国境事変 (中公文庫 ほ 17-4)

著者 :
  • 中央公論新社
3.38
  • (70)
  • (284)
  • (380)
  • (83)
  • (13)
本棚登録 : 2882
感想 : 217
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053267

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東刑事は活躍してるけど、「ジウ」とは、そんな関係ない感じ。
    現実問題としては、「ジウ」よりありそうで怖い。歌舞伎町封鎖とかより、国境近くの対馬とかの方がね。
    捜査一課だけやなく、公安、更には自衛隊と何か危機感でピリピリする…

    この小説発売当時より、北はミサイル撃ちまくりで、もっと怖くなってる…昨日も確かやったはず…
    防衛費も大幅増加になりそうだし、防衛の意味合いも違って来ている。もう、撃たれてからでは遅いという感じに…

    公安の目的が違うのは分かるけど、大義の為には…って考えはなぁ…
    警察官に応募してきてる人って、そんな事で、入ってきてる人ではないんで、別枠で募集せんと、実際に働く時に矛盾に悩まされそう…
    国民一人一人に向き合うのと、国として向き合うのは違うしな。

    面白いけど、何かありそうで怖くなる昨今です!
    大どんでん返しありで、面白かった〜!
    また、続き読も〜(^_^)v

  • 2019/2/10読了。
    エンターテイメント要素が大きいと感じた「ジウ」シリーズに比べて、硬派で「警察小説」らしい印象。
    「ジウ」の直後に読んだせいか、やや地味な気がしないでもないが、舞台設定を含めて、興味深い。
    対馬のこと、公安のこと、いろいろと勉強にもなった。
    目を覆うような描写がほとんどなかった誉田哲也の本に、久しぶりに出会った気がする(笑)

  • 章の頭の語りの謎が気になり一気読み。終章なくても読み応えあるが最後に伏線回収がおお、っとなった。何人かこの後も出てくると思うと楽しみ。

  • ミステリーが読みたくて堪らず、でも食指を動かされる作品がなかなか見つからず、アマゾンで探した結果、まだ読んでいない誉田氏の作品を見付けて購入したのがこの一冊。

    ジウで知り、ストロベリーナイトの姫川シリーズでファンになった著者のこれまで読んだものとは少し趣が異なる仕上がりでしたが、大変面白かったです。

    対馬で起きた密入国疑惑を描く序章から一転、第一章は新宿で起きた在日三世の朝鮮人殺害事件へと舞台が移ります。
    その在日朝鮮人には実は公安警察も関与しており、章ごとにそれぞれの視点から事件が描かれていきます。
    時折登場する「私」という事件の黒幕らしい人物が誰であるのか、も興味を引くポイント。

    最終的には全てが1つになっていくのですが、単なる謎解きミステリーではなく、対馬という国境を強く感じさせる土地・公安の立場・在日という存在など、様々な社会的問題が盛り込まれていました。

    要素が複数になると、時にまとまりのない散らかった印象の作品になってしまったものに出会いますが、本作はちゃんとまとめあげられており、さすがと思える仕上がり。

    本作は女性が一人も出て来ないのも、新鮮でした。父親に勧めようかな。
    再読はしないでしょうが、満足度は高め。

    これからも読み続けたい作家の一人です。

  • 北朝鮮のクソっぷりは
    今更語るまでもないが、
    数々の小説でも登場する、我が国の「公安警察」。

    国家の治安維持を謳い文句に、警察の一組織でありながら侵入・盗聴・盗撮、時には恐喝まで…

    本書で、東が妻子と別れるキッカケとなった遣り口には反吐が出そうになる。

    こんな犯罪のデパートの如き組織が税金によって運営されているなんて…
    そして、その規模たるや…

    しかし、
    誉田さんここまで書いて、公安にマークされないのかしら(笑)




    ジウIII・歌舞伎町封鎖事件後の北新宿と長崎県対馬が舞台。

    韓国釜山の鼻先で、少しずつ、そして確実に気配を強める事件の影…
    北新宿で起きた、在日三世の貿易商社社長撲殺事件と、どう繋がって行くのか…

    マル害の弟を使った、公安のスパイ工作のえげつなさ、そして公安警察官の苦悩。

    北の体制崩壊を目論むグループとそれを利用するアメリカCIAの思惑。
    さらには、その情報をアメリカ外交の切り札にすべく蠢くもう一つの…




    自国の利益優先が、スタンダードのように振る舞う大国を前に…
    核装備の是非はともかく、自国の防衛について、核も含めた議論が急務に違いない…

    そんな考えを、ぼかす事なく公言して憚らない石破さん…
    ちゃんとした土俵にも上げない遣り方で
    封じられました。
    永田町の論理もなかなかエゲツない

  • 『ジウ』シリーズ続編。
    東が主人公で、前作では明らかにならなかった離婚理由が明かされる。
    第十一係とはもしや姫川班……。

    東が率いるの刑事組と川尻メインの公安組の動きは物語中盤で絡んでいくが、桑島の対馬組がどう絡んでくるのかは終盤まで読めなかった。
    そして、黒幕がまさかあの人とは……。

  • 結末は,まさか・・・という感じ。
    そうきたか・・・。
    でも,釈然としない結び方だと思う。

  • ジウシリーズ4作目。
    東さんのイメージが前と少し違う感じ?
    ジウとはあまり関係ないけど、題材的に興味のある分野でおもしろかった。
    公安っていろんな意味ですごいな。。

  • 「ジウ」事件終了から2年後の東弘樹が主役。

    「ジウ」三部作から続く各章がモノローグで始まる形式は
    姫川シリーズと敢えて揃えているんだと確信する。
    姫川シリーズは心理描写を多用し
    ジウサーガはアクション描写を読ませるという特色を持たせている気がする。
    これが「硝子の太陽」でどう結実するのか楽しみ。
    でもジウサーガのアクション描写が想像し辛い。
    特に第五章の桑島と川尻のそれぞれの目線で書かれている銃撃戦がメモを作って整理しないと分からなかった。
    p303で過去の話として和田警視正が登場するが
    姫川シリーズと今作の時間軸が読み取れなかった。
    東の離婚理由が分かったので
    カンヌとの恋愛の進展はなさそうかな。

    読み終わって気になったのは2点。
    1 桑島の部下の中江は有事の際には真っ先に死にそうなので、長崎県警警備部第一課に配属されることが心配。
    2 金日成(アカイシゲユキ・ムライ教官)を銃殺したのは荒巻だと思うけど今後の処遇が一切書かれていない。
    この2点が次作以降で知りたいと思う。
    とりあえず次作「ハング」の主人公は東ではないので読めそうにないけど。

    【解説を読んだ後の追記】
    解説で香山二三郎が書いていた通りに第二章と第四章の金日成のモノローグを読んだ。
    やっと物語の全体像が掴めた気がして面白さが分かった。
    金が警察内部を良く知っていること公安公安仕込みと思わせる立ち居振る舞い、
    そしてp261で私の使命と心に決めた理由も良く分かった。

  • 「ストロベリーナイト」が面白かったので、誉田さんの別な警察物「国境事変」を読んでみました。

    これも好みでした。いいですね。
    この“公安”は実在するんですよね?驚きです。また、在日の問題も深いのですね。

    登場する山田は、ジウに登場する山田さんと同一人物らしい。
    次は、ジウも読んでみなければ。

著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

誉田哲也の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂幸太郎
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×