「論語」再説 (中公文庫)

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著者 : 加地伸行
  • 中央公論新社 (2009年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051362

「論語」再説 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「論語」は、リンギョと読む?
    中国人には「正しい筋道を述べた本」として理解されており、時には実利的な読み方もされていたらしい?
    君子と小人の違いは、知識人であるかどうかではなく、知識人である上で、決断力、判断力を求められる立場の人が君子(君子儒)であり、習熟すれば誰でもできる業務に携わるのが小人儒だとか?
    いやはや、びっくりすることだらけだ。

    孔子程の人であっても、意外と外見に騙されるという話を読んで、ちょっと親しみが湧いた。
    容貌に恵まれない澹台滅明を「材、薄し」と評したら、のちに三百人の弟子を抱える大先生に育ってしまったとか。
    高柴を低身長からか、「愚」と思っていたとか。

  • 『論語』についての分かりやすい解説書。

    孔子が生きた時代は、歴史的に積み重ねられてきた慣習的な道徳に基づく共同体原理と、新たに出現した法に基づく国家的原理がせめぎ合っていた。こうした状況の中で孔子は、共同体意識を鍛えなおす必要があると考えていた。『論語』に見られるのは、このような危機感に基づく孔子の思想である。

    本書はこうした観点から、国家や家族、生活などに関する孔子の思想を紹介している。とくに著者は、孔子が土俗的な魂の再生の思想を、孝行と子孫の繁栄を願う生の世界に結びつけたと述べている。古代中国では、「儒」と呼ばれる死者の招魂儀礼の主催者によって、祖先祭祀が執り行われていた。孔子は、生ける父母に対するこのあり方を規定した「孝」の考え方を、父母なき後も祭祀を懸命におこなうことに拡張した。こうすることで、古代から執り行われてきた儒教的習俗は、亡き父母を祭祀するとともに、自分の死後に祭祀をおこなってくれる子孫の繁栄を願うことにつながる。このようにして孔子は、土俗的な宗教を現世的な「経世致用」と地続きのものとして捉えなおしたのである。

    さらに著者は、「未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らんや」という有名な言葉を、死に対する無関心の意味に解するのではなく、生きているときの親に正しく仕えることのできないものが、どうしてその御霊に仕えることができるのか、という意味に解し、けっきょくこの言葉は、死後の霊魂に対して正しく仕えるべきだということを述べていると解釈する。

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加地伸行の作品

「論語」再説 (中公文庫)の作品紹介

二千年来読み継がれてきた、古典の中の古典『論語』。そこに刻まれた孔子の肉声に耳を傾け、国家・家族・人間・精神・生活・自然にわたる思想の全貌をさぐる。儒教学の第一人者による、『論語』再入門。

「論語」再説 (中公文庫)はこんな本です

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