フランス料理の学び方: 特質と歴史 (中公文庫 つ 26-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.50
  • (3)
  • (4)
  • (5)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 112
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051676

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 講義内容を本にしたものは聞いているようで分かりやすいものが多かったが、これはもうちょっと編集を加えてほしいと思う1冊だった。

    サブタイトルにあるようにフランス料理の特質と歴史についてコンパクトにまとめられていることを期待したのだが、フランス料理の研究本の歴史、とりわけブイヨンの歴史に内容が集中しすぎていて、あまり学び得たものがなかった。
    さらに「日本ではまず手に入らない」本や、「どこどこの一流シェフに見せていただいた本」が多く、見せびらかされているだけのような紹介の仕方もやや不愉快。

    死刑にした奴隷を食べた鱶を食べることを、ドイツ人がユダヤ人を大虐殺したことと通じるようなところがある、と言っているのはわけがわからなかった。

    歴史があるようなフランス料理も本格的に洗練されていくのは17世を迎えてからのことであり、日本における西洋料理としてはそれまで国力が優勢していた英国の料理に圧されていたこと、という点は新しかった。
     

    「メリケン粉」という表現に驚いて出版年度を確認してしまったが、70年代の本ということでやはり時代錯誤なところが多い。
    仏料理学校の生徒にとっては興味深い点が多いのかもしれないが、一般読者のためにわざわざ文庫化するほどではない気がした。

    なんだか最初から最後まで不満だらだらのレビューになってしまった。

著者プロフィール

1933-1993。東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。大阪読売新聞社で社会部記者を務めた後、大阪に辻調理師学校(現・辻調理師専門学校)開校、辻調グループを創設。フランス政府よりフランス最優秀職人章名誉賞受賞、教育功労章シュヴァリエ、農事功労章オフィシエを受章。『フランス料理理論と実際』『フランス料理研究』『JAPANESE COOKING A SIMPLE ART』など著書多数。

「2022年 『ブリヤ=サヴァラン「美味礼讃」を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻静雄の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×