東京飄然 (中公文庫 ま 35-5)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052246

感想・レビュー・書評

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  • 町田康の本は初めて読む。
    谷崎潤一郎賞もとっており、それなりの才能のある作家なのだろう。
    内容はあまりないのだが、文章の面白さは際立っている。
    落語を聞いているようだ。
    自分を道化にして、読者を楽しませている。
    私の読書の傾向として、一人の作家の本をとことん読むというスタイルだ。
    新しい作家を見出す喜びは大きい。町田康の他の作品も読んでみようと思った。

  • この情けと拘りの町蔵やな。

  • 被害妄想の独り言がクセになっちゃう面白さ。
    日帰りの旅というか、散歩、ということもあって妄想を反省して我に返るところなどもかわいらしく。味わい深い。
    章が短いので、旅行に持っていくのもちょうどいいかも。

  • 紀行文といっていいのか…。飄然と旅をしたいと思い立ったが面倒だし仕事はあるしで半日くらいで行けるところで旅愁を味わおうという趣向のエッセイ。どうにもいつものダメさかげんが愛おしくなってくる。「飄然」というのはひとつの美意識だがそれを実現しようとする姿が滑稽で、可笑しい。

  • 見過ごしている何でもない情景も著者の目を通せば途端に色鮮やかなものに変わる。予想だにしなかった切り口、イメージの膨らみに度肝を抜かれる。研ぎ澄まされた感性さえあれば、どんな卑近なところにも題材は転がっている。そんなことに改めて気づかされる。しかも笑える。腹を抱えての破顔爆笑面だ。

  • 早稲田界隈、鎌倉・江の島、銀座で串カツ、上野で絵画鑑賞、高円寺でロック…。

    マーチダさんのぶらり漫遊を写真とともに収録したエッセイ集。『苦虫』シリーズとは、ちょっと趣が異なり、ま、それは旅情というものが加わっているからであって、どことなく内田百閒の名随筆『阿房列車』を彷彿とさせます。鎌倉・江の島の話など、慶西くんがヒマラヤ山系さんと重なって見えますし。

    そういえば、内田百閒は俗臭ふんぷんたる江の島なんぞに、死んでも行ってたまるかと宣うていて、マーチダさんも、「鎌倉、月並み、うーん」といった感じであまり乗り気にならず、慶西くんの都合に合わせる形で、まんまと旅立つのです。あ、この辺もなんとなく百閒。

    で、エッセイを読み終わり、写真家さんの解説文を読み終わり、巻末の中公文庫既刊書を見ると、内田百閒の名前。

    面白すぎるじゃないか…。

  • 超面白エッセイ!妄想と言い訳が全開
    夜のサルビアから人間と猿の境界の詩を書く件は傑作
    小説も読んでみよ

  • 瓢然とすること。ぶらぶらすること。時々ぷっと吹き出す散歩日記*

  • 毎度の独特の妄想や論理展開(言い訳、屁理屈の類い)が全開。

    はいはいと笑い飛ばしていくなか、「ロックとは熱い血のたぎり、衝動。何ヵ月も前にコンサートを予約をして、何月の何日に熱い血をたぎらせようなんてそんな予定調和はロックか?」には妙な説得力を感じました。

  • 放浪っていうほどでもないふらふら感が好きです 表紙もすてき

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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