世界の歴史〈27〉自立へ向かうアジア (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2009年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052055

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世界の歴史〈27〉自立へ向かうアジア (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 反乱、革命、政治抗争、宗教的対立ー植民地にこだまする独立への叫び。帝国主義列強の軛から逃れ、二度の世界大戦を経て新しい国づくりへと向かうアジアの夜明け前を、中国、インドの二大大国を中心に綴る。

  • 辛亥革命において清朝が倒れるが、革命軍の軍事力は大きくはなく、袁世凱を中心にした北洋軍閥と妥協せざるを得ず、南と北の政府の構図。袁世凱が死ぬと、北洋軍閥は内部抗争を顕在化させ、自滅と日本の介入を招くようになっていく[p57]。しかし、中国のナショナリズムの高揚は目覚ましく、それは日本への山東権益の譲渡などの横暴に抗議して起こった五四運動(1919年)にもみられる[p67]。かつて日露戦争後に清朝が口出しできなかった頃とは違う[p72]。とはいえ、中国国内に統一した政府はなく、しばらく軍閥割拠状態。そのうち、南方の軍政府(国民政府)が"北伐"を開始[p105]。それに至るまで、孫文の国民党(国民政府)は「連ソ・容共」の国共合作をとって湾曲しながら(孫文には"赤化"とみなされることはどうということはなくても[p94]、国際的には差別的な対象であっただろう)力をつけたのだった。しかしやはり、国民党と共産党がともに歩めるはずがなく、それは"北伐"や日中戦争などで共通の敵があっての合作でしかなかった。共産党は圧倒的優位の国民党の弾圧から辺境の地へと移るが、貧農など大衆と結びついて、その命脈は絶えなかったのである[p147]。それが奇跡的な大移動「長征」[p166]も可能にしたのか。日中戦争がはじまって一応再び国共合作のかたちにはなったものの、相互に度々戦闘めいたことは起こり[p197]、それぞれが相入れないことは明白だった。最後まで圧倒的優位だった国民党も1949年に敗北し台湾へ[p234]

    インドの近現代史は、イギリスからの独立と国内のカースト及び宗教的(多数派ヒンドゥーと少数派ムスリム)問題の歴史。イギリスは「協力者(コラボレーター)」[p247]を特定の階層や宗派などに見出すなどの巧妙な統治方法によって長い間支配した。兵士がインド人であったり、インドのアメリカやヨーロッパなどとの貿易黒字で、イギリスの赤字が決済されているなど(多角貿易決済機構)[p286]切っても切り離せない重要な植民地であった。しかし、インド大反乱(シパーヒーの大反乱、1857年)がナショナリズムの契機となったし、インド国民会議が1885年に成立。スワデーシ運動(1905年)などを経てナショナリズムは高揚。第一次世界大戦後にガンディーの活躍によってさらにそれは成熟へと向かった。その奇跡的な活躍と成果は、ネルーやボースなど、ばらばらの会議をおさめるガンディーの「塩の行進」(1930年)(独立か自治領かという問題に対する答えを避けながら答える)[p385]や独立後の宗教的対立における多数派ヒンドゥーに対する活動[p470]など顕著。とはいえ、それが彼の殺される原因になったし、政治的にはスムーズにいったわけではない[p369、375など]。やはりガンディーの努力だけでは宗教的対立は解決できず、パキスタン(ムスリム)とインド(ヒンドゥー)の対立は第二次世界大戦後に噴出し、現代にも根深く続く。

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