二人で紡いだ物語 (中公文庫)

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著者 : 米沢富美子
  • 中央公論新社 (2011年3月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054608

二人で紡いだ物語 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 日本を代表する女性物理学者・米沢富美子さんが、
    夫との出会いから死別までの結婚生活を綴った半生記。
    学者として世界的な業績を打ち立てるような人は、
    研究のみに生きて、家事や家族のことは二の次では?と思うのだが、
    研究と3人の子供の育児に家事。その上夜には家庭教師のアルバイト。
    彼女は全てに全力投球。手を抜くということを知らない。

    夫のプライベートなことは、あまり触れられていないが、
    証券会社に勤め、国際的舞台で活躍された方のようだ。
    忙しい人だったようだが、陰に日向に、優しく厳しく、
    妻を支えて来られたのだろう。
    妻の夫に対する愛がすごいので、その逆方向も推して知るべし。

    病院での最後の別れのシーンは胸が詰まる。
    そして、夫亡き後の彼女の打ちひしがれようは、目も当てられない。
    「鎮魂とは死者の魂を慰めるというよりは、残された者の魂を鎮めることなのだろう」
    という言葉に、痛烈な悲しみが伺える。

    幸せは自分の手で掴み取る以外にない、ということを痛感させる本だった。
    悲しみを乗り越えた彼女は、懸命に生きた者だけが到達する
    幸せの境地を知っているに違いない。

  • H24年6月の日経紙「私の履歴書」が素晴らしく、詳細を読みたいと思って。物理学者として第一線で貪欲に活躍しながら、3人の娘を育て上げ、やはり金融マンとして世界を駆け回る夫と、物理的距離はありながらもあつい信頼と愛情に結ばれた関係は賞賛に値する。一人より二人が倍数でなく無限に広がりを持つ人生。人間関係はかくありたい。娘にも読ませようと思う。

  • 確かに理工学部にいらっしゃったという記憶がかすかにありましたが、日経の「私の履歴書」から、友人にご紹介いただいて本を読んでみました。「物理学者」という非常に論理的な者の書き方をなさりつつ、非常に人間的なところが物凄く強く、素晴らしい、バラエティに富んだ方なんだなぁ、と思いました。

    ご夫婦の生活については当然ながら「妻」としての視点からお書きになっておられますが、男女ということとは異なる、様々な人生訓、ご本人の強さの源泉、等も垣間見られます。特に、

    「はじめて」をクリアしない限り、次に進むことはできない

    「皆が不可能だということを、可能にして見せると約束する。それがリーダーシップというものだ」

    このあたりの言葉が、特に心に刺さりました。

  • ◆きっかけ
    ブログ「知は力なり」2013/12/3記事で紹介されていて。2017/2/27

  • 著者は物理学者です。女性で唯一かどうかは知りませんが、物理学会の会長までされています。そして、全く知らなかったのですが、子宮の摘出や乳房の切除など、大手術を何度も経験されているとのこと。本書は、米沢先生の自伝というよりも、ご主人ののろけがほとんどの仕上がりになっています。見事です。写真で見る姿とか、活躍の様子を見聞きする限りではとても気丈な女性のように感じていましたが、ダンナ様をとても頼りにしていて、甘えたなところもたくさん持っていらっしゃるようです。ところがその大切な大切なダンナ様が先に旅立たれてしまいました。肝臓が悪かったようです。肝炎が見つかって、好きなお酒も断たれていたのですが。ダンナ様のお別れ会で米沢先生が述べられた謝辞を読めば泣かずにはいられないでしょう。本書を読んでいる1週間くらいの間、常に胸には温かいものが感じられました。本書と出会えて幸せです。実はたまたま時間つぶしに古本屋で棚の端から端まで眺めていて、目に留まった本を数冊抜き出したのです。もちろん、物理学者である著者の名前は存じ上げていたので、そんな方が何を書いているのだろうと興味本位で本書を開いてみるとそこには著者のサインがあるではありませんか。しかも210円。すぐに買って帰って読み始めたというわけです。いつもいつも伝記はおもしろい。湯川秀樹先生のエピソードとか、久保亮五先生との話とか、読んでいるととてもうれしくなってきます。(もとは単行本で読みました)

  • 非常にタフでパワフルな女性研究者の、仕事や家族、の話し。

    とにかく力強くて、結果もついていて、圧倒されてしまう。
    自分程度でガタガタ言っててはダメだなーと思えた。
    すごいひと。

    途中、彼女が、自分も昔は酒飲みだったが、という文があり、ああ、そんなかんじ、と思った。
    まさに豪放磊落。
    この時代、女性でここまでやれたのは、本当にすごい。
    むしろ、この時代だったからこそ、女性だから、と言われないためにここまでやったのかも。

    共働きで激務、にも関わらず、家事育児は全部自分でやっていた。
    なぜなら、そのことで夫と争うと精神的につらいから。
    家を自分もやすらぐ場所にするために、その言い争いや不満をぶつけるより、さっさと自分でやったほうがラク、耐えたほうがマシ、という意見。
    けっこう理解できるかも。

    夫の亡くなるシーンではこちらも涙で読めなかった。
    夫婦のきずなっていいものだなあ。

    全体に文章がコンパクトで読みやすい。
    私の母親にも似ています。(文とか仕事ぶりが)

  • 昨年の日経新聞、私の履歴書を読んでから、いつか読もうと思っていました。

    ご自身の病気だけでも大変なのに、お子さん3人を育て、世界的なキャリアを構築。ご主人の死後は親御さんの介護、と、総勢な人生をひょうひょうと送られていて、大変励みになりました。ありがとうございました。

  • 先月参加したビブリオバトルで紹介されていた本です。

    著者は著名な物理学者ですが、物理の話ではなく、既に他界されたご主人との思い出を語りながら人生を振り返っている本です。ビブリオバトルでは感動という切り口で紹介されました。

    読んでいて心が温まる、愛情に溢れた本だと思いました。
    ビブリオバトルで「半分は長いノロケ話」なんて紹介もされてましたが、それも納得できます。
    でもあとがきに「セルフ・ヒーリング」という言葉もありました。
    思い出を振り返ることでご主人が他界された悲しみを乗り越えようとする、と思えば序盤の印象も変わりそうです。またもう一度読み返してみる予定です。

    印象に残ったところとして、一箇所記載スタイルが変わっているところがあり、ご本人の心境にも思うところがあったのだろうな、と想像しながら読んでました。

    誰にでもお薦めできる、素敵な本だと思いました。

    あとご主人についてはさらっと書いてありますが、元々証券会社で活躍して、退職後株式会社レコフの立ち上げにも関わった方だそうで。ご主人もその道では著名な方だと思います。ウォール上でご存知の方もいるのかもです。

  • 日経新聞「私の履歴書」で感銘を受けて手に取りました。

    妻であり、世界的な物理学の権威Yonezawaであり、母であり、闘癌患者であった米沢氏。

    氏から送る、夫「まぁちゃん」への長い濃いラブレター(ほぼのろけ!)です。

    同時に、米沢氏を突き動かしてきたいくつかの信条を読みとけるので何かを為し遂げんとがんばっているあらゆるヒトへの激励本になるはず。

    何かが無理とかできないって思ったら、この本を読もう。

  • 読み終わって、私はとみちゃんが大好きになったし、旦那さんの事も大好きだと思った。
    「さすがとみちゃん、俺達に出来ないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」って言ったら家族に「あんたが真似したら死ぬから止めなさいね」って優しく諭されました。
    普段はけっこう批判的に物事を捉える私ですが、この本は大大大好きです。

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