世界の歴史〈14〉ムガル帝国から英領インドへ (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2009年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (697ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051263

世界の歴史〈14〉ムガル帝国から英領インドへ (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    ヒンドゥーとムスリムの相克と融和を課題とした諸王朝やムガル帝国の盛衰を描く第一部、西欧による植民地化と反乱の歴史を活写する第二部、南インドの伝統と英植民地政策の葛藤を詳説する第三部より成る激動の歴史。

    [ 目次 ]
    第1部 ムスリム王権の成立と展開(試練に立つ民族と宗教;統一に賭けた夢と野心;統一への鉄の意志と帝国分解の危機)
    第2部 英領インドの形成(イギリスのインド進出;インドの植民地化;都市の生活 ほか)
    第3部 南インド史の舞台(祈る―チョーラ時代;鍛える―ヴィジャヤナガル時代;耽溺する―ナーヤカ時代 ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 三部構成。それぞれの部で書き方も違えば対象としている分野の特性も全く異なる。そういう理由ですべて読むのに結局3年くらいかかった。第2部は文句なしにわかりやすい。第1部は有意義ではあるがラージプートのことを延々細かく書いたりしてやりすぎ。第3部は近年注目されている南インド史で,馴染みのない読者のために物語色が前面に出されている。そこまで読みやすいわけではなく癖もあるがまあこんなものかなと思う。良書の部類だが全シリーズ中最大ページ数となっており内容がバラバラなことも合わせて編集の失敗を感じる。

  • 新書文庫

  • ヒンドゥーとムスリムの相克と融和を課題とした諸王朝やムガル帝国の盛衰を描く第一部、西欧による植民地化と反乱の歴史を活写する第二部、南インドの伝統と英植民地政策の葛藤を詳説する第三部より成る激動の歴史。

  • 全く馴染みのなかった歴史です。現在のインドはBRICSと呼ばれ、大国への飛躍が期待されていますし、常任理事国入りも有望です。その一方で、インドについては悠久の時代から変わらない遅れた国のイメージが強かったのですが、なかなかどうして、18世紀にはすでに社会改革の運動、女性解放の動きがあったというのです。大変な奥の深い国を感じます。そしていつからインドでは仏教が姿を消したのか?インドとパキスタンの分離に見るイスラムとヒンズーの対立の背景も興味深いものがありました。ムガールはイスラム帝国だったわけですが、インドという広い国が現代まで決して一つではなかったことが改めて分かります。それはイギリス領だったときも首長国による間接統治を多く残し、直轄植民地は一部にしていたイギリス。ポルトガルとオランダの狭間にあったイギリスがインドを徐々に制覇し、世界中での戦争と同様、フランス勢力をどうして破ることができたのか。文字は読めないが英君だった初代皇帝アクバル。タージマハールを亡き妻のために作り、毎日詠嘆とともに眺めていたというシャー・ジャハーン、その息子で権力欲がないことを装い、3人の兄弟を倒して次の皇帝に就任したアウランゼーブなどが印象に残ります。名君だったトルコ人奴隷王朝の女性国王ラズィーヤ、イギリスと勇敢に戦い戦士した王妃など、インドが以前から女性がかったことが、女性首相(インド・ガンジー、パキスタン・ブット、スリランカ・バンダラナイケ)などに繋がることを知りました。

  • インド史は非中央集権的な、乱雑とした歴史である。内部の対立(カースト制、ヒンドゥー教やイスラム教など多数の宗教の併存、王位継承権が長男に優位ではないことからくる血族間対立…)が根深く細かく激しいため、外部からの干渉を許し(外部の力に頼り少しでも優位に立とうとするため)、欧州に植民地化を許すことになった。内陸の地域外の勢力の進入(ムスリム、モンゴル、ペルシャ、ティムールなど)でも撹乱され、ムガル帝国でさえ一地方の勢力に過ぎなくなり、消滅した。

    その当時「インド」というのは所詮、地域の呼称に過ぎなかったはず(特に英国の)で、インド全体としてというより、植民地だったのは地域の総体ではなかったかと思える。

    英国の植民地政策は、インドが近代の始まりとしているというプラッシーの戦い(p678)から顕在化しはじめたとはいえ、税収システムの確立などに苦心したし、通信が本国と往復一年かかる(p)などもあり、穏やかに(非効率的に)すすんだ。そのなかで、インドの各地域がそれなりに各々の発展を遂げた。しかし、特に1857年のスィパーヒーの反乱以後、直轄統治化したこともあり、英国の植民地政策は軍隊を中心に巧妙になり、完成する。部族対立などを利用して反目しあわせ、それを利用したり(p460)、自国の利益のための中途半端な土地制度の導入など、イスラエルの問題と同様、手術を途中放棄するような植民地政策は、後世に暗く長い影を落とした。

    また、比較的出遅れた英国が帝国主義時代のトップになれたのは、香辛料貿易(東南アジア、蘭)から綿布貿易(インド、英)に移り変わったためというみかたが面白い。欧州諸国は、ヒルや寄生虫のように植民したが、肥大化した帝国主義が、原子力発電所のように爆発する日は近い。

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