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- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122053113
感想・レビュー・書評
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途中で読むのが苦痛になった。
著者の最大の功績は成長途中の若者を「モラトリアム人間」と命名した事だろう。
しかし著者の視点は昭和5年の戦前生まれの男のものであり、それが発表当初1971年頃には普遍的な考えであったのであり、基本的に「だらしない若者」という価値観が根づいている。
その根本には家父長制思考があるのだが、農村社会制度から工業労働者としての都市生活者への変遷を考慮すれば、なぜ都市部を中心にした若者(当時は農家の次男以下が多かった)が長男と違って安定した土地を分け与えられずに都市で根を張って生きていく過程であると捉える視点がないのかと不満に思う。
また現在において考えると、生涯雇用など望めない時代における不安定さが社会の根底にあるのだから、ますます何事も決めつけてしまわない身軽さを身につける事こそ世渡りの秘訣と言えるので、好き嫌い関係なくモラトリアム人間の時代が来たと言えよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示