贋食物誌 (中公文庫 よ 17-12)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054059

感想・レビュー・書評

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  • エッセイには時代という制約があるんでしょうかな、正直あんまり面白くなかったですが。ただ戦争の傷跡は30年程度経ってもしっかり残っているんだなと、これを感じただけでも読んだ価値はあったかと。

  • 吉行淳之介氏による全100編のタイトルが食べ物による軽妙なエッセイ。すべてがタイトルどおりの内容ではなく、かなりの脱線をしているのだが、それも著者の個性によるもの。山藤章二氏の挿絵も面白い。当時の友人関係も緩く広いもので、おおらかな時代を感じる。1973-1974年にかけての連載なので、当時の食文化をうかがい知ることもでき、ゆっくりとした週末には適切な読書だった。

  • ちょっと図強み進めるのが面白い本。
    ささやかな日々を猥雑に綴った、肩の力の抜けた文章が、今とは確かに違っている「近くて遠い昔の風景」を描いている。
    添えられたイラストのしょーもなくすばらしいところもいいね。

  • 書名に「贋」とあるように、各タイトルに「食物」の名前が掲げられているが、内容はグルメエッセイの類ではない。ま、そのまま食べ物の話になることもあるが、「食物」の名前をサカナにした自由闊達なエッセイである。夕刊フジのVS山藤章二のシリーズは筒井康隆の『地獄の沙汰も金次第』を嚆矢として大好きであれこれ読んできたが、エッセイとイラストの丁々発止が楽しい。吉行のこのシリーズはその部分がいささか弱いかな。山藤章二が一方的におちょくってる感じで、吉行の返しが物足りない。

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著者プロフィール

大正十三年(一九二四)、岡山市に生まれ、二歳のとき東京に移る。麻布中学から旧制静岡高校に入学。昭和十九年(一九四四)九月、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため四日で帰郷。二十年東大英文科に入学。大学時代より「新思潮」「世代」等の同人となり小説を書く。大学を中退してしばらく「モダン日本」の記者となる。 二十九年に「驟雨」で第三十一回芥川賞を受賞。四十五年には『暗室』で第六回谷崎潤一郎賞を受賞する。主な作品に『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』『夕暮まで』など。平成六年(一九九四)死去。

「2022年 『ネコ・ロマンチスム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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