「裏窓」殺人事件 (中公文庫 い 74-11 警視庁捜査一課・貴島柊志)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054370

感想・レビュー・書評

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  • なんだか怖い話

  • 刑事・貴島柊志シリーズ 第2弾。

    ヒッチコックの「裏窓」をモチーフにした怪奇と本格推理の融合作品。

    ドアチェーンのかかったマンションの部屋から、化粧品会社のデザイナー・北川翠が転落死した事故は、向かいのマンションから北川の部屋を覗いていた足の不自由な少女・坪田純子の「男の影を見た」との証言により、密室殺人へと変貌する。

    また北川の部屋に掛けられた窓の絵画の持ち主は非業の死を遂げていた。

    同時刻に女子大生の殺人事件が起き、同一犯の可能性が浮上する。

    純子にせまる犯人の影。

    一見、無関係と思われた2つの殺人事件がかみ合うとき密室の謎が解けていく。

    犯人の驚くべき動機と真相は!?


    最初は2時間ドラマチックだなぁと侮っていましたが、見事に伏線が繋がり、最後に小サプライズあり、オカルトチックありで、まさにエンターテイメントなミステリーでした。

  • 事件とトリックは良かった。怪奇と無理につなげなくても、、とは思った。

  • 可愛がっているセキセイインコの異変から始まる物語。
    異常に怯えるインコに不審を抱く飼い主。
    けれど、部屋の中には自分しかいない。
    何にインコは怯えているのか。
    途中で明らかになるエピソードが伏線だろうとは気付いた。
    けれど、真犯人はかなり最後になるまで予想が出来なかった。
    復讐とか憎しみで殺人を犯すのは納得しやすいけれど、壊れてしまった心が起こす犯罪は理解しがたい。
    不思議な絵画も絡めて、どうにも怖さが先にたってしまう物語だった。

    シリーズ第1弾はもっとオカルト色の強い物語らしい。
    読んでみたいような気もするけれど、どうやら昼間に読むのはやめたほうがよさそうだ。

  • このシリーズ大好き❤

  • 貴島柊志シリーズ二作目。
    物語が進むにつれて徐々に緊張感を高めていく雰囲気作りがとても巧いですね。
    前作と同様にミステリとホラーの融合が試みられているのですが、ホラーの要素はあまり感じられず、個人的にはちょっと残念。
    でも、狂気に満ちた犯人の造形は迫力十分。背筋がぞくりとする様な恐怖感を覚えます。
    伏線回収や捻りを効かせた真相も見事で、最後まで楽しめる作品でした。

  • オカルトパートが怖いのは勿論のこと、一番恐怖を感じたのは犯人の動機が明らかにされたところ 犯人の事情を慮ると切ない気持ちになるのだが、犯人の口から語られるまさかの理由に鳥肌が立つ やっぱりこのシリーズ面白いなぁ 

  • 【怪奇と本格派を合わせて見た】みたいな…今邑彩のオハコですね。
    怖いけど計算された怖さ。まとまった美しい様式的な怖さ。
    さー!パキパキ物語をうめてっちゃうよ!というような、職人靈を感じてしまう。
    つまり、安心の信頼ホラー。
    中身に触れると、外国で手に入れた不気味な絵があり、それが飾られたマンションの部屋の住人が転落死する。それは連続女学生殺人事件の先触れだったというもの。
    主人公は貴島刑事(今回彼が母親似であること、父は本当は彼女こそ連れ出したかったのだという回想あり。でも自分に似ているからかーちゃんを美人ってどういう)で彼の視点からと、[目撃者]である純子の側から事件は展開して行く。
    この純子という少女は両親と下半身の自由を事故によって奪われ、兄と家政婦の介護によって生活している。自由を奪われた彼女の楽しみは向かいのマンションの部屋を双眼鏡で覗くこと。
    つまり「裏窓」である。

    もうどうなるか想像がつく。
    それでも、彼女が狙われるシーンではきたー!と興奮する。
    セオリーそのままに狂気の人間登場はきっちりホラーにやってます。

  • プロットはよく練られていますし、密室と女子大生連続殺人が有機的に繋がるところは良く出来ていました。
    ただ、真相が判り易かったので、伏線があからさま過ぎたかなと思いました。
    怪奇の存在でもある『絵』がほとんど事件に絡まなかったのも不満でした。

  • 3+ 

    本格+怪奇。
    前作に比べ若干キャラが立ってきた貴島柊志シリーズ2作目。

    あとがきで“エピローグは別に読まなくてもいいです、そういうのが楽しめる人のために残しました”とあるが、結局読まなきゃ楽しめるかどうかもわからないので困る。忘れてくださいと言われてもそう簡単に忘れられないし。しかもどう考えてもエピローグありきの本編の構成・バランスだし(エピローグがないとあれやこれやが投げっぱなしに)。

    確か『ルームメイト』(映画化おめでとうございます)でもモノローグ○は読まなくてもいいみたいなことをあとがきで書いていたが、これはつまり、初出時にそういう風に(怪奇エンドっぽくというか、カーっぽくというか、『火刑法廷』っぽくというか)狙ったことが、文庫化される際に今更ちょっと気恥ずかしく思えたとか、または上手く書けなかったからとか、だから言い訳しておきますよみたいなことなんだろうか。そう考えるとシリーズ前作『鏡に消えた殺人者』は上手く書けたからそういったコメントがないというのも頷けるのだが。

    それはさておき、今年著者が亡くなったというニュースを見たときは少なからずショックだった。非常に残念だ。

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