波紋 (中公文庫 と 25-22 警視庁失踪課・高城賢吾)

著者 :
  • 中央公論新社
3.44
  • (13)
  • (83)
  • (105)
  • (13)
  • (1)
本棚登録 : 849
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054356

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 移動した元部下の法月からある資料を託された主人公。5年前の失踪者を捜査することになりますが、前回の事件ですっかり淀んでしまった失踪課が少しずつ息を吹き返していきます。創業者の血縁の研究者と企業との軋轢。天才であるが故の苦悩。失踪の背景が見えてきたとき事件の真相にたどり着きます。事件後法月が高城に自分の中にあるものと対峙するよう諭す場面が辛かったです。

  • シリーズものを刊行の都度読むのもいいが、このシリーズの様にすでに完結してしまったシリーズは、待つことなく続けて読めるのが有難い。
    著者のシリーズものは特に、各巻を通して語られるテーマ(このシリーズでは、高城の娘の失踪)があり、続けて読むのに適している。
    どういう結末を迎えるのか、最終巻まで興味がそそられる。
    今回の第六弾は、阿比留室長が前回の事件以降立ち直れず、しかもベテランの法月は異動。失踪課は崩壊寸前!
    今後どうなるのか、ますます目が離せなく練ってしまう。

  • 前作の室長絡みの事件後、雰囲気が暗くなった失踪課。それは法月の異動で一気に衝撃が走った。ベテラン先輩刑事として高城達を支えてくれる存在だったのに。
    今回の事件は、その法月が託した案件。5年前に失踪した人を探す……。長い月日が経った失踪人を探し出すのはゼロに近い可能性ではないか、と思いながら読み進めていったら最後、法月の意図が分かった。自作は遂に、高城が自分の娘の失踪と向き合うのか。楽しみだ。

  • 次を読もう!

  • 後半、事件の解決に向けて一気に加速してる感はあるが、主人公の心境の変化と最後の流れから、そもそもこの事件は次作への布石となる作品という位置付けだったのだと。

  • #読了。警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ第6弾。5年前に交通事故の現場から失踪した天才ロボット開発者を探す。時を同じくして、彼が勤めていた会社が脅迫され、犯人からのメッセージには直筆の署名が。。。途中まではそれなりだったのだが、犯人にはがっかり。もはや伏線とさえよべないような。次作へのつなぎのための作品??

  • 【警視庁失踪課シリーズ第6作目】
    5作目で真弓は出世の道が閉ざされ、やる気を失う。そのため、法月を失踪課から手放し、異動させてしまう。
    その法月から、以前から着手しようとしていた5年経過してしまった失踪事件を置き土産として高城に渡す。
    高城の娘は7年前に失踪しており、まだ見つかっていない。その高城に5年前の失踪者を探させることで、娘の件も探すことができるようになる、と信じて法月は高城にその事件を預ける。
    5年前に失踪したのは野崎健生。大日本技術総研の創業者の血縁でロボット工学者だが、いい待遇は受けていなかった。
    その失踪者の名前で、会社に爆発事件が起きる。高城は事件は許せないが、生きているという望みをかけて失踪者を探す。

    今回もいつも捜査しない舞の親族が、大日本技術総研の創業者の血縁と仲がよく、高城が話を聞けるようになったりとキーマンになっているのが面白い。
    結局、失踪者は5年前に自殺していて、それを知っている同僚が、今回野崎を警察が探し始めたのをきっかけに事件を起こした。
    自殺していた、という事実がとても悲しかった。
    そろそろ高城は娘を探しだすのか。気になる。

  • 前回の室長が行方不明になった事件から、なんかバラバラになりつつある失踪課。

    移動で失踪課を去った法月から、5年前の失踪事件を解決してみたらと資料をもらい、失踪課を再びまとめるために、5年前の事件を調べはじめます。

    変わってしまった室長さんが、なんか哀れというか……。

    法月さんの代わりに来る人も、なんか使い物にならなそうだし……。

    不安ばかりの中、最後は、やっとある失踪事件の捜査に乗り出すのかぁという希望も。

  • 3.5 安定の失踪課シリーズ。次回からいよいよ新たな展開?

  • 警視庁失踪課・高城賢吾 シリーズ第6弾。

    書き下ろしです。

    前作の室長の失態により、バラバラになってしまった失踪課。

    加えてオヤジさんこと法月が同じ渋谷署の警務課に異動となり、ますます腐る高城。

    そんな高城に法月から5年前の失踪事件を託される。

    失踪者は歩行アシストロボットの開発者。

    捜査開始間もなく開発者の所属する会社で爆発事件や、脅迫事件が発生する。

    開発者の失踪した動機の解明が第一に進められていく。


    6シリーズ目にしてなんだかまとまりのある話に感じました。

    動機なんて、所詮は犯人しか知り得ない複雑な事情かも。

    法月の後釜で入る交通課の「サボリの田口」、高城の娘の行方など、次作につながること間違いなし。

全59件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堂場瞬一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×