八日目の蝉 (中公文庫)

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著者 : 角田光代
  • 中央公論新社 (2011年1月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054257

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八日目の蝉 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 複雑な生い立ちでも、受け取った深い愛があった。受け継ぐ愛があった。
    犯罪を容認すべきではないだろうが、人格や注いだ愛情まで否定はすまい。

  • 小豆島旅行に先立って読む。

  • 薫が希和子を憎むのは無理もないか・・・と思っていたが、
    そうではなかったんだということに最後気付いてよかった。

  • 一気に読んだ。

  • 不倫相手の子供を誘拐した女と、連れ戻された子供と、実の両親と妹と、連れ戻された子供と一時期同じ宗教施設にいた女の話。
    人間って完璧になんてなれないし、自分を完璧にコントロールできないし、矛盾した気持をかかえるものだけど、過去を受けとめてまえを向いて進んでいけばきっと道は開けるし、開放感を味わうこともできるし、幸福にもなれるんじゃないかと思う。

    旦那さんは妻の性格から逃げて穏やかな若い女の子に走ったんだろうし、妻は不誠実な夫と向き合うことから逃げて不倫したんだろうし。
    それでも夫婦は誘拐された自分たちの子供を愛しているし、子供は実親を愛そうとしているし、誘拐犯の女も子供を愛しているし、子供も誘拐犯の女を愛してたんだよな、と思うと、とても悲しい。

  • 登場人物がほとんどみんな愛おしい。

  • 不倫相手の子どもにここまで母性を抱けるものなのだろうか。私だったら憎しみの対象になってしまうのではないか。
    まずはそんなことを思ったが、薫との生活がいつまでも続くよう希和子を応援している自分がいたり、一方で2章に入り恵理菜目線で話が進むと希和子に対して怒りを感じたり…。恵理菜の母親も苦しかっただろうと同情したり…。
    誰の目線で読んでも辛いものがあった。

  • 不倫相手の家庭に産まれた赤ん坊を拐って育てる希和子。
    薫と名付け愛情いっぱいに育てる姿が本当の母子以上に感じられて、犯罪者でありながらもつい応援したくなる。
    小豆島の自然の中での幸せな親子の日々。
    母になる、子供を育てる、子供を産む、それぞれの意味を改めて考える。
    不倫は誰もを不幸にする。

  • 434

    2017年では68冊目

  • 日本小説の金字塔です。

  • 妻、恵津子の苦しみは置いてけぼりで、身勝手な誘拐犯とさらわれた子供との絆が中心に描かれていると感じた。
    夫婦に問題があったにせよ、妻の精神が壊れてしまったのは何故か、それがむしろ悪く表現されているのはやりきれない。
    親子は血だけではない。それは十分にわかるのだが、特殊な状況の中で母性愛が詰まった、親子を越えた繋がりがあったと思うにはモヤモヤが残る作品。
    結局、希和子に賛同できない、ということですね…(苦笑)

  • これ、角田さんの本で初めて読んだ
    本だった気がする。
    ドラマや映画にもなりましたね。

    病院で新生児を盗み逃走する女。
    犯罪であり許されない事だけれど、
    主人公の気持ちも分かり辛くなる。

  •  誘拐された女に愛され育った子ども。元の家族へ戻ってぎくしゃくする様子。“家族”ってなんだろうと考える作品です。
    (一般担当/みんみん)平成29年5月の特集「みんなの家族」

  • 心が痛くなります。何が正しいのかわからない。
    元の話になった実際の事件は子供にまで手をかけたから許されないけど、
    子供がいる不倫は結局被害者は子供。

  • 5.0 映画を観たあとで原作を読みました。どちらも泣けました。

  • 子どもが小さい頃、不安で不安で仕方がなかった。
    事故にあったらどうしよう、事件に巻き込まれたらどうしよう……。わが子が不可抗力で死に至ってしまった時のことを考えると、身もすくむ思いがした。
    そんな時思ったのは、わが子がどうしても死ななければならない運命にあるのなら、せめて「お腹いっぱい」のときに死なせてあげたい、ということだった。空腹のまま死なせてしまったら、自分は死ぬまで激しい後悔に苛まれるだろう。せめても、お腹いっぱいだったなら、そのかすかな光を頼りに生きていくことができるのではないか、と。
    だから、希和子が薫と引き離されるときに叫んだ

    「その子は、朝ごはんを、まだ、食べていないの」

    という言葉は胸に刺さった。
    母性の表現として、これ以上の言葉があるだろうか。

    島で希和子と薫が撮った写真について、小説では言及されていなかったのが少々不満ではあるけれど、それも「めいっぱい観光する」という言葉の中に含まれているのだろう。(映画ではそのシーンがあったようだが)
    小説としては、それを想像させて終了、でいいのかも。
    そんなこんなも含めて、素晴らしい作品。

  • 犯罪者の方がいい人に見えるの、ずるいなあ

  • 一生子どもが生めなくなった希和子は、衝動的に不倫相手の子どもを誘拐してしまう。
    犯罪者となった希和子は「薫」と名付けた赤ん坊と共に逃亡生活を送ることになる。
    母と子の愛情に「血」は必要ないのかもしれない。
    そんなふうに感じてしまうほど、希和子の薫への愛は深い。
    希和子にとって、自分を母親にしてくれた薫は大切な存在だっただろう。
    薫もまた、母である希和子を少しも疑わずに、愛情に包まれて成長する。
    だが、実の両親は別にいると知ったときの薫の苦しみを希和子は想像しただろうか。
    母と信じていた人が、実は自分を誘拐した犯罪者だと知ったときの悲しみを考えたことがあっただろうか。
    永久に捕まらないことなどあり得ない。
    いつかは引き離される日が来ることはわかっていたはずだ。
    それでも、どうしても手放すことなど出来なかった希和子もまた哀れだ。
    薫のその後が描かれていたことにホッとした。
    希和子は薫から世間的に見ればすべてを奪ったかもしれないけれど、同時に希和子のすべてを与えられ育てられたのだと思う。
    誘拐されていたのだと知った後も、薫の中にはずっと注がれ続けていた愛の記憶が残る。
    素直に受け入れることが出来なかったとしても、受けた愛情は感触で覚えているはずだ。
    「親」とはなんだろう?
    「親」になるとはどういうことだろう?
    切なくて哀しくて、でも明日を生きていく力をもらえる…そんな物語だった。

  • 2回目の読破。女の子を攫ってしまう時や、何度も見つかりそうになる時のスリル感は圧巻。逃避行のなかで女の子が成長していく眩しさや情景描写の丁寧さにかりそめの「幸せ」を見せられ、なんとも切ない気持ちになった。最後はあっさりと語り手が攫われた側に変わり、誘拐犯としての主人公をどこか憎めず、自分も不倫という同じ道を歩もうとしている。似た者親子になってしまうのだろうか。

  • 子供を育てるということ。私は子供を産んだことがまだないから自分の子供でない子を育てられる自信はないけど、薫が母親になるとき、育てた経験はなくても育てられた経験は腐るほど持ってるだから見本がたくさんあって自分なりの育て方をできる、母親になれると思った。薫と希和子はどこまでつきつめても本当に母子だったのだろうと思う。社会的、薫の父母の因縁もあってそれを認めることはできないけど、認めることができたとき、それが小豆島に行ったとき。どんなに嫌でも母親は母親。父親は父親。だから愛さなきゃいけないとかじゃない、自分の母親、父親はこの人なんだということを認めること。それが前進へのきっかけなんだろう。蝉の抜け殻は確かにがらんどうだけど、ではそのがらんどうを飛び立った蝉みたいに、希和子の魂も立派に成長して蝉のように泣き喚いて7日の短い命を必死にやり遂げたんだろう。全ての家族は、良い悪いとかじゃない、それが家族。こういう家族。でも、繋がりは絶対にずっと消えない。そう再認識させられる小説でした。自分の母親と父親を、特に母親を重ね合わせて読むことができた。

  • 角田光代をテレビで観て、こんな人がこんな小説を書くのかと衝撃を受けた。考え方をもっと知りたくてエッセイも買った

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八日目の蝉 (中公文庫)の作品紹介

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。

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