それからはス-プのことばかり考えて暮らした (中公文庫 よ 39-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051980

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物みんなそれぞれの良さがあって
    スープのようにほっこりする物語だった

  • 何も始まらず、何も終わらず、ただ続いていくだけのような毎日の中で、鍋の底からぷくぷくと沸き出る小さな変化を丁寧にすくい取ったようなお話だった。

    この「終わらない感じ」がたまらなく良い。

    この作家の本は初めて読んだ。
    なぜ読もうと思ったのか覚えていない。
    もっと読みたいと思った。

    指の跡の付いていない柔らかくて優しい味のサンドイッチが食べたい。
    名なしのスープが飲みたい。
    あの映画が観たい。
    あの口笛のメロディーを聞きたい。

    奇しくも「サンドイッチ屋さん」というのは先に読んだ山崎ナオコーラの「美しい距離」にも出てくる職業であった。不思議なリンク。

    こういう本に出会えると
    ものすごく幸せな気持ちになる。

  • 素朴で静かで温かい物語だった。
    オーリィ君のスープを飲みたい。
    トロワのサンドイッチを食べたい。
    月舟シネマで映画を観たい。
    月舟町には行ったことないのに何故か知ってるような気になる。
    恋愛の描写は無いけど、もうこれは恋愛小説ってことにしたい。

  • 大家のオオヤさん
    大里のオオリィさん
    三度目の職でサンドイッチ屋
    安東さんのアン、ドゥでトロワのサンドイッチ屋さん
    どの文章も柔らかな空気に包まれたような感じ。
    映画館、名もなきスープ。
    素敵な時間が流れている本でした。美味しいスープが食べたくなる。

  • 初めての吉田篤弘さん。
    なので世界観読み方が掴めていないのですが、、
    SF要素の入った物語はどうも肌に合わずわたしはまだ本当の楽しみ方ができていない気がします。
    優しい空気が終始流れていました。
    わたしが印象に残ったのは幸せに気づいたら次起こる嫌なことに敏感になってしまう、という内容の会話。納得しました。

    こういうほんわかした話は誰も敵に回さず、多くの人にウケるんだなと思いました。

  • 再読♪

  • 久々に本を読んだ。どれくらい久々かというと三ヶ月ぶりくらい。中学生の頃は二日に一冊はぜったい本を読んでいたのに。
    まず題名がいい。読みたくなる。ありそうでない。友達に読み終わったらほんとうにスープが飲みたくなるよ、と薦められてそれは読むしかない!と読んだけれど、読み終わるどころかなんなら序盤で私はコーンスープをいれて飲んだ。普通に待ち切れなかった。
    内容もエッセー風の短い話が連作で続き、読んでいて疲れない。最近本を読まない理由として、ハズレだったらどうしよう、とか、ミステリーやSFものは疲れるんだよな、読むの、とか、長編小説は長くて読み始めるまでがつらいよ、なんてことが挙げられるけれど、この本を読んで、そういえば世の中にはこういう感じの終始穏やかな作風の文庫本としては頼りない厚みの本がたくさんあるじゃないか!と思い出させてくれた。後ろの作品紹介ページもよしもとばなな、川上弘美、小川洋子と穏やかな作品たちが並ぶ。あーね!とすっかり忘れてた私は思わずアハ体験した。
    毎日をていねいに生きたいとこの頃は特に思う。その第一歩としてこの本は良かった気がする。そして今無性にサンドイッチも食べたい。スープと一緒に。夜中にこんな仕打ち罠だ。

  • 2015.6/14 題名が秀逸!食べることは生きることと言うけれど、それを真面目だけど気張らない、素敵な物語にしてくれてる。大好きな梨木香歩さんのような、たゆたう感のある作品でした♡あとがきに三部作とあり、1巻目「つむじ風食堂の夜」3巻目「レインコートを着た犬」も是非読みたい。

  • 2017.2月。
    ああ、いいわあ、これ。何が起こるわけじゃないけど、いい雰囲気だなあ。この街に住みたい。トロワのサンドイッチが食べたいし、オーリィ君のスープが飲みたい。夜鳴き屋のラーメンが食べたい。律君に会ってみたい。もう、無性に、おなかが空く。スープのレシピがいいよねえ。料理ってそういうことだね。

  • 物語のなかにでてくる、サンドイッチとスープが本当に美味しそう。

    嫌な気持ちになることがなく、穏やかな気持ちで読み続けられとても良かったです。著者の他の作品も読みたくなりました。

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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