- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122051058
感想・レビュー・書評
-
源実朝と南宋滅亡を安徳天皇が結ぶ筋は歴史小説の面白さ
だが澁澤竜彦を読んでいないと最後が眠くなる
現代ではありふれたガラス工芸の現代で突然作者が出てくるのは良いのだろうか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この寂しさである。心地よい歌と語りのリズム。ことばというのは音楽ではないかと思う。和歌とは文字から音楽を立ち上げる装置かもしれない。
-
第一部は源実朝.近衛兵の思い出話(宗からの使者に対して語る)として吾妻鏡や金槐和歌集を引いて描かれるため日本の中世に読むものを誘う.第二部はほぼ同年代のマルコポーロ.琵琶法師がフビライカーンの前で奏でる平家物語に始まり,マルコの前にフビライに責められ南下する大宋の少年皇帝,安徳天皇,失意のうちにインドで客死した高丘親王などが幻想と現実入り乱れて現れる.少し夢の部分が多すぎる気がする.
-
歴史上の出来事について考える時、「正史」と「史実」と「真実」と「事実」という観点がある。
あくまで自己解釈だが、「正史」と「史実」は近しいもの。
当時の権力者の下編まれたのが「正史」で、多くの史料に刻まれたのが「史実」。
「事実」は、実際その時何が起きていたのか。誰の目から見ても「こういうことが起きた」と言えるのが、それ。「正史」や「史実」から見えてくることもあるし、そうでないこともある。
そして、「真実」は、人々が「こういうことが起きたはずだ」と信じるもの。だから、信じる人の数だけ、「真実」は存在する。
この物語は、言うなれば安徳天皇の入水と、源実朝の死の「真実」をつづっているものなのだと思う。
それは「正史」や「史実」とは一致しないし、もちろん、「事実」とは違う部分もある。
けれど、そこには確かに、一片の「まこと」があるような気がするのです。
少なくとも私は、特に実朝について、この物語を「真実」としたい。 -
批判も多いが、僕はこういう歴史モノも嫌いじゃない。安徳天皇が可哀想で仕方ない。
-
『破滅と恨みと償いと悲しみと救いの物語』
とても面白い本でした。
二部構成となっており、第一部は口語体で書かれていて自分は苦手だったのですがそれでも引き込まれるように読みました。
第二部は第一部とは打って変わり読みやすい伝奇ものになっていましたが、最後の部分がとても鮮烈な表現に感じられました。
第一部から最後まで一貫として続くテーマも印象深かったです。
全体の内容としては、破滅と恨みと償いと悲しみ、そして自身にもどうにもならない感情を書いた物語でした。
物語途中では少し釈然としない気持ちになりつつも(敢てその様に書いているのだと思います)最後の部分は綺麗に終わったところも良かったです。
綺麗に終わるけれども綺麗過ぎる終わりでない所も個人的に好感を抱きました。
今作を読んでいて残念だったのは作品が、という所ではなく自分の和歌や古文に対する素養の無さです。
本作では各所で歌が取り上げられており、物語内でも最低限分りやすく説明や描写があるのですが、自分がもう少し古文や歌を解せればこの作品を十全な形で理解し楽しめたと思うと其処だけが(自分に対して)残念に思いました。
自分自身に対する思いはともかく読了後に良い本だと思えた事がこの本に対する自分の一番強い感想です。 -
9/14 読了。
再読。思いも寄らない場所まで連れて行ってくれる物語が大好きだ。 -
歴史モノのファンタジー。以前から興味が有ったネタが織り込まれてたので面白かった。ただ第一部の語り口に何度も眠りに落ちてしまったので半分ぐらいにしてほしかった。第二部はCG映像で観てみたい。正直、第二部だけで良い気がするけど第一部を読んだからオモロかったんやろなぁ。映画化したらええのに。
-
東海漂泊と南海流離の二部構成
壇ノ浦に沈んだ安徳帝が草薙の剣と共に鎌倉の実朝の前に琥珀に包まれそして南宋最後の幼帝の所にも
何か非常に分かりにくい、作者得意のケッタイな展開
どうもジパングは日本と言うより別の黄金島?
少なくとも史実にはそっているのでは!