ジウ 3 (中公文庫 ほ 17-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051188

作品紹介・あらすじ

新宿東口で街頭演説中の総理大臣を標的としたテロが発生。大混乱の中、伊崎基子らSAT隊員が総理の身柄を確保し、警察上層部は安堵する。だがそれは、さらなる悪夢の始まりに過ぎなかった。"新世界秩序"を唱えるミヤジと象徴の如く佇むジウ。彼らの狙いは何なのか?そして美咲と基子は-!?シリーズ完結篇。

感想・レビュー・書評

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  •  こんな方法で歌舞伎町封鎖できるのか、と半ば感心した。日本でテロが起こるとこんな感じなのか。新宿に明るければもっとリアルに想像できて面白さも増しただろう。結局すべては愛に飢えての行動に落とし込んだところは少し不満だった。ミヤジの計画もどう考えても実現可能性が低いし。ミヤジとジウの最期も呆気なさすぎる上、東が名前呼んじゃうとかもげんなりする。2人の主人公もまぁ魅力的かもしれないが、食堂のおばちゃんが好き。なんだかんだ言いながらもそれなりに楽しめたので、続きも追いかける予定。

  • なんかすごい、という感想。

  • 迫力のある展開で魅了するものがあると思う。また美咲さんの優しさが最後まで際立ってる。ただ東さん、最後は名前を呼び捨てにしておきながら進展ないの?!

  • 首相拉致あたりから、まさにカオスでしたね…
    非現実的な展開になり過ぎて、ちょっとそこまではどうかな〜と思いながらも、エンターテインメントとしては十分満足の行く一冊。

    前作、ミヤジの回想の中にあった、麻薬で国の中枢を支配するようなところがちゃんと伏線でしっかり回収されましたね。
    結局のところ、ミヤジが諸悪の根源だったと。

    最後の美咲のジウへの想いで、涙出た。
    自由と名付けられながら、親に見つけてもらいたかったなんてなぁ。

  • 北風と太陽。

    被疑者に向き合う姿勢・行動が正反対の2人の女性警察官を巧みに描いたハードボイルド。全三巻。

    斃すか斃されるかしか考えない伊崎基子と、自分にケガをさせた被疑者の気持ち、経緯さえ共感しようとする門倉美咲。

    この2人の心の中の対比が、本編の展開とともに非常に読み応えがあり、楽しかった。

    ただ、〝闘争願望”と上司に恋心を抱く〝お花畑”のような相容れない心理が交互に描写されるため、
    読んでいて、取り残されそうな気持ちになることもあった。

    【冒頭・プロローグのみ】
    ①第一巻
    誘拐事件が発生。何度も身代金の受け渡し場所を変更する犯人。その度に密かに追尾する刑事の人数は減っていく。何度目かの場所で、受け渡し役の母親が見つけたものは••••。

    ②第二巻
    (プロローグ1)
    誘拐拉致され、男たちに襲われる少女。そこにもう一人の仲間が入ってきて••••。
    (プロローグ2)
    社会から隔絶され、同居する数人としか交流がない少年時代。そんな男の手記が唐突に綴られる。

    ③第三巻
    数日前に起きた信用金庫の大爆発。中にいた立てこもり犯人も人質も職員も、近くにいた警察関係者も即死だった。同僚を喪ったその光景をホゾを噛む思いで何度も頭に浮かべる警部補の東。

    見どころ、記憶に残る場面はたくさんあるが、〝ハードボイルド”なので、小説として割り切って楽しめる方でないと、オススメできないかな。

    実は僕も、第二巻では阪神大震災の後のあの団体を思い出し、
    第三巻では「そこまで行ってしまうんかい!」とツッコんでしまったクチ。

    でも、構成がしっかりしていたので、読んで良かった。

    紹介してくれたツッチー、ありがとう。

  • 舞台が歌舞伎町なのが臨場感沸きます。色んな愛がありますよね。→国境事変へ

  • 最初から最後まで怒涛の‼︎何と言っていいか惹きつけられっぱなし。
    休憩してる場合ではない‼︎ただひたすらこの作品の虜になってしまった。

  • なんだかしっちゃかめっちゃかだけど、面白くなってきた笑
    東さんが想像の中で相当なイケメンになっている。

  • 面白すぎた。3巻でこんな展開になるなんて予想出来んわ。みんな好き放題やりすぎでしょ。小野さんはかっこよすぎ。最後東さんが殴ったのはすっきり。なんか人間って欠点だらけだなーってぼんやりと思った。美咲ちゃんのようになりたいとかはないけど、後悔しないように生きたいねー。

  • まるで「ニューヨーク1997」やん!
    (続編というかリメイク作品「エスケープ・フロム・L.A」が、Netflixで配信中!)
    それのリトル版みたい!

    しかし、歌舞伎町をそんな事しても、そんな事ずっとは続けられんし…
    現状で、一部の人らだけ、ええ思いをして…の世界を今まで虐げられた人らの世界にする為、全てをリセットか…
    確かに賛同する人らもおるかもしれんけど…
    なかなか、非現実な感じ…
    こんな街のど真ん中でやらんと、どっかの秘境でやったらええんちゃうの?とは思う。

    ジウの動機的なものは、悲しいけど…ここまで、してしまうと、もう、同情レベルではないしね。
    ミヤジも狂ってるけど、まだまだ、同じ思いの人が…

    このシリーズ、まだ続くし、既に手元に何冊かあるけど、こんな人らが、増加中なんかな…
    まだまだ楽しもう〜!

    血ドバドバでした〜(^_^)v

  • 暴力描写が苦手な人にはお勧めしない
    個人的にも多すぎて苦手だった
    ジウシリーズ最終章であり今までで1番大きな事件
    世の中には権力を振り翳して恐怖心を煽り力を得ようとするもの、そしてその権力に平伏す者がいつ何時もいるのであろう
    ミヤジは1人ではないという言葉がこれを示している
    統一教会との繋がりが問題になっているのに、香川照之のホステス暴行問題の方が取り上げられている日本は権力によって支配されているのだろうとつくづく感じる
    そのような情勢を許している私たち国民にも責任がある
    ガーシー議員が誕生したようにもっと若い世代の事を知り、権力に負けない、そんな政治家が出てくる事を祈る

    ジウに関しては、自らの言葉は少なく、結局何を目的としていたかも美咲そして読者の憶測でしかない
    ドラマは見ていないが出演者はみたので読み進めても黒木メイサ、城田優、多部未華子が頭から離れなかったので誰がどの役かということも見らずに読めば良かったと思う

  • シリーズ最終話。前作で出てきた新世界思想だが、最後まで読んでも良く理解出来ない。歌舞伎町を封鎖して別世界ができるだろうか。ジウは破綻を最初から望んで話しを進めたようにも思う。
    ただ歌舞伎町戦争とでも呼ぶようなスケールの闘いの臨場感が凄かった。どのように解決するのかと思っていたら、地味な門倉が意外な行動。それと伏線回収となる警察内部の汚染による協力者の追求と逮捕。ジウが伊崎を殺さなかったのも、伊崎と雨宮の関係だったかも、とか色々考えてしまう。
    このシリーズは殺しやレイプなど読むに堪えない表現も散見されるが、最後はどのような結末を迎えるのだろうか、との期待感であっという間に読み切ってしまった。

  • 収拾がつかないかんじがした



  • シリーズ完結。
    1km四方の歌舞伎町を隔離し、その上空を含め治外法権を要求。新世界秩序という独立国家樹立を企て、総理大臣を標的としたテロが発生。
    シリーズ一作目からの伏線が全て回収される。

    なんというか、やるせない。読了感は一応すっきりはするっちゃするが。
    ジウが...中国からの密入国者として日本に来るものの、両親は強制送還され、小学生にも未たず、言葉も分からず、一人孤独に歌舞伎町で生き抜き、歪んだ人間が出来上がる。
    ただ一つの言葉を忘れずに「我在這里」
    愛を知らず、愛を求め続け、その最期。

    そういえば、かつて、合法的な麻薬経済特区ってのを作ると凄まじい経済効果が得られるなんて論文を書いたアメリカの学生がいたな。

    日本国内に治外法権の独立国家というのは些か突飛かとも思ったが、危機管理意識の低い日本人にはこれくらいが想像しやすいかもしれんな。
    日本ってクーデターっておきないよな。従順なのか、和をもって尊しと成してるのか。

  • ジウの最期がどうなるのか見届けるため読みましたが

    やっぱり2人共好きになれなかった(*´-`)
    美咲の東への心の声が多すぎる笑
    あれでハラハラドキドキが半減してしまうじゃないか

    歌舞伎町封鎖の総理拉致の殺し合い…
    ストーリー面白いに決まってます_φ(・_・

    主人公に感情移入できないのに既に3冊既読
    そして次も読む…こんな事初めてです(°_°)

    ある意味まんまとジウシリーズにハマったのですね笑

  • このシリーズは本当に面白かった!久しぶりに本を読みすすめるスピードが早かった。

  • 単なる誘拐事件かと思いきや、実は非合法な手段で生き抜いてきた不気味な黒幕が存在し、一方無国籍の孤児"ジウ"が事件の犯人として浮かび上がる。そして常識では考えられない様な大掛かりな事件へと発展して行く。警視庁の特殊捜査班に配属された全くタイプの異なる二人の女性がこの複雑極まりない物語の主人公として登場する。物語はノンストップアクション。次から次へと新たな事件が展開されて、そこに男と女の物語まで織り込まれる、決して読者を飽きされることがない。
    ラストに向かうにつれグイグイと物語に引き込まれ、長い小説も読み終わればあっという間にハマってしまっていた。警察ものの小説としても十色の出来。

  • 東京のど真ん中で治外法権を主張する設定は、ちょっと現実味がなさ過ぎて白けてしまったのが正直な本音です。好みの問題かと思いますが、もう少しリアリティある舞台であれば面白かったなと感じました。

  • ほう。そう来ましたか。

    伊崎がミヤジに心酔してしまったのかの理由は微妙に弱い気もしますが、門倉・東コンビと同様、根底には『愛』があったのかなとも思います。

    警察小説ではあるのですが、ジウサーガの中で特にこのジウ3は、その世界観が警察小説の範疇を超えているような気もします。特に、姫川玲子シリーズにも出てくる和田一課長などの存在が、その違和感を強めているのかも。姫川玲子シリーズも正統派とは言い難いかもしれませんが、比較的には正統派に近い系列の警察小説。それが、こんなド派手な話には結びつかないんですよね。

    描かれているのは、中々怖い話でもあるんですが、その事件を追う門倉・東コンビがなんともコミカル。一服の清涼剤?になりました(笑)

  • 全部の伏線が回収されるので、とっても面白かった!!!!

  • ジウシリーズ完結編。

    ストロベリーナイト、ブルーマーダーでも感じたその暴力描写のエグさは、このジウシリーズ三作でもまさに「てんこ盛り」。 
    誉田さん、初めからこの感じだったのだなと…

    何せこの人の作品は「幸わせの条件」から入ったものだから、その二面性にただただ驚愕。
    読むほどに、この人の頭の中を想像し、少々薄ら寒くなる…

    それでも「背中の蜘蛛」のような作品を読むと、またその中毒性にどっぷりとハマってしまうのです。



    西大井の信金篭城事件は、大規模な爆破によって犯人・西尾及び人質数人と複数のSAT隊員が死亡、さらに特殊班一係長・羽野警部も無惨な死を遂げ終結する。
    そして、防犯カメラからジウと思しき人物が爆弾を置き去る映像が発見される。

    一方、新宿で美咲によって回収された基子は、口を閉ざし何も告げぬまま仕事に復帰するが、信金爆破事件によるSATの欠員補充の為、班長として第一小隊への復帰が決まり、5人の選り抜きの隊員を持つ事になる。

    SAT第一小隊・小隊長の小野や月島寮の寮母が、基子の人格の中に言いようのない不穏な変化を感じだした頃、美咲宛に血塗れのパーカーと共に、行方不明の宇多川舞と思しき少女を基子に酷似した女が刺殺している写真が届き、その可能性に慄然とするのだった。

    美咲と東は、公安の間山との情報共有の中、葛西の現場で雨宮が殺害された経緯に警察内部の人間の関与を疑い、その指示の為に使われた携帯が存在する可能性から、葛西のホテル周辺をしらみつぶしに捜索し、苦労の末に発見に至る。

    同じ頃、近く行われる衆議院選挙の警備を担当する事になった基子は、班の部下等5人に誘われた飲み会の席で、基子のバディ・白石に掛かって来た電話を手渡されると、その相手は何と…

    自分の部下達の正体と、衝撃の事実を知る事に。

    そしてまさに、
    基子の班の担当する、総理大臣・大沼堅次郎、官房長官・渡辺和智の警備の当日…

    歌舞伎町に繰り広げられる阿鼻叫喚の
    地獄の蓋が開く…


    彼女の圧倒的な強さ…
    皮肉にも、その強さの根源とも言える弱味に、極めて巧妙な手口で付け入られ、生きる屍と化した基子。
    その暴走は止まる事なく…


    警察内部の内通者とは…
    そして黒幕・宮路とジウの末路は…


    人間は最も脆い場所を突かれると、その衝撃ゆえに確認及び検証など、当たり前の思考すら飛んでしまい、目の前に晒されている矛盾にすら気付かなくなる。

    最も脆い所とは、
    最も信じている人であったり、
    拠り所としているもの…
    生きて行く上での「つっかえ棒」のようなもの。
    ならば、

    結局は…
    揺るがない信。

    世界中がNOを突きつけたとしても…


  • 1〜3まで一気読み。
    最後までジウ1人が圧倒的な悪かと思いきやミヤジが出てきて警察の中にも悪い奴がいて面白かった。
    歌舞伎町がぐちゃぐちゃになった時はかなりグロい場面もあってドキドキした。
    美咲と東の関係も面白かったし、基子と美咲の最後はとてもいい結末だった。

    警察小説の中ではかなり読みやすい印象。

  • ジウ2を読み終えた後に時間が経ったので、Book-off捜査を諦め購入。悪い意味でどえりゃ~展開⤵️歌舞伎町の事件が想定を超えるド派手さにしては犯人の準備不足・短絡的な犯行(新世界を造るために総理大臣を拉致)。基子のパーソナリティに統一性がなく混乱。また、中途半端な警察官僚の悪役の登場で残念な幕引き。物語の落としどころは、利憲君に「ジウは壮絶な境遇だったんだよ~♡」と伝えたこと?結局、ジウの目的は何で、基子はどうしたかったのかメッセージが全く伝わらず。この寂寥感、どうすればいいんだ!誉田さん。。。

  • 歌舞伎町封鎖のテロに政治家や警察官も関わっておりカオスな状態で物語は終わる。
    登場人物のほとんどが寂しさや黒歴史を抱えており、その中で純粋な美咲や真摯に事件に向き合う東は良いアクセントになっていると感じた。

  • 新世界秩序の荒唐無稽さや門倉と伊崎の和解など終盤に行くにつれ納得の行かない展開はあるものの全体的に面白かった。1〜3巻を通して読みながら終始不愉快感と気持ち悪さがあったが読む手が止まらず寝る暇を惜しんで一気に読み終えてしまった。
    それと悉く「こういう展開になったら嫌だな」という方向に展開されるので最悪過ぎる、残虐描写が過激ではあるけれど姫川玲子シリーズの方が遥かに平和な内容だった。こんなにボロクソに書いてはいるがとても面白かった。

  • ジウ・シリーズの完結編。
    新世界秩序の動きは荒唐無稽といっていいほどの大規模なものになり、基子や美咲も大きく巻き込まれる。
    事件の背景と関係者が分かり、おおよそはスッキリとし、ジウの想いを明かすラストでは、それまでのバイオレンスから一転して人の情を感じた。
    雨宮が何者なのか、ミヤジと新世界秩序を継ぐものの今後は気にかかる。以降のジウ・サーガで明かされるのか?
    20-39

  • Ⅰ・Ⅱに続いて再読。
    歌舞伎町治外法権…新世界構想…。
    ジウって結局、かわいそうな子だった。やったことは許されないけど。
    美咲と基子の正反対な性格とか、美咲と東さんのもやもやする関係とか、ミヤジは決してこの私一人ではない…っていう不吉な言葉とか。
    とにかく壮大で、こんなストーリー思いつく誉田さんてすごいな…としみじみ思う。
    結局ジウって何なんだろうって思ってしまう。
    三部作面白かった。

  • なんか、風呂敷広くて
    こんなのおさまるのか?ってハラハラ

  • どうしてこんなことに…という思いが止まらないまま読み続けた。爽やかに終わっても、素直によかったねとは思えなかった。

  • Ⅰ・Ⅱが面白かったので期待していたが、グダクダどうでも良い事の連続で、
    期待ハズレ。残念!

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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