五・一五事件―橘孝三郎と愛郷塾の軌跡 (中公文庫)

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著者 : 保阪正康
  • 中央公論新社 (2009年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051812

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五・一五事件―橘孝三郎と愛郷塾の軌跡 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 昭和7年5月15日に海軍青年将校を中心とするグループが首相官邸など数カ所を襲撃し、犬養毅首相を暗殺した五・一五事件。その犯行には農民決死隊と称して協力した民間人がいたが、その中心グループである愛郷塾の塾長が橘孝三郎である。この五・一五事件の中で、どちらかというと注目されない民間の協力者である橘孝三郎にスポットを当てて、嘗ては武者小路実篤が開村した「新しき村」と比較される程に、疲弊する農村の再生を目指した「愛郷塾」とその指導者橘孝三郎が、なぜ五・一五事件というクーデター、テロに参加すするに至ったのかを、橘自身への取材も含めて明らかにしている。

    実はこれは 記念すべき Kindle Paperwhite で読んだ本第一号です。Kindleで読むとどういう感じになるか、読みづらいと挫折しそうなので、敢えて歴史本を選びました。
    本自体は可もなく不可もなくというレベルの内容でしたが、Kindleは紙の本とは一長一短あるものの、想像していた以上に読みやすかっった。

  • 太平洋戦争に向かう歴史的なホップ・ステップ・ジャンプの過程で農本主義の思想・行動家橘孝三郎に焦点を合わせて語られる。当時の思想家・社会運動家とくに北一輝・井上日召・大川周明・西田税等々と陸軍・海軍若手将校との関係も立体的に分析されている。政党政治から軍閥政治に移行するプロセスもよくわかった。そして統制派抬頭の軍人主導の社会・政治体制が完成していく経緯が詳しく語られている。陸軍・海軍・農民(一般人)裁判のそれぞれの当局の対処の仕方が大きく異なり、反応する国民大衆の熱狂も手伝い、結果として陸軍が大きく政治権力を握っていくくだりは納得。近衛の存在がこの時代の諸々の危険な関係因子をごっちゃにして飲み込む役割で登場してくる。橘孝三郎、時代が違えば、状況要因が異なれば吉田松陰にもなれた人か。保坂正康の初期作品として歴史解明へのごつごつした気概を感じる。

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五・一五事件―橘孝三郎と愛郷塾の軌跡 (中公文庫)の作品紹介

五・一五事件は軍国主義の幕開けになり、日本ファシズムの導火線となったとされる。単なるテロ事件に終始せず、多くの農民が実行犯の減刑を嘆願した事件の背景には、注目すべき"大衆"の情緒があった。人道主義の系列にあった橘孝三郎と愛郷塾が、五・一五事件と結びついたのはなぜか。本人への取材に基づき、歴史を変えた大事件を検証する。

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