ピアニストという蛮族がいる (中公文庫)

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著者 : 中村紘子
  • 中央公論新社 (2009年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052420

ピアニストという蛮族がいる (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ピアニストの中村紘子氏によるエッセイ、彼女の同族であるピアニストの評伝を綴った作品で、元々は雑誌の連載だったらしい。

    登場するピアニストは、ルービンシュタイン、ホロヴィッツ、ラフマニノフ、幸田延、久野久、パデレフスキーなどなど、その時代を代表する大ピアニスト一人ひとりのエピソードが、とても詳しくそして大変活き活きとした文章で描かれている。

    特に、最初の純国産ピアニストと言われ、明治から大正にかけて国内では大人気だったが、本場欧州とのレベルの差に絶望した久野久の悲劇。そしてピアノも無いオーストラリアのド田舎で育ったが、奇跡的にピアノの才能を開花させ、女優としても活躍したアイリーン・ジョイスのエピソードが印象的だった。

    『チャイコフスキー・コンクール』を読んだ時にも感じたが、中村氏の文章は非常に表現豊かで、読む側を飽きさせないのである。もしこれが、違う作者が書いたただのピアニストの評伝であれば、きっと面白さは半減したと思う、とても楽しい作品でした。

  • ◆きっかけ
    題名のない音楽会で中村さんの特集をしていて、著書があることを始めて知り、読みたくなって。2016/9/3

  • 100118

  • チラ読みしたけどなかなか内容が濃そうで楽しみ(^^)

  • 洋楽黎明期の日本人ピアニストのことが興味深い。
    それにしても、中村さんの語り口は軽妙。ぐいぐいと引っ張られた。

  • ピアニストにしか書けない内容。だから興味深い。読みやすいです。

  • ピアノの調べは僕たちを癒してくれる。
    ピアニストは音を美麗に調律する。
    音域とともに「宇宙」を奏でながら、
    空気とこころを震わせるのだ。

  •  その「蛮族」が、中村さんとは別人だったり他人だったり、もう生きていなかったりしても、自身のうちにある、ピアニストとして切実なところを重ね合わせて、まるでついさっき、自分が弾いてきた話でもするみたいに、溌剌として、生きた文章で書いている。この、溌剌として生きた知識の蓄えが、本人の演奏時に、つと立ち上がり、歌い上げているのだろう。

     もう一つ、中村紘子のピアノを面白くする秘訣、彼女のことばが面白くなる理由に、気づけて幸運だった。彼女は、音楽評論家・吉田秀和のお弟子さんだったのだ。
    「ああ、それで文章もうまいんだ」と言っては、短絡的だろう。彼女が教わったのは子供の頃で、音楽解釈というのが、当時はよく分からなかったと話していた。けれども、芸術を愛するひとから学んだことは、今も彼女の中に残留し、顔を覗かせるように思える。


    <ピアノも言葉も歌わせるひと>
    http://khipu.jp/php5/show.php/47262

  • 文章こなれていて、うまい。
    (音楽家って、文章のうまい人、多いなあ)

  •  中村紘子さんといえば、カレーのCMに出ていた……というのは古い人間でしょうか。
     中村紘子さんは、チャイコフスキー・コンクールにも入賞なさった世界で活躍なさるピアニストの先駆けで、品の良い、私とは全く違うタイプの方に思えるのですが、その方からピアニストが蛮族だというお言葉が出るとは。

     この本は歴史上の様々なピアニストについての人生について語られています。
     で、読み進めていくと、歴史に名を残すピアニストはやっぱり変。常識では計り知れないところがあるんだなあと思いました。

     例えば、ロシアのピアニスト、ホロヴィッツ。イタリアの音楽一家、トスカニーニ家のワンダと結婚してからというもの義理の父にも嫁にも厳しくダメ出しをされて精神的に病んでいったなど、波瀾万丈の人生です。

     明治期に日本でピアノを学んだ久野久がベルリン、ウィーンで受けた本場の洗礼、その後の自殺と、涙無くしては読めない章もありました。

     ご自身も名だたるピアニストだけに、演奏家に対して、変ではあると書きつつも優れた演奏家への敬意を感じます。そして、客がいるなら何処へでも演奏に行く、中村紘子さんのその言葉にプロ魂を感じます。

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