ピース (中公文庫 ひ 21-5)

著者 :
  • 中央公論新社
2.71
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本棚登録 : 3284
感想 : 569
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051201

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーですが
    ピースという タイトル。
    私は ピースという 言葉を見ると 
    ラブ&ピースを 思うので そうだと思って読んでいたら 写真とか撮る時に 皆さんが やる ビクトリーマークの事でした。
    現在の表紙は これですが 私が読んだ古い本は
    女性の横になってる姿でした。

    まさか それが 連続殺人のきっかけとは。。。。


    ミステリーの 先生って 
    どうして こういう風にひらめくのでしょうね~
    凄いです~~

  • 樋口有介のピースを読みました。

    秩父の片田舎で起きた残忍な連続殺人事件。死体はノコギリでばらばらに切り離されているのでした。
    その被害者の一人がアルバイトをしていたスナックを舞台に物語が語られていきます。

    こんな凄惨な事件を題材にしているのに、なぜ題名がピースで表紙がピースをしている子供たちなのか、ということも物語が進んでいくうちに明確になっていきます。

    物語が一応解決した後に、最後に仮定形で事件の真相が提示されます。
    その真相を読むと、何となく違和感を感じていた事柄が納得できるのでした。

    説明されていない背景もありますが、それぞれの登場人物が人間くさく描かれていたので、面白く読むことができました。

  • 本屋と帯の宣伝文句につられて購入

    そこそこ楽しめたけど・・
    そのへんもっと,深くつっこんで解明して欲しいなー
    ってのが,読み終わったときの感想

    でも,樋口有介さんの作品は初めてで,
    風景描写の表現がすごいっって思った.

  • 読み終わったあと、心がざわつく作品でした。

    確かに動悸や犯人については、結局のところ真相はどうなの?って場面はあったけれど、逆に妄想を掻き立てられて嫌いではなかったです。

    ただ所々出てくる情景描写が細すぎて読みづらかったのと、キーになると思っていた人物たちの関係性が説明ないまま終わってしまって、そこはちょっと残念でした。

  • 後半から急に面白くなっていった
    1/6/8

  • まるで児童書のような独特なタイトルと表紙の小説だが、扱っている事件はバラバラ殺人とかなりエグい。元公安のマスター。アラフォーの美人記者。その記者の若いツバメである老成した訳ありの少年。アル中の女子大生……と出て来る登場人物は皆どこか謎めいていて、訳ありな人間が集うスナックという舞台は非常に魅力的で物語の導入としては完璧である。スナックのメニューである料理描写やシーンの合間に流れるジュークボックスの音楽なども雰囲気作りに一役買っており、細部に至るまで丁寧に描いているからこそのこの世界観なのだろう。それでいてありがちなサスペンスドラマのような陳腐さや古臭い印象をまるで受けないのは作者の筆の成せる業である。真相、もとい動機はかなり衝撃的で、それを踏まえた上で読むと『ピース』というタイトルはかなり示唆的で悪夢的だ。平和としてのピース、謎のパズルとしてのピース、そしてサインとしてのピースと鮮やかに繋がる様は読んでいて惚れ惚れとする。犯人が明らかになった後の老刑事の語る真相が蛇足にならなかったのも良く、立件できない証拠のない真実というのはスナックの酒の味と相まってたまらなく苦い。ただ、アル中の女子大生と老成した少年の関係性がレッドヘリングのままで終わったのはややもったいなく、アル中の女子大生も思わせぶりなだけでキャラとしての掘り下げがほとんどなかったのは少々肩透かしに感じた。

  • 書店でのポップが良くてかなり気になっていた作品。
    たまたまブックオフで100円で売っているのをみかけて購入。

    期待度が100%だっただけに、先を焦りすぎてしまった。

    この作品は多分、登場人物の会話や人生を楽しむものであって、殺人事件の解決を楽しむものではなかったのかも(^_^;)

    伏線らしきものがあったが、何だか消化不良で終わってしまう。

    あれはじゃあ、何だったの?この人とこの人は結局どんな関係だったの??と。

  • 序盤は登場人物の名前が覚えられないほど地味な
    流れだか、後半から一気に動き出すシフトチェンジ
    的展開はよかった。ハテナな表紙絵の謎もとけるし

  • 母から勧められた本。文章は読みやすく、なにより出てくる料理やお酒がおいしそう。店員さんが、出す食材があまったからいまいるお客さんに出してあげようかな。…と南瓜のクリーム煮を置いた…とか、「客」という立場しか経験したことない私には店員さんがそんな感じで出してくれてたんだ!と、目から鱗だったりしました笑
    物語の感想は、なにげない行為がすべての発端。黒幕はじっとこの事件を静かに見ていたんだな…。ちょっと悲しいお話でした。

  • M山さんに勧められたので、速攻で読んで意見交換しようとワクワクしてたら、「もう読んだの?! まだ最終章読んでないからネタバレ禁止!」て(゜-゜)読了してない本勧めるて(゜-゜)

    でも、人に本を勧められると、読みたくなるんだよな~。
    自分では選ばなかっただろうと思ってた本の名前を挙げられると、その人がこの本に出会わせてくれたんだなあって何だか嬉しくなります。もちろん、既読の本だったり大好きな本だったりを勧められるとなお嬉しいですが(笑)。

    ミッシングリンクものですか…うん、嫌いじゃないけど本格派の華ではないかな!←←何様
    なんとなーく、ミッシングリンクものって清張作品の雰囲気に溢れてる気がします。共通する殺害方法、共通点のない被害者。捜査陣の地道な捜査で、やがて過去に起こったある事件が彼らをリンクさせていく…う~ん、社会派だわ。な、イメージです←

    今作は、
    ◎探偵役である冴えない巡査部長・坂森と、
    ◎事件の中心であるスナックの常連である地元新聞の記者・麻美、
    ◎スナックで働く青年・梢路
    の三人の視点で語られます。捜査側の視点・スクープを追いかける側の視点・関係者側の視点。かなり頻繁に視点が移動しますが、読みにくさはありません。ちょっと梢路君のミステリアスっぷりがハーレクインな感じもしました(笑)。坂森巡査部長の、最後の最後で見せたコロンボもビックリなねちっこい追及っぷりに、モウヤメタゲテヨオ!(^ω^)となったのは私だけではないはず~(笑)。

    今作のタイトルでもあり、キーワードでもある「ピース」。当初は、犯人が被害者に見せたVサインだったり、被害者が遺したVサインのことだよな、一体どうしてそこまで拘るんだ?と読み進めていったのですが、その理由が開示された瞬間。表紙の絵を思わず見返して、ゾッとしました。これは怖い。
    満面の笑みで被害者達がピースしてるって何か怖いなあ、と軽く考えてたら、本当の恐怖は他のところに待ってました。犯人の犯行動機を決定づけた瞬間が、この表紙そのものに切り取られています。これは怖い。


    元警察官のマスターが経営するスナックに勤めていた美人ピアニストがバラバラ死体となって発見された。数日前にも同様の手口で歯科医が殺害されていたが、彼らの共通点が全く見いだされないまま捜査は難航し、やがて第三の犠牲者が出てしまう。被害者達が最後に見たVサインの意味とは? 何故、彼らの右手はVの形になっていたのか?

著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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