れも最小限になるのかもしれません。
    さて、そんな風に手紙の良さを再確認しながらほのぼのと読み始めたら、プロローグからとんでもないことに…。
     どの話(手紙)も印象に残るものですが、特に『桃』は考えさせられました。どちらかというと悲劇的な話が多いですが、エピローグの様々な仕掛けには唸らされました。読んで良かったです。

  • 「手紙」から展開していく12人の物語。

    ストーリーがテンポよく進んでいき
    読んでるほうに隙を与えたところで
    裏切る!

    本にも、こういう書き方があったのか!と。

    今までこんなおもしろい書き方の本に
    出会ったことがありません。

    一つ一つの物語が意外と濃く、読み応えあります。
    (難しい、という意味ではありません。。)
    何度も読み返してしまいそうです。

    仙台が舞台のストーリーもいくつかあるので
    余計にページが進みました。

  • キョンキョンの書評を見て気になってチェックしてた本。
    それがなかったら、きっと手に取らなかった本。

    結果的に、2016年で一番印象に残った、出会えてよかった本になった。
    今年はあんまりこれ!って本に出会えなかったな~。。。と思ってた最後の最後に。

    手紙だけで構成されたお話。
    だから語られない空白の部分が多いはずなのに、自然と想像力がいつもより働いて、景色が浮かぶ。
    特に「赤い手」はショッキングだった。
    ほとんどが公的な書類。
    なのに1人の女性の一生が語れてしまう。

    今だったらメールとかLINEになっちゃうのかな?
    それはそれで成り立つし面白いかもしれないけど、
    あの時代の手紙の一方的に一気に気持ちを伝える感じとか、タイムラグが物語をおもしろくしてるんだろうな。

  • 手紙。短編集。『小泉今日子書評集』にて。
    いろんな”手紙”によって明らかになるその人の様子。なかでも「シンデレラの死」が印象的だったー。最後のエピローグで、これまでの短編に出てきた人たちがいろいろ出てくる。

  • 読み始め…16.11.5
    読み終わり…16.11.6

    さまざまな身の上の人が書く手紙。
    近況を綴り、気持ちを伝え、返事を書く。
    まったく別人の十二人の手紙でありながら
    ところどころに共通する人物が見え隠れする。

    他人の手紙を読むなんて
    なかにはこんなこと書いちゃっていいの??
    という際どい内容もあったりして
    そんな手紙を読むだなんて
    見てはいけないものを盗み見しているような
    後ろめたさと
    いけないことをしているとわかりつつも
    ぞくぞくわくわくとするその快感に
    もう後にはひけなくなる....

    こんなにいくつもいくつも立て続けに
    人の書いた手紙を読ませられると、
    他人の生活を盗み見た罪悪の罰に
    いつかどこかへ
    突き落とされてしまうのではないかという
    恐怖に怯えつつ、なのにその恐怖にさえも
    快感を期待している自分がいて
    読むことがやめられない...

    人の手紙を読むというのは罪ですね。

    まったく接点のなかった十二人の
    手紙を書いた主たちは偶然ににも
    ある日ある場所に集まることになる。。
    そして事が起きてしまう――

    ペンフレンドのなりすましなんかは
    今でいう出会い系?と通じるところがありそう。

    昭和の時代の古めかしい
    ノスタルジーな空気が心地いいです。

    表紙カバーの
    封筒から覗いているカードが意味深....。

  • とっても面白かった。手紙形式って、嘘かほんとかも分からないので、ドキドキする。

  • 書簡形式で構成されている短編集。一遍一遍は勿論秀逸であったが、最後のエピローグでそれらがつながるのはお見事としか言いようがない。これを機に他の作品も読んでみたい。

  • 短編連作
    中身は手紙という形式をとっていて、一人語りの場合もあれば、双方の返信がある場合もある
    ミステリーっぽいのは楽しいけど、どういうこと? みたいに中途半端な形で終わっているものもあって、バラつきがあるかな
    最後の1話が総まとめみたいになっているので、それはよかった

  • 背景の時代がふるいので、少し物足りなさは感じたが、手紙とゆう手法のため、読みやすかった。
    比較的、悲しい話、結末が多くて、少し後味の悪さみたいののは残る。

全62件中 1 - 10件を表示

井上ひさしの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
村上 春樹
村上 春樹
伊坂 幸太郎
湊 かなえ
東野 圭吾
村上 春樹
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印

十二人の手紙 (中公文庫)に関連するまとめ

十二人の手紙 (中公文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

十二人の手紙 (中公文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

十二人の手紙 (中公文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

十二人の手紙 (中公文庫)の作品紹介

キャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、手紙だけが物語る笑いと哀しみがいっぱいの人生ドラマ。

十二人の手紙 (中公文庫)の文庫

十二人の手紙 (中公文庫)の単行本

ツイートする