女帝の歴史を裏返す (中公文庫 な 12-14)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051089

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  • 推古天皇から始まる女帝の歴史。
    男性天皇の中継ぎではなくゴッドマザーとして君臨した女帝たちの姿が描かれる。
    中でも持統天皇と藤原不比等の攻防はすごく面白かった。
    血で血を争う覇権取りの中、不比等だけは血を流さなかったというのも興味深い。

    著者の作品はいくつか読んだことがある。
    生き生きとし逞しい女性から見た歴史が面白かった。
    その持ち味が存分に生かされたこの本は、カルチャーセンターの講座を元にしたものらしい。その講座受けてみたかった。
    歴史の定石を反対側から見てみるというのは、多感な時期に戦中・戦後を過ごし価値観を変えられた著者ならではなのかもしれない。

  • 勉強になっておもしろかった。
    ただ江戸時代の女帝が薄かったかなぁ…。
    蘇我氏女帝説はなかなか説得的でおもしろい。

  • 推古、皇極(斉明)、持統、元明、元正、孝謙(称徳)、明正、後桜町。日本の朝廷に現れた歴代の女帝の実像を、作者独自の視点で紐解く。
    朝日カルチャーセンターでの講義を元にしているので、導入編、といった性格は否めないが、作者の歴史小説を読んだことのある人ならそれぞれの作品が思い起こされてなかなか楽しく読めるはず。元正以前の女帝に関しては作者その他の小説やマンガ「天上の虹」などで馴染みがあるのだが、今回この本で「そういえば孝謙(称徳)天皇ってよく知らないなぁ」と気づいた。せいぜい日本史で仲麻呂、道鏡との絡みで習った程度。つまり作者の否定する俗説でしか知らないのだった。次は「氷輪」を読んでみよう。
    それにしても学者でもないのにここまで歴史に造詣が深く、確固とした見解を示すことのできる作者には感嘆してしまう。

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著者プロフィール

(ながい・みちこ)1925~。東京生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。小学館勤務を経て文筆業に入る。1964年、『炎環』で第52回直木賞受賞。1982年、『氷輪』で第21回女流文学賞受賞。1984年、第32回菊池寛賞受賞。1988年、『雲と風と』で第22回吉川英治文学賞受賞。1996年、「永井路子歴史小説全集」が完結。作品は、NHK大河ドラマ「草燃える」、「毛利元就」に原作として使用されている。著書に、『北条政子』、『王者の妻』、『朱なる十字架』、『乱紋』、『流星』、『歴史をさわがせた女たち』、『噂の皇子』、『裸足の皇女』、『異議あり日本史』、『山霧』、『王朝序曲』などがある。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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