世界の歴史〈28〉第二次世界大戦から米ソ対立へ (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2010年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052765

世界の歴史〈28〉第二次世界大戦から米ソ対立へ (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • ドイツのポーランド侵攻による第二次世界大戦の勃発、アメリカ参戦、原爆投下、植民地独立、冷戦時代の幕開け、朝鮮戦争、そしてベトナム戦争に介入したアメリカの敗北ー。大戦から冷戦へと続き、激しく揺れ動いた現代史の意味を問う。

  • 第二次世界大戦はそもそもナショナリズムという「パンドラの箱」[p170]を開けた人類の自滅だった。特に枢軸国側がそうで、日本もインドネシアなど現地の独立運動に影響を残した[p172、187、203]。そういったナショナリズム、「国民国家」のイデオロギーは少数民族の圧殺など多くの矛盾をはらみ、しばしば露呈した[p213]。アメリカ国内では民主主義の擁護などをいいながら、アジア系などの人種で差別するという矛盾などがみられた[p102]。とはいえ、アメリカ国内の多くの意見の対立などは、日本の真珠湾攻撃の「だまし討ち」感がアメリカ国民の団結を促し、戦力を増大させ(「正戦」[p89なども])、反日感情のうちに収束していった。

    戦後はついにアメリカの提示したマーシャル・プランへの不参加を表明した社会主義諸国(ソ連中心)との冷戦構造が表面化。それはあらゆる地域の独立闘争などに反映した。また、ベトナムのように冷戦構造を主体的に利用したといえるような例もみられる[p281]。

    中東に目を移すと、東南アジアでもみられるような列強の旧植民地諸国への執着が暗い影を落としている。ユダヤ人とアラブ人に対する矛盾した政策をとったイギリス[p282]など、「別れたい」と彼女から言われた男が逆恨みしてする嫌がらせだ。英仏は第二次中東戦争時における国際的な孤立にみられるように[p296]、世界をリードしうる力は過去のものであった。また、植民地の経済的問題などの独立後の苦難[p312]は別れた彼氏との思い出の品としてはあまりにもいやらしい。

    朝鮮戦争など、冷戦構造を反映した大きな局地戦争、代理戦争を経て[p318]雪解けの兆し。東の陣営内部で、スターリンの死後、フルシチョフのスターリン批判[p334]や米ソの歩み寄りなどで中ソの対立があったり[p358]、ミサイル・ギャップやキューバ危機があるなど変動はあったが、なんとか第三次世界大戦に至る道は避けられてきた。それは核兵器を背景にした「恐怖の均衡」[p351]でもあったが。

    そうした世界の変化は、ベトナム戦争にあらわれた。アジアの小国に圧倒的な大国のアメリカが敗北する構図は、民族の大小にかかわらず(大国が小国をリードするというものではなく)、その独立精神、ナショナリズムが尊重される多様な世界性の出現と発展の予兆であった[p423]。

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