「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)

  • 58人登録
  • 3.64評価
    • (4)
    • (6)
    • (1)
    • (1)
    • (2)
  • 7レビュー
著者 : 岩村暢子
  • 中央公論新社 (2010年8月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053540

「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 同著者の別本も同時に読んだからちょっと内容が混濁してるとこがあるかもしれないけど、どちらにせよ現在の家庭の食卓の変化を調査した本。研究資料としてもすごく価値が高いが普通に読むだけでもおもしろい。他人の家庭の日常的な食卓を覗く機会なんて考えてみればほとんどないから驚きの連続だった。
    今の家庭の食卓がここまでひどいのか…と驚くと同時に各時代の社会に食卓がすごく影響を受けるということがよくわかった。アンケートに書かれていた主婦たちの言い分も様々、その親世代の経験や考えていること、子供に求めている事も様々。
    当たり前で何の疑問も持たなかった家庭の食卓がいかに複雑なルートを経て現在に至っているか、改めて目を向けてみる価値はあると思う。

  • 伝統的な食文化ってなんだろうか。
    確たる根拠も無く、漠然とイメージとして抱いていた「一昔前の健康的な和食」「伝統の食文化」という概念が覆された。
    価値観やライフスタイルが根底から180°転換するような体験を何度も経験してきた親世代が育てた娘たちは、
    親から何も受け継がぬまま「習慣能力」を身に着けずに大人になり、「情報処理能力」のみに頼った生活をしている結果が、現在の食習慣を招いているのだという。
    非常に身につまされる一冊だった。

  • 498.5
    図書室だより

  • 原題は『〈現代家族〉の誕生―幻想系家族論の死』という挑戦的なものだった。簡単に言えば、最近の親は…という批判は文脈として当たらないというもの。団塊世代が今の若者を批判する資格などなく、むしろ、彼らこそが、カレーライスや電化製品を嬉々として持ち込み、いわゆる伝統習慣を破壊してきたということが、実際の聞き取りによって明らかにされている。小題の付け方も判りいい。目次をざっと眺めれば、現代家族の変遷と問題点がすぐにわかり、うすら寒い気もする。これまで読んだどの家族論よりもさっぱりしているが、明快に事実を語っている。

  • 岩村さんの本を読むのは2回目です。以前に「普通の家族が一番怖い」という現代の家族の食卓や生活習慣に焦点を当てた調査結果をまとめたものを読んだことがあります。この本はこれらの家族の変容の実態を現代の主婦の親の年代まで遡って独自に調査し、歴史的な資料を使ってその原因を明らかにした内容になっています。その内容は世間一般の思い込みで作られた現代のおばあちゃん世代のイメージとは相反するものになっています。 私の年代はこの調査対象の1960年以降生まれの主婦からやや上の年代になっているのですが、私の母親の年代はまさにこの調査の対象となった年代に当たります。読んでいて確かに母親の言動には思い当たることが多くありました。子供時代にひもじい思いをして家庭の味を知らずに育ち、戦後の高度成長の時代に家庭を築いた彼女らは、時代の流れによってこれまでの生活様式を捨てた、新しい専業主婦たちだったのです。 そしてそれだけでなく、彼女らは自分たちの世代から娘たちへの文化の継承をも伝えることもしない、教えようとしない世代だったのです。 無理に手伝わせない、いやなことはさせない、親が代わりにやってあげる 。そんな母親に育てられた娘世代の母親が作る食事とは・・ 一部写真が載っていますが、朝食がカップ麺とプチトマト。またはふりかけごはんと野菜ジュースだけ!なんて組み合わせでももう珍しくないのかもしれません。

  • 現代の食卓が崩れているといわれているが、実は今になって突然崩れたわけではない。それは以前からそう思っていた。「昔はよかった」というけれども、戦後のある一時期に子供時代を送った人たちはそもそも伝統的な食生活を送ることなく育ってきているし、また戦後どっと入っていた欧米文化を積極的に取り入れた世代だったのだ。自分の母親がまさにその年代の人間で、本書に書かれているような事例はうちでもよく見かけた光景ばかりだ。そして振り返ってみれば、私が用意している食卓は、いわゆる「崩れた」ものであるわけだ。私だって本を見ればたいていの料理は作れるけれども、それを日常生活で継続する習慣はないのだ。
    「崩れている」と表現すればマイナスの方向だけれども、必然的な変化としてとらえるしかないのではなかろうか。
    食卓だけが時代を遡ることは無理だと思う。生活のすべて、社会のすべてが変化している中では、食事も捉え方考え方を変えていく方が現実的なのではないかと思う。
    「食卓の崩壊は、今のおばあちゃんたちの世代から始まっていた」まさにそのとおりである。

  • 自分(30代半ば)の母親世代が、今私たちが「昔から」存在している思い込んでいる食文化の大半を創生してきていた、という事実は驚きであった。そしてまた、その母親世代がサラリーマン、専業主婦 など社会の変化に合わせて食文化も変化させてきたという話は、非常に興味深いものがあった。

全7件中 1 - 7件を表示

岩村暢子の作品

「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)の作品紹介

お菓子が朝食、昼食はコンビニ弁当…衝撃の献立・食卓の崩壊は歴史的必然だった!一九六〇年以降に生まれた主婦を育てた母親たちの生き方・しつけ・時代状況等を徹底調査。

「親の顔が見てみたい!」調査―家族を変えた昭和の生活史 (中公文庫)はこんな本です

ツイートする