安徳天皇漂海記 (中公文庫)

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著者 : 宇月原晴明
  • 中央公論新社 (2009年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051058

安徳天皇漂海記 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • だいぶ前に買ってたのを、そういやこれ安徳天皇ってタイトルだなあと読み始めましたが、物語は鎌倉時代から始まります。
    前半は少々読みにくかったですが、ラストに近づくと、おおこういう話だったのか〜と。壮大なお話です。
    南宋滅亡の闘い「崖山の戦い」は壇ノ浦の戦いに似てるというのは、他の物語でもあるようですが、それにマルコ・ポーロも入ってくるという壮大で幻想的なお話でした。
    「高丘親王航海記」にインスパイアされてるそうですが、また違った味わいのある小説だったと思います。

  • この寂しさである。心地よい歌と語りのリズム。ことばというのは音楽ではないかと思う。和歌とは文字から音楽を立ち上げる装置かもしれない。

  • 第一部は源実朝.近衛兵の思い出話(宗からの使者に対して語る)として吾妻鏡や金槐和歌集を引いて描かれるため日本の中世に読むものを誘う.第二部はほぼ同年代のマルコポーロ.琵琶法師がフビライカーンの前で奏でる平家物語に始まり,マルコの前にフビライに責められ南下する大宋の少年皇帝,安徳天皇,失意のうちにインドで客死した高丘親王などが幻想と現実入り乱れて現れる.少し夢の部分が多すぎる気がする.

  • 源将軍とクビライが絡む話と聞いていたので「義経=ジンギスカン伝説」の亜流だろうと思い、よくある展開かなぁと読み始めたのだが…

    2部構成の1部が独白に文語体(和歌や平家物語や随想等の引用)が交わる読みにくい文体で挫折しかける。「これだから日本史は苦手やねんなぁ」と思って眠気と闘いつつ読んだ部分が、第2部になって実に見事な伏線と化す。

    武ばった源氏と元じゃなく、雅な平家と宋を中心に据えてくるとは「うわぁ、なるほどそう来るか」って、ちょっと震えてもたよ。

    第2部の語り手マルコ・ポーロの想いを横に読者冥利に尽きるストーリー構成と伏線回収。
    滅びゆく中華大帝国を描くクライマックス、滅びを免れた倭の鎌倉政権のことを偲びつつ、その迫真の展開を読む。この仕掛け方ほんま上手いし渋いわ。

    思ってた以上の出来。第一部の読みづらさを耐えた甲斐ある、エエ小説でした。

  • 歴史上の出来事について考える時、「正史」と「史実」と「真実」と「事実」という観点がある。
    あくまで自己解釈だが、「正史」と「史実」は近しいもの。
    当時の権力者の下編まれたのが「正史」で、多くの史料に刻まれたのが「史実」。
    「事実」は、実際その時何が起きていたのか。誰の目から見ても「こういうことが起きた」と言えるのが、それ。「正史」や「史実」から見えてくることもあるし、そうでないこともある。
    そして、「真実」は、人々が「こういうことが起きたはずだ」と信じるもの。だから、信じる人の数だけ、「真実」は存在する。
    この物語は、言うなれば安徳天皇の入水と、源実朝の死の「真実」をつづっているものなのだと思う。
    それは「正史」や「史実」とは一致しないし、もちろん、「事実」とは違う部分もある。
    けれど、そこには確かに、一片の「まこと」があるような気がするのです。
    少なくとも私は、特に実朝について、この物語を「真実」としたい。

  • 批判も多いが、僕はこういう歴史モノも嫌いじゃない。安徳天皇が可哀想で仕方ない。

  • ダ・ヴィンチ プラチナ本 2006年6月号

  • 『破滅と恨みと償いと悲しみと救いの物語』

    とても面白い本でした。

    二部構成となっており、第一部は口語体で書かれていて自分は苦手だったのですがそれでも引き込まれるように読みました。
    第二部は第一部とは打って変わり読みやすい伝奇ものになっていましたが、最後の部分がとても鮮烈な表現に感じられました。
    第一部から最後まで一貫として続くテーマも印象深かったです。

    全体の内容としては、破滅と恨みと償いと悲しみ、そして自身にもどうにもならない感情を書いた物語でした。
    物語途中では少し釈然としない気持ちになりつつも(敢てその様に書いているのだと思います)最後の部分は綺麗に終わったところも良かったです。
    綺麗に終わるけれども綺麗過ぎる終わりでない所も個人的に好感を抱きました。

    今作を読んでいて残念だったのは作品が、という所ではなく自分の和歌や古文に対する素養の無さです。
    本作では各所で歌が取り上げられており、物語内でも最低限分りやすく説明や描写があるのですが、自分がもう少し古文や歌を解せればこの作品を十全な形で理解し楽しめたと思うと其処だけが(自分に対して)残念に思いました。

    自分自身に対する思いはともかく読了後に良い本だと思えた事がこの本に対する自分の一番強い感想です。

  • 9/14 読了。
    再読。思いも寄らない場所まで連れて行ってくれる物語が大好きだ。

  • 歴史モノのファンタジー。以前から興味が有ったネタが織り込まれてたので面白かった。ただ第一部の語り口に何度も眠りに落ちてしまったので半分ぐらいにしてほしかった。第二部はCG映像で観てみたい。正直、第二部だけで良い気がするけど第一部を読んだからオモロかったんやろなぁ。映画化したらええのに。

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