樹上のゆりかご (中公文庫 お 65-10)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054523

感想・レビュー・書評

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  • あの上田ひろみだとは思わず読みはじめ、夢の話でようやく気付いた。嬉しかった。
    読んでいると空気が薄くなったように感じる。
    それほどに濃厚な学生生活の話で、学生の頃の苦い気持ちを思い出し、学校って不思議なところだなと改めて思った。
    有理のやり方は卑怯だし下手だとは思うけど、気持ちはわからなくもない。
    みんなが一致団結して取り組んでいる中で、一人乗り切れないのは辛い。
    男性のためのイベントなんか嫌だ、と主張したって悪くないはずなのに、それが許されない空気。
    みんなと別の考えを持つことが悪く思えるというか。
    鳴海くんはいつも集団の中心にあって、みんなが持つべき正しい感情を正しく扱っている象徴のような人。
    有理とは正反対に思える。
    だからこそ有理は、鳴海くんに執着し、ぶち壊したくなったんだろうな。
    空気が排除しようとしている自分という存在を認めさせたい、本心を暴いて鳴海くんにも潜むみんなと同じじゃない感情を自分に向けさせたいというような暴力的な気持ちになったんじゃないだろうか。
    にしても、あの戦い方を女のやり方だと思いたくはない。
    続きがあったらいいのにな。

    • komoroさん
      なんか人のいいところと嫌なところを読む本なんでしょうか。
      しかも続きがあったらいいのになぁ。と言うのは終わり方がすっきりしなかったのでしょ...
      なんか人のいいところと嫌なところを読む本なんでしょうか。
      しかも続きがあったらいいのになぁ。と言うのは終わり方がすっきりしなかったのでしょうか。
      荻原規子でもファンタジーでないのですかね。
      2016/03/25
    • 9nanokaさん
      こんばんは(^_^)
      文化祭や体育祭などのイベントに全校生徒が命かけてる学校で生徒会に入った女の子が、イベント妨害の犯人に立ち向かう話?な...
      こんばんは(^_^)
      文化祭や体育祭などのイベントに全校生徒が命かけてる学校で生徒会に入った女の子が、イベント妨害の犯人に立ち向かう話?なんです。
      犯人は悪いは悪いんですけど、生徒会もちょっと怖くて、珍しく、どうしていいやらって感じの終わりでした(・_・;
      2016/03/25
  • ”これは王国のかぎ”でジンになった少女のその後の話し。アラジンな体験はほんの一瞬ちらりとでるだけだが、それなりに思い入れがあるせいか最後までさっくり読めた。

  • 「これは王国のかぎ」の続編。

  • ひろみは前回同様傍観者の立ち位置で、鳴海くん、夢乃、有理をそれぞれ俯瞰して見ている。
    読み終わって正直なところ、夏郎くんとひろみ、夢乃と鳴海くんがどうなるのか気になりますが、なかなか私には引っ張って引っ張っての流れが辛かったです。もう頭の中でみんな考えすぎだし、この頃は仕方ないのかもしれないですが、口に出しなよと言いたくなります。
    サロメの舞台は見てみたいです。

  • 『これは王国のかぎ』で中学生だった少女の高校生の話。

    何か、若干こじらせ気味に成長した気が。。
    変に冷め気味というか。。
    あの奔放さは魔人だったからで、元々学生生活はこんなスタンスだったのか??

    正直、ヤンデレな少女がメインな話でタイトルも彼女の考え方からきているので
    サブキャラ、という感想を持ってしまった。。

    夏郎との交流で 物語の主人公に自ら突っ込んでく!までいかなくとも前向きになっていくのだろうか。。

    前作のキャラクターを期待して読むと
    ちょっともやもやする。。

  • 「これは王国のかぎ」の続編とはいえファンタジーではなくて、学園もの。高校生になったひろみのお話。

    お話に起伏があるわけではなくて、読んでるうちにハラハラドキドキはないけど、読み終わるあたりにくると、だんだん読んできたものが消化されてまとまってくる感じ。

    サロメの解釈を語り合ってるのがいい。

  • 解説を読んで、ずいぶん昔に読んだこれは王国のかぎの主人公の物語だと気づきました。
    もう一度読もうかな。
    と同時に、上田ひろみと江藤夏郎の今後も気になりました。

    追記
    なんか読み返したくなる本なんですよね…
    ゆりかごについて考えたくなるんです。

  • この鮮やかな“ゆりかご”の日々よ

    ずいぶん前に「これは王国のかぎ」を読んだので、主人公がどんな女の子だったか、いまいち思い出せないまま読了。けれども、もし覚えたとしても中学生の時の彼女とは重ならないのではないだろうか。それほどまでに高校生活とは密度の濃いものだと改めて感じた。女の子なら大なり小なり覚えがある感情が、本の中にたくさん詰まっている。サロメやマザーグースの取り上げかたも大変興味深かった。
    私は校内イベントをくだらないと不貞腐れていた人間なので、大人になった今この作品に触れて、もったいないことしたなぁと憧憬の念を抱くばかり。

  • 解説の人が大学生になったヒロミも読みたいと書いていて、同感。

  • これは王国のかぎ、の主人公が高校生になった。
    前作の内容がおぼろげにしか覚えてないけど
    まあ、問題なく読めた。

    友人に誘われ生徒会活動に関わることになったひろみ。
    学校のイベントにおいて悪意を持った事件が起きる。
    その犯人と目される人物と生徒会長との関係。

    主役をはるタイプではなくて、人の影に隠れているような、誰かと誰かの橋渡しばかりしているけれど
    でもひろみにしかできないこともある。

著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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