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この作品からのみんなの引用
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※総力戦研究所教則から 『教育は総て啓発を主とし、特に研究生の自発的工夫研究を旺盛ならしむるものとす』 (略) (一)教科目の教育は講義並に演練の方法に分つ、然れども教育綱領の趣旨に鑑み演練に重点をおくべきは勿論なるも、講義、演練は互に表裏一体となりて相扶け相補ひ理解体得せしむべきものとす。
(1)講義
講義に際しては基礎的智識を与へ(与ふるを主眼とし)末節に走らず又実際的知識を与へ徒らに理論に流されざること。
― 34ページ -
日本帝国主義には、白人支配から有色人種を解放するアジア解放の思想があった。もっとも、このアジア解放思想がかなり身勝手なシロモノで中国人、朝鮮人を平気で虐殺するような欠陥思想であったから、この点での弁解は許されないだろう。しかも、最先端で虐殺に従事した一人一人の日本人は加害者であるにもかかわらず東條だけを悪者に仕立てあげ、自らは被害者意識の盾の後ろに隠れてしまっていた。
― 227ページ -
「やる」という勢いが先行していたとしても、「やれる」という見通しがあったわけではなかった。そこで、みな数字にすがったが、その数字は、つじつま合わせの数字だった。
― 192ページ
みんなの感想・レビュー・書評
まさか、開戦前に「日本がほぼ確実に負ける」というレポートが出来ていたなんて本当に驚きでいっぱいです。1章はなんとなく怠惰で読み進めるのが嫌になりましたが、2章以降は物語の核心に迫り、読んでいて手に汗握る思いでした。もっとこう言った作品を読んで近代史を学びたいと思う所存です。
かなりいい本でした。
昭和16年に総力戦研究所が「日本敗戦」という結論を出したことと、現実世界で何が起こったのか、特に日本がなぜ開戦の決断をしたのかということに焦点を当てて描かれています。
30代前半の若者が出したシミュレーション結果を国家が受け入れることはなかったとしても、なぜ政府及び大本営はあんな無謀な戦争をはじめてしまったのか(背景としてテロルの恐怖があったとしても)、なんとなくわかったような気がします。
惜しいのは、総力戦研究所の研究結果と現実に起こったことをもう少しきちんと対比して欲しかったということです。
総力戦研究所の結果は間違えていなかったという記述が随所に出てくるものの、どこが違くてどこが同じなのか、きちんと知りたかったです。
ずっと疑問だった太平洋戦争。
あの当時の日本は、本当にアメリカと戦争して勝てると思っていたのか。
この本を読んで、長年の謎が解けたように思う。
やはり、敗戦となることを当時の日本でも冷静にシミュレーションをしていた。
どうして、時の指導者たちはこの現実を受け入れることができなかったのか。
悔やまれてならない。
著者の着眼・取材には脱帽なのだが、敗戦の結論を出すに至る経緯を、もっと詳しく描いてほしかった。
その点が残念。
太平洋戦争の話。
レポート調で、細やかな取材に基づいているので、もしかしたら真実に迫っているのかもしれない。
そういう期待も込めて(判断するのは読者である私たちですが)
以前読んでいたが、また改めてじっくりマーカーを引き付箋をはりながら、時間をかけて読んだ。
日米はなぜ開戦したか?を考えさせられた。日本必負の結論が出ていたにもかかわらず、開戦したのはどういう状況からかが緻密に描かれている。
そこで問題となる官僚や官僚組織の論理は、現代日本の政治と官僚とまったく同様で、官僚と政治家の違いはなにかという問いは現代も抱える問題だと感じた。
この敗戦間際の状況と現在の日本て非常に似ている状況のような気がする。
個々はこの状況が崖っぷちだと分かっているのに、国全体となるとそのまま悪い方向へ突っ走ってしまう。
必敗と分かっていながら日米戦を開戦させてしまったように、財政破綻と分かっていながらこの状況を変えることができないのか、問われている。
途中忙しさと自分の知識のなさに読むのが辛くなり挫折..
ま,学のなさはしゃーないよね,という開き直りから,猪瀬さんの言いたいエッセンスだけはつかみとろう!と再開.
結果,非常に良い読書をしたという感じ.
意思決定のあるべき姿というものを「ダメパターン」から考えさせられる.また歴史という時間軸,を戦争前後の短い間ではあるが非常に意識させられ,また最後の勝間さんとの対談にもあるように,歴史からの学びの重要性,というのにも気付かされる.
非常に緻密に書かれた本で,読み方によって,人によって,得るものは様々であると感じた.
日本が太平洋戦争へと進んだ道をできる限り客観的に描いている。
東條首相ひとりの責任ではなく日本の統治機構の構造的・組織的欠陥が戦争への道を歩ませ、誰も大きな潮流を止めることはできなかった。
タブー化・イデオロギー化させずにそして感情的にならず、客観的に事実を見つめていかなければ、歴史を未来に生かすことはできないだろう。
開戦前に為されていた戦争シミュレーションを核として,当時の情勢や政策意志決定について描かれたお話.
ベクトルが違っているだけで,今の日本も同じなのかもしれない,と思わされる本だった.
自民党の石場茂氏が予算委員会で紹介していたのがきっかけて、この本の存在を知った。 日本の戦争責任を再考するうえで必読の書だと思う。 当時最高の若手エリートを集めた組織が、架空の政府を作り、戦況シュミレーションして太平洋戦争の結末を研究した結果、『日本は米国に敗北する』との結論を出したにも関わらず、実際の政府はこれを聞き入れず、そのシュミレーションを辿って行ったという実話に基づく話。 ... 続きを読む »
純粋な昭和秘史として読めば星5つ。
そうじゃなくて「やはりデータに基づき前提や偏見にとらわれない意思決定が必要!」とか読んじゃうと星ゼロかな。
素材設定や圧倒的な調査力などは素直に舌を巻くけど,若さ(単行本発行時37歳)を差っ引いたとしても,まだ隅々に残る「押しつけがましさ」が,この作品の魅力を大きく毀損しているのが何とも勿体ない。おまけに今回の文庫化でカツマーとの対談まで加わって,さらにウエメセ臭が濃厚に。
なんかな〜,同じ素材を司馬が書いたらどれだけ上質のエンタメになったろうか,とか思うんだよな〜。ほんと,一言で総括すると「勿体ない」に尽きる作品でございます。
日米開戦の年昭和16年、日本の軍・官・民から選りすぐりのベストアンドブライテストを集めた総力戦研究所が組織されていた。そして、机上研究の結果、開戦直前に彼らが出したひとつの結論は、「日米戦日本必敗」であった。
猪瀬直樹の渾身のルポルタージュ。関係者に相当の取材と調査を行ったと想像されるが、膨大なインプットから珠玉の部分のみがアウトプットされた感があり、読んでいて非常な爽快感がある。第二章の、開戦決定までのプロセスが非常に日本的で、今も続く日本の悪習であるとの思いを強くした。東條と天皇が実は開戦に消極的で、なし崩し的に開戦の空気に押されるようにしていった箇所の記述が個人的には大変面白かった。
組織論を学ぶ人は必読の良著。
「昭和16年夏の敗戦」読了。教科書では教えてくれないこと。『決断の内容より”全員一致”のほうが大切』の意思決定システムは、今もほとんど変わっていない気がする。会社もおんなじかな。
全国各地から将来有望な官・民の逸材として招集された内閣総力戦研究所研究生。昭和十六年夏、彼らによって組織された模擬内閣は、日米開戦の四ヵ月前に日米戦争日本必敗の結論に至っていた。
この内閣総力戦研究所に迫るべく、当時の研究生・所員や鈴木貫太郎といった閣僚にまでオーラル・ヒストリーを行い、知られざる実話の復元を行った。
実際の東条内閣の開戦までのプロセスとともに描き、意思決定のあるべき姿を示した作品。
日米開戦前の日本も、現在の大企業病に侵された会社も大した違いはない…
明確なビジョンを持った意思決定の無い組織運営は、そこに属す全ての人を不幸にするだけ。
この本の良いところは、自国の歴史教育をしっかり受けてこなかった我々のような世代に対して、改めて『歴史を学びたい』と思う気にさせてくれるところにある。
文中、巻末に出てくる参考文献を読もうと思う。
面白かった。太平洋戦争前、近衛内閣は「総力戦研究所」を創設し、若きエリートたちを集めて、模擬内閣を作り、「日本がアメリカとの総力戦に踏み切った場合どうなるか」を閣議・シミュレーションさせた。昭和16年夏に出された結論は、「日本必敗」。ところが、その結論は一顧だにされることなく、日本は否応なく戦争に巻き込まれていく。
昭和も終わる63年に生まれた俺には、戦争なんて聞いたことしかない。 自分の親の世代はもちろんのこと、そのまた親の世代でも戦争を記憶している世代は進行形で消えていっている。 そういった意味では、この本を読むには当時の歴史をあまりに知らなかったので、読み終えるのに時間がかかった。 それでも「知識として知っておいて損はないであろう幕末から明治、大正~昭和の歴史は学ぼう」という思いつきがきっかけで、... 続きを読む »
歴史年表では、日本の敗戦は昭和20年。ところがこの本のタイトルは「昭和16年」と謳われている。 実はこの年、日本中から選抜された若手エリートによる対米戦争のシミュレーションが行われ、どう頑張っても日本は負けるという結論が出されていた。 しかしながら、実際には戦争に突入する空気が作られ、勝利するために、ではなく、勝利できることにするために辻褄を合わせたデータが作られ、無謀な戦争に突入した。
リーダーたるもの、正確なデータに基づき的確な判断を下し、決して周囲に流され、雰囲気で決めてはならない。 という教訓を伝えるノンフィクション。
漢字密度が高くて全然読み進まない(笑) 今半分くらい。 20111214 ようやく読了。 龍の「愛と幻想のファシズム」のなかで、 2・26の将校はその純粋さから、戦前の若手官僚はその優秀さから、絶対に冒涜してはならない って一節があって(※引用しようとペラペラしたけどみつからなかったので、そんなニュアンスかと… あとで見つけたら訂正する) その若手官僚の優秀な理由ってのが、戦争始... 続きを読む »
ツイッターを始めて良かった事。猪瀬さんのツイートにつられて「ジミーの誕生日」とこの「昭和16年夏の敗戦」を読んだこと。

日米の開戦前、若きエリート達が集められ『総力戦研究所』なるものが作られていた。
その総力戦研究所が出した対米戦の結果は、「日本必敗、避くべし」であった。予期された日本の大敗は、何故避けられなかった...





