夢は枯れ野をかけめぐる (中公文庫)

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著者 : 西澤保彦
  • 中央公論新社 (2010年12月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054097

夢は枯れ野をかけめぐる (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  •  これがあの西澤保彦なのか。全然イメージが違ってとまどってしまう。主人公はデパートのエリート社員を早期退職した羽村祐太。48歳独身。その身の回りに持ち込まれる人間模様、特に老いやボケがからんだ家族問題を彼がのんびり解きほぐす、というからミステリではないなこれは。日常世話物か。48歳にしては妙に老成した物腰や口ぶりがどこかで聞いたことのあるような。こういう言い回し、どこの誰だったか、というよりよくありがちなのかも。ご近所の家族が入り組んでからむ連作6編。そのまま終わってもまあそれなりだが、最終編にちょっとした仕掛けがほどこされていてニヤリとさせられる。まあこういうのもよくある手法ではあるが。

  • ちょっと終りのまとめ方がいまいちかなと思いましたが、老後の問題などがテーマのためか静かな作品で、いつもの西澤作品テイストとはまた違った感じで良かったです。

  • 良かったです。世界観が。
    西澤保彦初めて読みましたが、全く気負わずに文章を書く人ですね。変に洒落た言い回しとかほとんどなく、こちらも気が散ることもなく構えずに読めます。

    同一の主人公の周囲で起こる短編集。
    ライトミステリに分類されるのでしょうか、日常的な小さなミステリが仕込まれてますが、大きなテーマは「老い」とか「死」とかです。
    主人公は早期退社して再就職先を探す48歳独身。生い立ちも不幸の部類に入るし、現在天涯孤独で、お先真っ暗なはずだけど、小説には不思議と絶望感がありません。
    むしろ近所の人との何気ない会話とか、人との出会いなどもあって、心が温まります。
    登場人物たちはそれぞれそれなりに不幸です。周囲に痴呆の老人も居るし、老人は死ぬし、彼らも歳を取ります。各短編も決してハッピーエンドではありません。
    なのに、何故、こうも読後感が良いのか。

    地味な小説ですし、傑作ではないかもしれないけど、ほっこりします。
    人の繋がりっていいなと思えます。

  • ミステリの印象が強かっただけに、こうした叙情的なオムニバスはまた違った側面が楽しめていい。それでも切れ味はミステリさながらだし、それでいて恋愛要素も強い。満足感のある一冊。

  • 趣味が貯金って凄い。独身で早期退職した羽村と彼に相談を持ちかける面々。老人問題のあれこれ。テーマは重いが短篇でどれも読みやすい。隣人の弓削翁の最期があっけなくてびっくり。切なかったのが「その日、最後に見た顔は」で陶子の母の話。この本は謎があって相談を羽村に持ちかけるという展開だけど、必ずしも羽村が解決するわけじゃないってところも面白い。
    私も独身で両親と暮らしてるのだが先のことを考えると怖い。親のこともだし、確実におひとりさま老後な自分のことも。貯金、しておかないとな(笑)。

  • 身につまされるお話。失うものがある人生が怖い。しかし、失う事を覚悟しなければ何物も得られない。
    どちらが良いのだろう。僕は前者になりそうだ。

  • 連作短編ミステリー。
    日常の謎に分類されると思うが、テーマは「老い」。やや重め。

    『迷いゴミ』謎の依頼の意味は?
    『戻る黄昏』駐車場を借りる理由は?結末はびっくり。
    『その日、最後に見た顔は』過去の事故に関する推測。女性ならではの心理ですね。
    『幸福の外側』妻の外出の理由は?
    『卒業』ミステリー要素は少な目。恋愛観。
    『夢は枯れ野をかけめぐる』前五話、特に直前の話が大きな伏線に。

  • 老いや介護がテーマの話。ミステリー感はない。各章は羽村さんに関係してくる人達の話。同級生の娘が羽村を好きになって、もしや結婚?とか思ったが、最後は意外な展開でハッピーエンド!?テーマは重いが、割と好きな本人かな。

  • スーパーの惣菜を食べれなくなった

  • 20年後にもう一度読みたいです。

  • 最後の話は思いっきり引っ掛かったが、全体的には淡々としていて、いつもの感じが薄い。

  • 2012/6/10
    尻すぼみ感。
    最初は身近な謎を推理するタイプのミステリかと思って期待したんだけど
    最後は高齢者がテーマな感じになってて期待外れ。
    孤独死や痴呆なんて自分の暗い未来を見るようで
    わざわざフィクションの中でまで考えたくないのに。
    そんなん分かってたってもうどうしょうもないもの。

  • 所謂、負の西澤ワールド。主人公の考え方に共感できる部分があったので、若干鬱展開。ちょっとしたネタは仕込んであるが、ミステリ色は控えめ。

  • 単行本を図書館で借りて読んだとき、「文庫になったら買おう」と決めてこの度購入して再読したが、ハテどうして買うと決めたのか思い出せなかった。内容は深刻なのだけどご近所さんのやりとりが懐かしくほのぼのする場面もあって、好き。

  • 老いを巡るテーマ、という設定はいいのだが、どうもとってつけたような展開で面白くない。やっつけ仕事なのではないか。

  • 勤務先を早期退職して、ひとり静かに暮らす中年男を中心に据えた連作短編集。
    日常の謎系で老後や介護などをテーマとした話が多く、地味だが色々と考えさせられる。ゴミの分別の話など凄まじいが、いずれは自分の身にも起こるかもしれないのが怖い。
    主人公の飄々とした性格のおかげで重いテーマでも読みやすかった。

  • 面白かった!
    最終話だけ唐突すぎて、状況がわからないけど
    最後に解き明かされる。
    (好きな終わり方ではないけれど)

  • なんとなくタイトルに惹かれて購入。
    別に芭蕉が出てくる話ではないです。

    痴呆とか介護とか「老い」を題材にしたミステリー。
    軽い感じかと思って読み進めていったけれど、現実的なテーマだけに読後感は重かった。

  • 生への執着と、人とのつながりを求める気持ち。反対に、人とつながることを怖がる気持ち。そのすべてが苦しいほどに伝わってきた。

  •  短編集であるが、高齢化社会の悲哀が決して声高になることなく語られていく。題名になっている最後の短編で作者らしいトリックが仕掛けられているのだが、驚きよりも切なさが先に立つ、悲しい短編である。ひょっとしてハッピーエンドと思わせておきながら、実はという落とし方が読者の印象に強く残る。このブログの記事で取り上げた作品で言うならば、「赤い指」と「葉桜のころに・・・」を足した感じだろうか。
     決して他人事ではないと思わせる日常感は決して後味のいい読後感ではない。

  • あいかわらずの西澤ワールド。慣れている人は読みやすいね。

  • お得意?の一話完結の短編の連作の形。
    なかなか地味なテーマを上手く利用している作品だと思います。
    高齢化の問題も、家族の問題もとっても上手に利用されていると思いました。

  • 老人問題がだんだん他人事ではなくなってきています。目を背けようとしても親が衰えてきていることは否定できません。今すぐ介護が必要というわけではありませんが、数年のうちには「見ないふり」はできなくなるでしょうね。そんな状況なので、全編老人問題が通奏低音になっているこの本は、正直ちょっと辛かったです。
    でも48歳独身、リストラされて無職の男性といわれると頭に浮かぶさえない感じが、読後はすっかり払拭されて、むしろサッパリとした爽やかな人に思えてきたのは不思議でした。

  • 2010年最後の読了作品。
    テーマがテーマだけにちょっと重いですねぇ……

  • 2010/12/30 Amazonより届く

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