長き雨の烙印 (中公文庫 と 25-21)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053922

感想・レビュー・書評

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  • パパの本
    あまりにも理不尽が多すぎる話
    ラストが衝撃で鳥肌たったし、夢に出てきそう、怖い

  • 庄司の不遜な態度は?

  • 北関東地方の架空の町、汐灘を舞台にした3作品の1作品目。
    20年前に少女暴行殺害事件が起きた。幼い少女を暴行したうえに砂浜に埋めるという残虐な事件。容疑者として浮上した庄司は、警察の執拗な取り調べにより犯行を自供し、裁判でも争うことなく犯人として服役していた。
    8年前に刑期を終えひっそりと暮らしていたが、周囲から性犯罪者に向けられる目は厳しいものだった。
    庄司には、兄がおり、本の虫で、家じゅう本だらけだった。庄司は兄の援助で大学にも進学し、大学院へ進むことも決まっていた矢先に、逮捕されてしまっていた。
    12年の刑期を終え、ひっそりと暮らしていた。庄司の無罪を信じて応援する支援の会が集会を開く直前に、再び同様の事件が発生した。少女は死には至らなかったが、意識が戻らない。その容疑者として再び庄司は逮捕されてしまった。容疑は隣家への不法侵入。しかし容疑不十分で釈放されたが、支援する会の活動はしぼんでいかざるを得ない。
    支援をする買いの中心人物で弁護士の有田は庄司の再審無罪を勝ち取り、成功をおさめようと躍起になっていた。
    汐灘警察署刑事の伊達は、庄司と幼いころからの友人で、20年前に庄司が逮捕されるのを目の当たりにしていた。その後刑事となり、今回の捜査を担当するが、庄司犯人説を強硬に主張する脇坂は、20年前庄司を取り調べ、自供させた本人で、今回の庄司逮捕も脇坂の捜査によるものだった。
    一方、20年前に事件で幼い娘を殺された父親、桑原は事件後妻と離婚し今では、マルベリー・モータズという高級外車を販売する会社の社長として地元でも有名な実業家として知られていたが、心臓に病気があり、薬に頼りながら庄司を殺害することに執念を燃やしていた。
    庄司がかくまわれているアパートも突き止め、監視しながらチャンスを狙っていた。そんな桑原に脇坂が近づく。
    伊達は、脇坂の捜査に疑問を感じ、20年前の事件も冤罪ではないかと疑問を持つ。そんな中、有田のもとに庄司のアリバイを証明する写真の存在を知らされる。勢いがつく有田に脇坂が近づき、庄司を保護しようとした矢先、庄司が行方をくらます。脇坂は、庄司の家で、庄司が20年前の事件の犯人でない証拠を見つける。
    20年前の事件の真犯人は誰なのか?
    今回の事件の犯人は誰か?
    庄司の無罪は証明されるのか?
    脇坂は庄司を犯人にできるのか?
    桑原は庄司を殺害するのか?
    伊達は庄司を救うことができるのか?
    結末は衝撃的だった。

  • 冤罪って怖い。
    何よりも自分(達)のミスを隠そうとする組織が怖い。
    でもこれ以外の結末はないと思うほどしっくりくる終わり方だった。
    ---
    汐灘の海岸で起きた幼女殺害未遂事件。容疑者として浮上したのは、二十年前に同様の犯行を自供し、服役した過去を持つ庄司だった。その庄司が、再審請求に向け動き出した矢先の事件。余談に満ちた操作で犯行のシナリオを描こうとするベテラン刑事に対し、庄司のかつての親友で刑事となった伊達は、独自の調べを始める。

  • 面白かったけど、後味悪いなあ…。切ないですね。
    庄司には助かって伊達と友情を取り戻して欲しいと思わざるをえない。というかそういう展開になると思ってたのに。
    桑原も間違った復讐を遂げて死んでしまうし、脇坂もそこまでして…という感じだし、救われない人ばかりだな。

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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