世界の歴史〈25〉アジアと欧米世界 (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2010年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053052

世界の歴史〈25〉アジアと欧米世界 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 香辛料、絹、綿製品、砂糖、茶菓、コーヒー、チョコレート、そしてアヘンー。人間の限りない物的欲望を背景にして人、物、金が世界を巡り、アジアと欧米は徐々に一つの世界システムを構成していく。海洋を舞台に、近代世界の転換期を描く、500年の物語。

  • 2013.10.29
    求める世界史の授業を体現したような作りとなっている。

  • アジア史を書きながら、日本の江戸時代にも詳しいです。つまり、江戸の鎖国がどういうものであったのか、正に世界的な視野でみることが出来たように思います。ポルトガルによるマラッカ領有から始まり、欧州列強が、コストがかかる植民地拡大・維持ではなく、むしろ交易による利益を望んでいたこと。アジアの茶・香料を欧州に輸入し、欧州からは織物の輸出という構造になります。その中で新興国のペリーがどのような覚悟で日本にやってきたのか、欧米の目から見た黒船来航の背景は面白いものがあります。19世紀後半は英国に対する新興国・ドイツと米国の次世代を巡る覇権争いが始まった時代だったとのこと、確かに振返ってみてそのような時代だったのでしょうね。17世紀前半はオランダが英国を圧倒していた時代であったという記載も数字に裏付けられて成程と思いました。

  • お風呂の栓を抜く時のように、あるいは
    蟻地獄に蟻が吸い込まれていくように世界史の諸相にはそれぞれ「中核(ヘゲモニー)」があり、そしてその「周辺」があった。14世紀末から20世紀初めまでの約500年を主に海から、国にとらわれずに眺める。

    はじめはアジアとヨーロッパの貿易は、イスラーム圏などですでに確立していた貿易にヨーロッパが寄生するかたちで利益をえていた[p170、201]。これは19世紀も続いた[p301]。

    そもそもそのような辺境の地域でしかなかった欧州諸国が、レコンキスタを契機に海へ飛び出してイスラーム勢力などを回避する新しい航路を見いだそうとしたのがはじまりだろう。そして発見したアメリカ大陸は、レパントの海戦(1571年)で欧州諸国(スペイン)がオスマン帝国を破るまでの経済的バックボーンになる(そのことをオスマン帝国内部でも分析していたらしい[p154])。

    そのあとスペインがオランダの独立をゆるすなどして衰退し、「中核」はオランダへ、その後の流行や嗜好の変化(オランダ支配していた植民地で取り扱っていた香料などが時代にあわなくなるという奇跡!)などで[p200]イギリスへ、というのが20世紀前後までの大まかなストーリー。

    イギリスの朝食の変化がそのまま時代を表していた[p305]。紅茶に砂糖を入れて飲むというのは、その当時の労働者を効率よく働かせる?食習慣として確立したものらしいが[p309]、世界規模で貿易の主導権を握ってできることだった。紅茶は中国から、砂糖は西インド諸島からもたらされるからである。それぞれ、イギリスからみれば東の端と西の端。

    20世紀にはいると、イギリスは工業生産の面ではドイツやアメリカに抜かれるようになる。しかし金融面では依然として大きな影響力を保持(オランダもそうだった)した。その後の「中核(ヘゲモニー)」をめぐって現代の悲劇的な戦争につながっていく流れ。

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