ボートの三人男 (中公文庫)

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制作 : 丸谷 才一 
  • 中央公論新社 (2010年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053014

ボートの三人男 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 丸谷才一さんを偲んで、の第二弾。とても有名な話だし、評判がいいのも知ってはいたんだけど、今回が初読。すっごぉ~~~く面白かった。丸谷さんが生きておられる時に読めばよかったなぁ。



    ボートで、ゆっくりとテームズ川を旅するイギリス紳士三人と犬が一匹。
    川沿いの町や村、城や森などを歴史的・地理的に展望する書、として書かれたものらしいのだけど、100年以上も経っているというのに今だに世界中で読み続けられている人気の物語、になっているのは、その真面目な意図と筆致から生み出される「企まざるユーモア」ってやつですね。\(^o^)/

    無邪気に自分の都合ばかりを言い立てる、大の大人三人組がほんッとに笑えて、笑えて、おかしてしょうがないんですよ。
    それぞれが、自分だけはまっとうだと思っていて、他の二人のことを非難し、でも、自分がその立場になったら、他の二人と同じかそれ以上の失態をやってのけるという…。

    そして、そんな勘違い野郎(汗)ばかりの話がなぜ面白い? 痛いばかりじゃないの? と言われそうだけど、う~~ん、なんていうか、これがイギリス流のユーモアっていうところなんでしょうか、上品で辛辣でおバカで、というエピソードがただただ可笑しく、うん、笑わそうと思ってやってるんじゃないリアリティにやられてしまう、ってとこかなぁ。


    ボートの旅に出るまでの荷造りからして大騒ぎで、なんと、実際にテムズ川に舟を浮かべるのは第五章の最終ページから。
    いたるところで起きるトラブル、というか、すったもんだが、皆、愛らしく、気持ちよく笑えてしまうところが嬉しい。

    三人ともすっごく我が儘なんだけど、それぞれ一所懸命っていうところもいいんだろうね。
    私、善良なる迷惑な人々、っていうのは、実はすっごく苦手なんだけど、なんでこんなに笑えてしまったのか。(*^_^*)
    これから何度でも読みたい小説です。

  • 軽妙な話
    モンモランシーを含めてみんないいキャラクターをしてる
    モンモランシーがでかい(?)猫にちょっかい出しかけるあたりが面白かった

    コニー・ウィルスの「犬は勘定に入れません」を読む前に読んでおきたかったので読んだ

  • ユーモア小説の古典と云われてる作品が文庫化されてたのですばやく購入。これぞ英国ならではのナンセンス。合わない人はまるきり何がおかしいかわからないと思いますが好きな人はついクスクスと笑ってしまうようなエピソードの連続。ストーリーはほとんどなくどんどん脱線してゆくのと、やや古い作品のためボートはモーターなど無く人力で曳航してたりのギャップがあったりで、花粉症で慢性的な寝不足のためしばしば睡魔に襲われてしまったのは不覚。

  • テムズ川をボートで旅する「ぼく」とジョージとハリス。そして犬のモンモランシー。三人衆と一匹の旅は上手くいかないことも多くて現実味にあふれている。それからイギリスっぽいユーモアも会話のあちこちにあふれています。
    あーわかるわかる!という箇所も多くて(特に、「ぼく」のおじさんが額縁の絵を壁に掛ける大騒動の話とか)笑いながら読みました。

  • 1889年に出版されたコメディノベル
    3人のイングリッシュメンとテリア犬、モデルが存在し視点人物はジェローム自身でリアルライフ友達のジョージ・ウィングレイヴ(国際金融グループのバークレイズのシニアマネージャー)とカール・ヘンチ(ロンドンプリンティングビジネス創始者)と犬のモントモランシー、この4イングランドジェントルマンズが、キングストン・アポン・テムズ(キングストンとも呼ばれる、キングストン・アポン・テムズ王室特別区はイングランドに現存する4つの王室特別区の中で一番古いロンドン南西にある行政区)、そこからオックスフォードまで下って、またさらにキングストンまで戻るボート旅。これも随分前に読んだ事があるが、図書館で偶然目についたので衝動読み。昔読んだときは、なんというか志村さんのバカ殿的な”あり得ない”ドタバタ的面白さだと思ったんですが、今読んでみると、程度の差こそあれ、”あるある”系の話。なんというか自分からちょいビターで乾いた笑いが出て来るのが辛い。このメンツと一緒に旅をするのは私には絶対に無理です。ほんまにあり得ないようだが、やるんですこんなことを(遠い目)。古い本なので古臭いことは古臭いですが、ところどころユニバーサルなツボがあり。例えば、
    ”ぼくの考えによると、われわれに迷惑を馬鹿ばかしいもののなかで、この「天気予報」ほど腹の立つものはない。それは昨日や一昨日に起こった事をきちんと「予報」するか、あるいは今日これから起ころうとしていることの正反対を「予報」するか、どっちかなのである。”
    つねづねガタの天気予報を見ていて正にこれと同じような事を感じることが多いです。そういえば、ガタの天気とスコットランドの天気は似ているのでイングランドの天気とも近いんだと妙に実感した。取り寄せてまで買おうとは思わないが、書店でみつけたら買おうと思う。たまにひっぱりだして抜粋読みしたくなる感じ。

  • 3人の英国紳士が犬(モンモランシー)と共に、テムズ河でボート遊びというか下って行くお話し。

    読むのにすごい時間がかかってしまった。
    ちょっと読んで、もう読まなくていいかな...と思いつつ、間に1冊はさむとなんとなくあの三人組が気になり、また読んでは止め、読んでは止め...

    続きが気になって夜更かししてしまうタイプの本ではないが、旅の移動中にたまに取り出しクスクス笑うのにはいいのではないでしょうか。

  • 「話がわきにそれる」というけれど、これはそのわき道寄り道を楽しむ本、かな。
    行き先を決め、計画を立て、荷物を選んで詰めて、とここまでだけでもすったもんだどったんばったん、ああでもないこうでもないとひと悶着!
    ミョ~なプライドと屁理屈いいわけを共にした3人の紳士(?)と1匹の舟旅。
    舟を曳く場面やイギリスの地理や歴史などもうちょっと知っていればと思うところもあって、そのあたり自分自身に対して少々残念。

  • 何かしらの病気であると思い込んでいる三人の男がテムズ河へ休息の旅へ。(犬は勘定に入れません)
    抱腹絶倒とまではいかないにしろ、どこを読んでもユーモアに溢れていておもしろい。歯ブラシとバターの行方、調子はずれのコミック・ソング、誰もがとりこになるいり卵、次々に現れる鱒釣り名人、ボートとスチーム・ランチはどっちが邪魔なの?
    舵をとりながら、歴史に思いをはせるのも詩的世界に浸るのもほどほどに。罵声と呪いが飛んでくる!
    人を嘲り笑い、人に笑われる彼らは滑稽だけれど、そこがとても人間臭くもあり愛すべき英国紳士なのです。
    《2014.03.28》

  • 面白かった、もう一度読んでからレビューを書きます
    丸谷さんの訳がとても良かったです

  • イギリス人って、映画もそうですが、なんともいえないユーモア感がありますよね。
    そしてこういう自虐がほんとにうまい。

  • 面白かったなあ。飛び抜けて大笑い!というわけではないけれど、ニヤニヤ、クスリ、としてしまう一冊。明るい気持ちで読めた。
    悪いことがあれば、それは他人のせい天気のせい病のせい……ダメ三銃士と一匹。いいなあ。ユーモアたっぷり。

    少しくらい肩の力を抜いて、多少他のせいにして楽しく生きたいなあと思った。
    2015.04.14

  • ロンドンはいつだって曇り空。憂鬱な天気を吹き飛ばす気概もない夜にはこんな本がよく似合う。ダメ・だめ・駄目な残念三銃士と1匹が繰り広げる、テムズ河におけるボート旅でのズッコケ道中。脱線と回想を繰り返す内容は人生に目的など不要だと諭してくれるダメダメ臭が溢れているはずなのに、時折挟まれる美しい風景描写や詩的な情景がふと我に返させてくれるその絶妙なバランスがたまらない。主人公の仕事に対する、真摯に怠惰であろうとするスタンスもたまらない。見上げればいつだって曇り空、それでも別に構わない。それがユーモアの力なんだ。

  • [ 内容 ]
    気鬱にとりつかれた三人の紳士が犬をお供に、テムズ河をボートで漕ぎだした。
    歴史を秘めた町や村、城や森をたどり、愉快で滑稽、皮肉で珍妙な河の旅が続く。
    数々のオマージュ作品を生み、いまだ世界で愛読されている英国ユーモア小説の古典。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • まったり愉快。イギリスのユーモア小説は本当に楽しい。

  • 漱石の猫とか、こんな感じだよな。年代的にも近い。

  • 私の中のベストオブユーモア小説です。

    4年前にイギリス旅行をした際に、旅のお供に持って行った本です。もともとは、この小説をオマージュした『犬は勘定に入れません・・・あるいは消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』というSF小説が好きだったのが読むきっかけです。(こちらの本も大変面白いです)

    19世紀イギリス、どうも気分がすぐれない英国紳士三人組ジョージとハリスとぼく、そして犬のモンモランシーが、気分転換にテムズ河でのボート旅行に行くという話です。旅先での劇的な出会いや冒険などは一切なく、ひたすら日常のささいなおかしさや、旅でのどたばた劇・あるあるネタが描かれます。しかも、主人公が私的な魂の持ち主(ポエマー)なため、話の半分は主人公の回想や物思いにふけるシーンだったりします。それでも、こんなに楽しく読めるのは、とにかく文章がめちゃくちゃ面白いからです。文章の雰囲気をつかんでいただくために、以下に1章のサブタイトルを上げます。(各章、こんな感じでその章の概要がずらずらと並んだ長いサブタイトルがつきます)

    「三人の病弱者 ジョージとハリスの悩み 致命的な百七の病気にかかっている一人の男 有効な処方箋 過労が原因、故に休息が必要だということに全員賛成 時化で苦しむ一週間か? ジョージは河を提案する モンモランシーは反対する 三対一の多数によって原案可決」

    このサブタイトルを読んでピピン!ときた方は是非読んでみてください。ディケンズやアーヴィングが好きな方はきっと合うのではないかと思います。

    全体に細かいエピソードがすごく多いのですが、私が特に好きなエピソードは、庭園の巨大迷路から本気で出られなくなる話(私も実際イギリス旅行で出られなくなったので)、缶切りを忘れてパイナップル缶を開けられずめった打ちして無理に開けようとする話、深夜に白鳥に襲来される話です。

    あと、作中ではテムズ河周辺の地理や町の話、イギリスの文化や歴史についても結構語られていますので、そういった楽しみ方もできてお得。イギリスに旅行される方にはかなりおすすめです。

    何も難しいことを考えなくてよく、純粋にただただひたすら楽しいお話です。

  • 英国ユーモア小説の古典。

    いろいろオマージュ作品もあるようで、本作品の副題がタイトルの
    『犬は勘定に入れません』(コニー・ウィリス)も是非読んでみたい。
    ・・・実はチラッと最初だけ読んだけど入りがほぼ同じだった。

    ちなみに各章の目次的あらすじ的キーワードの羅列は、
    既読の『エーミールと探偵たち』にもそのオマージュを見た(と思う)。
    ↑やっぱり違った(笑)。なんだったかな…
    ↑判明!『飛ぶ教室』だった!やっぱりケストナーだったかー。


    内容については機知に富んだ場面がいくつかあって参考になった(何の?)。
    展開に派手さはないけど、ほぼ全編に渡って脱線しまくり(笑)。
    そしてストーリーの流れはまさにボートが川を下るかのごとくゆっくりと進む。

    解説の一節、「英国人は常に英知と遅鈍の中間にある」というのはとてもいい。
    本作品に描かれている三人は正にこんな感じ。
    英国で暮らせばボクもこんな風になれるかな。

    ・・・全然レビューになってないな。

    最後に。
    基本的に解説はあとから読むタイプだし、
    そもそも個人的に解説はそういう位置づけだと思っているんだけど、
    本書は解説を先に読むといいかも知れない。

  • 嫌なことがあったら読み返せばいいのか。クスクスイヒヒ。

  • あとがきを読んでからスタートすればよかったなぁと。
    勿体ないのでまた時間が在るときに地図片手にゆったり読みなおしてみたいです。

  • 三人の英国紳士が10日間、ボートでテムズ河を旅する、ただそれだけの話ですが、それぞれのエピソードが声に出して笑ってしまう程面白い。実話に近いみたいです。
    面白い話の合間にふと登場する真面目で哲学的な話も印象的。
    ただ、テムズ河ほとりの歴史や地理が私にはちょっととっつきにくい箇所がありました(途中まさかと思ったけどこの本はそもそもは旅行案内書になるはずだったとか)。
    でもユーモア小説として今も世界中で愛読されているのは納得。本書の井上ひさしさんの解説も良かった。訳者の功績もあるのでしょう。
    三人三様に自分勝手な彼ら、あと、モンモランシー(フォックステリア)の活躍もお忘れなく。

  • 「犬は勘定にいれません」

    自称(?)病持ちの男、ジョージ、ハリス、ぼくの3人はその気鬱を晴らすべく、犬のモンモランシーを連れてテムズ河へボートを漕ぎ出す旅に出る。沿岸の風景を楽しみ、町の歴史に思いを馳せ、時には脱線しながら、彼らの珍クルーズを覗いてみれば…。

    英国の古典的なユーモア小説だという。
    ところが井上ひさしさんの解説によれば、訳者の丸谷さんは本書のおもしろさの秘密について「この滑稽小説を支えているものは、彼が最初から単なる滑稽小説を狙いはしなかったという点に象徴的にあらわれている」と解き明かしていると述べている。

    つまりユーモア小説と言ってもけっしてそこを狙って書いているわけではなく、著者が実際、友とボートで旅したときの体験や出会った人々、沿岸の風物や歴史などあれやこれや思い浮かんだ事ども取り混ぜて書いた結果、自ずとそれらしきものになっていったということだ。著者が「これ」を真面目な顔で書いたことを想像すると、もうそれ自体が可笑しい。狙って書かずして「これ」というところがすごい。千利休が説いた自然の優位、「侘びたるは良し。侘ばしたるは悪し」を思い出す。

    本書で一番のお気に入りとなったのが、自称(?)彼らの仲間である犬のモンモランシーである。和田誠・画の表紙の絵にあるように、彼は彼ら3人のボート旅に同行したフォックステリアで、実在したらしい。ちょっと嬉しい。

    旅の計画を立てるときも、3人が河へ行こうと言い出すとモンモランシーはひとり「河はぜんぜん好きじゃない」といっぱしに反対する。どうやら彼にも発言権があるようだ。

    この19世紀のテムズ河クルーズでは珍奇な食事風景も繰り広げられる。ボートに積み込んだ残りの食材でアイリッシュ・シチュウを作ろうということになった3人。野菜、コールドビーフ、格闘の末にジャガイモ、キャベツ、そら豆、ポーク・パイ、鮭罐…残り物をじゃかすか放り込んでいく、要はアイルランド風闇鍋。入るものはまだある。

    <シチュウが出来あがりかけたころ、事の成行きに今までずっと多大の感心を示していたモンモランシーは、熱心にかつ鹿爪らしくどこかへ出かけてゆき、数分後ドブ鼠の死体を口にくわえて戻ってきた。明らかに彼は、これを晩餐の一部として提供するつもりであったらしい。>

    その後「鼠をシチュウの中に入れるか入れないかで、三人は熱心に討議した。」モンモランシーの好意が吉と出るか凶と出るか、後は読んでのお楽しみ。ラストシーンまで、しっかり「仲間」として一声でしめるモンモランシー。かっこいい。

    ところで。そんなモンモランシーの思いをよそに本書のサブタイトルは

    「犬は勘定にいれません」

    まいりました。本書のユーモアの真髄ここにあり。

  • ユーモア小説といったらこれとウッドハウスくらいしか思いつかない。他にもあるのかしら。もしご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。

    ボートでテムズ川下りというストーリーはあってないようなもので、この本の真髄は枝葉末節にある。これ以上ないほどどうでもいいエピソードが仰々しい美文によって綴られる、それだけで知らず知らずのうちに唇が歪んでしまうではありませんか。神は細部に宿る。違うか。

  • 面白い、題名からして素敵。
    翻訳も○

  • イギリス ユーモア 解説ひさし

  • 真面目に理屈っぽいこと言って笑わせる、イギリスのユーモア小説です。大笑いはしないけど、おいおい、と言いながら何度笑ったことか。どたばた劇を冷静に描写してみせたり、比喩を効かせて表現したり。笑える面白さと、興味深い方の面白さとが楽しめました。そう言えばいいのか!と勉強にもなったりして。
    なにげに川周辺の景色や観光地の描写が、観光ガイドになりそうなくらい丁寧です。たまに本の世界に引き込まれて哲学的な気分になったりもしましたし。各章の冒頭にあらすじをまとめるのは、ホメロスの「イーリアス」と同じ形態…なんですかね。あんまり関連はないのかも知れませんがちょっと気になりました。

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気鬱にとりつかれた三人の紳士が犬をお供に、テムズ河をボートで漕ぎだした。歴史を秘めた町や村、城や森をたどり、愉快で滑稽、皮肉で珍妙な河の旅が続く。数々のオマージュ作品を生み、いまだ世界で愛読されている英国ユーモア小説の古典。

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