味な旅舌の旅 改版 (中公文庫 う 1-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053915

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  • いまや生きる伝説と化した小説家・宇能鴻一郎が昭和40年代前半に全国各地を巡った食の記録。いろいろゴタクは並ぶけれど、それは言葉を生業とする人なのだからしょうがない? いや、読む前はもっと読みにくい表現のオンパレードかと思っていたので、むしろ読みやすかった。
    北海道から奄美まで南下するいくつかの旅をもとに綴られるおいしそうな食べものたち、料理たち。また、半世紀前の日本の紀行文としても楽しめる。時は、高度経済成長も落ち着きかけ、国民全体に豊かな生活が行きわたりかけた頃だろうか。一方で、新しいもの、異国のものをよしとする空気も全国に行きわたり、地方の観光地の迷走感も。ディスカバー・ジャパン前夜の日本の様子が伝わってくる。

著者プロフィール

宇能鴻一郎(うの こういちろう)
1934年、北海道札幌市生まれ。本名鵜野広澄。家族4人で、東京、山口、福岡、満洲国(現中国東北部)撫順、長野県坂城と移り住み、満洲国奉天にて終戦を迎える。福岡県立修猷館高校から東京大学教養学部文科二類に入学。修士課程在学中の1961年、仲間たちと創刊した同人誌『螺旋』掲載の「光りの飢え」が『文學界』に転載され、これが芥川賞候補となる。次作の「鯨神」が翌年1月に芥川賞を受賞。以後おもに性を主題として新しい文学を切り開くが、文壇では正当に評価されず、1971年から徐々に女性告白体の官能小説に軸足を移した。歴史小説、ハードボイルド、推理小説でも独自の世界を築いている。
 主な著書に『密戯・不倫』『楽欲(ぎょうよく)』『痺楽』『肉の壁』『黄金姦鬼』『お菓子の家の魔女』『切腹願望』『金髪』『斬殺集団』などがある。

「2022年 『甘美な牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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