水晶萬年筆 (中公文庫 よ 39-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053397

感想・レビュー・書評

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  • 十字路を過ぎるひとびとのおハナシ。
    彼らの頭に巡るアレコレが、愉快で奇怪。日常が非日常になり、日々がへんてこに動き出す。
    十字路に注視してたら、その道の師に出会えるだろうか。出会いたいなぁ。

  • 帯表
    物語がはじまる十字路へ
    多彩にきらめく六篇の物語
    帯裏
    水の匂いがたちこめている。あの夜と同じ丸々とした月が空にある。
    あの夜と同じように十字路の真ん中で二つの影が交叉している。
    僕は深呼吸をして「そこにいますか」と角の向こうに声をかけた。
    角の向こうからも深呼吸が聞こえる。
    「ええ。ここにいます」
    「話したいことがあったんです」
    「わたしもです」-(「黒砂糖」より)

    本書は『十字路のあるところ』(二〇〇五年十二月 朝日新聞社刊)に収録された小説六篇に加筆・修正を加えて短篇集とし、改題したものです。

  • 言葉遊びが沢山。梅雨にぴったり。きれい。

  • タイトル買い。
    独特な空気の作家さんですね。
    読むたびに違った側面が切り取られそうな、不思議な本です。スッキリした読後感を求める時にはオススメしないかなぁ…。

  • 読書部課題図書その3

  • 地下にずっと水が流れているような、そんな音がした。

    どこまでも続いてゆく、十字路。
    その先にそれぞれの物語が繋がっているような、そんな感じ。
    一人称だったり三人称だったり、文末が言い切りだったり丁寧語だったり、文章のテンポ感が違って書かれていることで、より「それぞれの物語」感が出ていたのかなと思う。

    あとがきに登場した地名が馴染みのあるものばかりで、どのお話がどこなのか想像してわくわくしてしまった。写真見てみたい。

  • 2014 4/2

  • 短いストーリーの一つ一つに、きちんとそれぞれの世界。でもすべてが吉田篤弘の世界観一色に染められて。私の大好きなゆらゆらと頼りなげな、なのに決して崩れたりしない世界。

    この世界の住人だったら幸せだろうなあ…と、思わせられます。

    まだ、この空気感を生み出す文体の魔法には迫ることができていません。もっと何度も読み返します。ひとまず再読完了。くつろぎました。

  • 2014年1月

  • この人の小説は感想とか意味とかをあまり考えずに、ゆっくり、何度も読んでしまう。手元に置いておきたくなる文章。『つむじ風食堂~』も『それからはスープの~』も、この作品も実際の思い出、体験、取材がもとになっているのに、読んでいる時はあまりそうは感じない。でも、さらっと忘れてしまわない文章なのは、取材や実体験と、取材したことを潔く捨ててしまった部分と、作り話の部分のバランスが絶妙なのかな?…すごいな。
    ぼんやり休憩したい時に。
    (初登録:2010.11.24/読み終わり:2013.9.22)

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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