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- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122051676
感想・レビュー・書評
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講義内容を本にしたものは聞いているようで分かりやすいものが多かったが、これはもうちょっと編集を加えてほしいと思う1冊だった。
サブタイトルにあるようにフランス料理の特質と歴史についてコンパクトにまとめられていることを期待したのだが、フランス料理の研究本の歴史、とりわけブイヨンの歴史に内容が集中しすぎていて、あまり学び得たものがなかった。
さらに「日本ではまず手に入らない」本や、「どこどこの一流シェフに見せていただいた本」が多く、見せびらかされているだけのような紹介の仕方もやや不愉快。
死刑にした奴隷を食べた鱶を食べることを、ドイツ人がユダヤ人を大虐殺したことと通じるようなところがある、と言っているのはわけがわからなかった。
歴史があるようなフランス料理も本格的に洗練されていくのは17世を迎えてからのことであり、日本における西洋料理としてはそれまで国力が優勢していた英国の料理に圧されていたこと、という点は新しかった。
「メリケン粉」という表現に驚いて出版年度を確認してしまったが、70年代の本ということでやはり時代錯誤なところが多い。
仏料理学校の生徒にとっては興味深い点が多いのかもしれないが、一般読者のためにわざわざ文庫化するほどではない気がした。
なんだか最初から最後まで不満だらだらのレビューになってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示