漂泊―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)

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著者 : 堂場瞬一
  • 中央公論新社 (2010年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052789

漂泊―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 明神愛美が、火事に伴なうバックドラフトにより重傷を負い、入院。そんな衝撃的な冒頭部に、たちまち作品世界に引き込まれた。
    彼女はいつの間にか、高城賢吾にとってかけがいのない相棒になっていたことを痛感しながら、失踪者を追いかける高城。今回の失踪者は、火事現場の遺体かもしれない有名な作家。
    そして、その失踪には、哀しい背景があった。
    この作家の告白の一部には、著者の思いもあるのだろうか。自分の小説に疑念をいだき悩むこの作家と著者の立場は、対極に位置するのではと、一般読者は邪推するが・・・

  • 高城賢吾シリーズの第4弾
    失踪課もだいぶまとまってきたし、明神との相棒ぶりもイイカンジになってきて、シリーズとして安定してきたのかな。
    第1弾の頃に比べたら、高城の仕事に対する姿勢みたいなのが全然変わってきたし、お酒・タバコ・頭痛薬の登場も減ってきたので、それも読みやすくなってきた要因かも。

    今回は小説家のお話で、小説家の苦労とか心情とかも描かれていて、これって作者の想いや実体験なんかもかなり入ってるのかな。と思ったり。

    話とは全く関係ないケド、こういう苦労なんかを知ると、図書館で借りたり、古本屋で買ったりするのって作家に申し訳ないような気になってしまいました^^;

  • 失踪課のメンバーである明神愛美が偶然居合わせた火事のバックドラフトに巻き込まれ負傷。
    物語は愛美の復帰までと、火災現場に残された二つの遺体の事件の解明。
    失踪届が出された人気ミステリー作家の行方を追う三つのストーリーが同時に進行し、互いに絡み合う複雑な様相を呈していく。
    昇進に並々ならぬ意欲を持つ阿比留に気を使いつつ、高城は人気ミステリー作家である藤島の行方を追う。
    ストーリーは二転三転しながら、徐々に事件の核心に近づいていく展開は相変わらず面白い。
    本調子とはいえないまま現場復帰を果たした愛美へ素直に優しくできない不器用な高城もいい。
    優しい言葉のひとつもかけられない人間は、ちょっとした優しさをみせるだけでグッと印象が変わる。
    今回はあらためて高城の不器用な優しさと、警察官としての本人も気付いていないかもしれない秘めた熱さを感じる物語だった。

    作家と呼ばれる人たちにまつわる描写も多い。
    本好きな身としてはとても興味深かった。
    作家の苦しみと悩み。編集者の思惑。
    リアリティのある描き方で、ひとつの作品を生み出すことがいかに大変なのか。
    「なるほど」と思いながら読み進んだ。

    余談だけれども、鳴沢了シリーズの主人公・鳴沢の名前が出てきたことも面白かった。
    鳴沢だけでなく、このシリーズには大友など堂場作品の登場人物がたまに顔を出す。
    「一緒に仕事をしたことがない。今後もそういう状況は避けたい」と高城に思わせるほど鳴沢の噂が響き渡っていることが面白い。
    鳴沢も好きなキャラクターだったので、ほんの少しの同情を感じつつも笑ってしまった。

  • ビル火災に偶然居合わせた高城・明神コンビ。人気作家の失踪に絡みストーリーは展開していく。逮捕に至るまでの明神・井形の女性パワーも侮れません。最後の部分で高城と藤島の対話で見え隠れする作家という人格分析が作家自身と重なる部分があるのかと興味深かったです。「小説なんて(途中略)、人の心理を描くための道具です(文中より抜粋)」の一言が印象的でした。

  • シリーズ3作目です。今回は相棒の愛美や醍醐と一緒に酒を飲んでたら、
    突然愛美がバックファイヤーで飛ばされて脳震盪を負うところから始まります。

    そこから物語はノンストップで進んでいく、かなり面白い作品でした。

    でも、失踪者の藤島は、作者そのものなのかな?です。
    これ以上書くとネタバレになってしまいますので、このヘンで…。

    主人公の高城はもうかなりリハビリも済んで、まさに敏腕刑事です。
    その相棒役の愛美も、希望通りの敏腕刑事として充分にやっていけるのかな?というかんじです。
    それなのに、何故まだ失踪課にいるのか?っていうところがやや謎ですね。
    それに室長の真弓も、その上昇志向のわりに、まだ今の地位のまま、っていうところも、なんとなくシリーズを続けようとして続けているっていうかんじがしてしまいます。それがシリーズだと言ってしまえばそれまでなのですが、鳴沢シリーズのように、一回一回、その状況が変化していくってところもあっていいのかな?と思ってしまいます。

    それとも『太陽にほえろ』みたいに、同じ状況で違う事件を次々に片づけていくっていうパターンを狙いたいのかな?とも思いますが、せっかく小説なので、ある程度、『時間』ってモノを見せて欲しいなぁとも思ってしまうのでした。

    主要な登場人物に作家を持ってくるっていうのは、結構しんどいことだと思います。
    そこに自分の心とかが出てしまうと思うのですが、どうなんでしょうか?
    これだけの作品を描くっていうのは、絶対好きじゃないと描けないと思うのですが…。
    まぁそこらへんを想像してみるっていうのが読者の特権なのかな?と思います。

    とにかく、やっぱり安心して楽しめるシリーズだっていうのは間違いありませんね。
    堂場舜一作品はストックしてありますので、まだ楽しめます。
    結構多作な作家さんでもありますので…。
    よかった、よかった。

  • シリーズ4作目。
    久々に読んだけれど、やはり面白い。
    派手さはないものの、それが何だか良い。
    高城のダメ男度が減り、敏腕刑事っぽくなってきましたね。
    今回は小説家の失踪という事で、小説家や編集者の心の底を垣間見たような気分。

    モノを作り出す人の産む苦しみ、孤独が書かれていたのですが、これは作者の思いと通じているのでは、と勝手な憶測をたてています。

  • 今回も相変わらず面白い。明神を始めとする同僚との関係も微妙に変化しつつ高城はどこへ向かっていくのか。

  • 警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ第4作。

    ビル火災の現場から他殺体が見つかる。被害者の身元を調べていくと、失踪した人気ミステリ作家の名が浮上する。

    作家ならではの苦悩や出版業界の内幕などが垣間見える内容。ところで、主人公が行く先々で立ち寄る飲食店が匿名で登場するのがシリーズの特徴のひとつ。美味しそうな描写に行ってみたくなり、毎回ネットで検索するのが楽しい。

  • ※アマゾンより引用

    ■内容
    ビル火災のバックドラフトに巻き込まれ負傷した明神。
    鎮火後の現場からは、殺しの痕跡のある身元不明の二遺体が出た。
    犯人による隠蔽目的の放火だったのか。傷つけられた仲間のため、高城は被害者の身元を洗う決意をする。
    調査の中で、ひとりは捜索願の出されていた作家ではないかとわかり、事態は思わぬ方向に進んでいく。

  • 愛美が井形の事を嫌いなのは、ちょっとした嫉妬心だったのかな。

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