完訳ロビンソン・クルーソー (中公文庫)

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制作 : Daniel Defoe  増田 義郎 
  • 中央公論新社 (2010年10月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053885

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完訳ロビンソン・クルーソー (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  •  
    子供の時に読んだことがあるくらいだが、
    当時もロビンソンの無人島生活を
    わくわくしながら読んだ。

    特に自分の住処を作るあたりが子供心に
    非常に面白く読んでいた覚えがある。

    今回この完訳本を読んでみたが、
    当時読んでいた少年向けのものが
    どれだけ省略されていたのかがよくわかる。

    特に大きく違うのは、
    ロビンソンの宗教観というものが、
    要所で記述されていることだろう。
    確かに少年向けにする際にはこの部分を省くよなぁとは思う。

    また、序盤が大きく付加されており、
    こんな話だったっけと戸惑う。
    一度奴隷にされた箇所とか無かったような記憶がある。

    また、解説を読み、当時の世俗と合わせて
    そういう見方があるのかと。
    もし、大人になってから読み直すならこの本はお薦め。

  • ようやく読んだ古典中の古典。アダム・スミスからマルクス、大塚久雄まで古今の経済学者が引用するだけあって経済学的な要素にあふれている。遭難前の行動は商取引・国際貿易の典型例だし、遭難後の生活は生産様式の発展そのもの。そして主人公ロビンソン・クルーソーの行動原理がまさに合理的経済人を示している。環境の分析から計画、実行、新たな事象の発生とそれに応じた計画の修正。合理性の限りを尽くして身体の保護、富の蓄積に邁進する。経済学の文脈で引用されるよもむべなるかな(良いことと悪いこととを貸方・借方で列挙するあたりは半分冗談にしか思えない)。
    それからなんと言ってもキリスト教信仰という観点からもこれはすごく興味深い。というより宗教小説としてこそこの作品の面白さはある。ロビンソン・クルーソーが合理的な生活を営む根源的な理由こそキリスト教への信仰にある。ここにおいて合理性と進行とは完全に一致し、それらが彼の生活に秩序をもたらす。フライデーという異教の撹乱要素が現れても、やはりそれは信仰=合理性=秩序の中に回収されるべき対象にすぎない。ウェーバーはクルーソーをプロテスタンティズムの特性を示す例として引き合いに出すが、それはプロテスタントに限った話ではない。信仰と合理性と合致はあらゆる信仰に生じる事態であるし、転倒するなら信仰が担保するもののみが合理的であると言える。ともすれば信仰は不合理なものとみなされがちではあるものの、信仰と合理性とが排他的か否かは決して自明ではない。信仰と合理性との関係を問い直すにも大きな示唆を与えてくれる。

  • ダニエル デフォーは英国のスパイで、取材旅行という隠れ蓑で世界各国を移動したのだとか。スパイなのにこんな本が書けるなんてすごいな~。子供の時に読んだ物とはずいぶん印象が違います。今度は大人向けのトムソーヤでも読んでみるか。

  • 聖書の御言葉が要所、要所に散りばめられてをり、「放蕩息子」であつたロビンソンが悔ひ改める姿に「然り、然り」と頷きながら読みました。

  • いつものように、なにげなく書店の文庫新刊棚を眺めていたら、ロビンソン・クルーソーという文字が目に飛び込んできました、

    わあなつかしいと思わず手に取って、ふと訳者の名前をみてとても驚きました。
    増田義郎・・その人は私にとっては特別の意味を持つ、いってみれば神のような存在でした。

    というのはちょっと大げさですが、それでも高校生の一時期、熱狂的に没頭したラテンアメリカとりわけインカ帝国やアステカ王国について、この文化人類学者・ラテンアメリカ歴史学者=増田義郎教授のお世話にならなかった日はなかったのです。

    もともと西部劇が好きで、いつも悪者扱いのインディアン=ネイティブ・アメリカン(アメリカ原住民)の処遇に疑問を持ったことから、いわゆる大航海時代(この言葉も増田教授の命名です)という名の侵略ムーブメントで、世界各地の独自に発展していた文明・文化・民族が消滅させられた事実を知って夢中になっていったのでした。

    新大陸の発見?そんな悠長な傍観者的な立場は、とても許されるはずはなかったのです。

    と同時に、その頃もう一方で没頭していたフォークソングの延長で民族音楽にも興味を持って、あるいはサイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでいく」への関心もあって辿り着いたのがフォルクローレ、といえばやっぱり第一人者のギタリストで歌手のアタウアルパ・ユパンキです。

    このインカ帝国の皇帝の名前を二人分つなぎ合せた名前もまた刺激的ですが、彼の弾き語りの「トゥクマンの月」や「嘆きのミロンガ」などを聞きながら、増田義郎の『インカ帝国探検記・・その文化と滅亡の歴史』(中公文庫)や『古代アステカ王国・・征服された黄金の国』(中公新書)や『新世界のユートピア』(中公文庫)や『略奪の海カリブ・・もうひとつのラテン・アメリカ史』(岩波新書)などを読みすすめると、心に沁みて深い味わいを感じました。

    近代戦以降の大量無差別虐殺の惨たらしさもひどいものですが、この16世紀の文明・文化・民族まるごとすべて消滅させてしまう≪征服≫という行為は、それ以上に破廉恥な犯罪的なことだと思い知りました。

    あっ、思わず翻訳者のことで脱線しすぎましたが、本書がこれまた問題の書なのです。

    今まで私たちが読んできた、たった一人で無人島に27年間も孤独に暮した男の不屈の物語うんぬんというお話が、実は少年少女向けに翻案されたかなり原作とは異なったものだということを、この本で暴露されているのです。

    ・・・ここまで書いてきて、ほとんどまる一日のあいだ本の整理・移動をしたせいで、かなりヘトヘトで疲れがドッと来てしまってダウン寸前なのを自覚し出しました。
    続きはまた今度。

  • 子供向けのダイジェスト版ではなく、大人のための完訳版。
    この本をよむと、ダイジェスト版がいかに「お子様向き」に単純化されているかが、よくわかります。
    「増田先生がなぜこの本の翻訳を?」とも思いましたが、丁寧な解説を読んで納得。翻訳文も読みやすいものでした。

  •  いちおう英文学をやっている人間なのにちゃんと読んだことがなかったので、恥じ入りつつ購入し読了。
     ロビンソンがあまりにたくましく、堅実に、着実に無人島の自給自足を成立させていくので驚きました。友人に「いま『ロビンソン・クルーソー』を読んでいる」と言ったところ、「何その海洋少年冒険小説な感じ」と言われましたが、あんまりそういう感じではなかったですね。ロビンソン、むしろ農業とか牧畜とかしていますからね。
     読みやすくっておもしろい訳でした。解説で、この作品がどう読まれてきたかの批評史について簡単にまとめてくれてあるのも便利。「経済人はロビンソンを愛す」というのは、読んでみれば至極納得です。総じて楽しく読みました。

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