サウスポイント (中公文庫 よ 25-5)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054622

感想・レビュー・書評

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  • 読んでしまったら、何度も読み返したくなった。
    ものすごく不思議な話ではあるのに、なんだか自分もそれを経験したことがあるような気がした。この小説が持つ空気感を例えるなら、ハワイでいきなりざあざあした雨と生暖かい風に吹かれて、それが止んだ後に海を眺めると、遠くの方が白くなっていた、という感じ。
    登場人物それぞれの生き方にすごく惹かれたし、同時に強く共感できて、深いデトックス感を味わいつつ、やっぱり少し切なくなった。そんな小説です。

  • ある時パッと現れて読んだ 。
    この夏、欧州を周遊したときに自ら得た言葉がそのまんまの言葉で書かれてあった 。

  • 管啓次郎「本とは読めないものだから心配するな」つながりで。運命的な恋人同士ならパッとわかる、偶然出会う。あまりに近しい人を亡くして、亡くした人になりかわろうとする。というのは、「キッチン」と「ムーンライトシャドウ」の頃から変わらない、ずっと大事にされてることなんだなあ、というのをまず感じた。子供のとき、お互い強く好き同士だったのにいつか離れてしまったふたり。大人になって、ふと耳にしたハワイアンソングの歌詞が、わたしが夜逃げする時に送った手紙そのものだったことから...という物語。なぜそんなことしなければいけなかったんだろう?という再会から、ハワイのあたたかく甘い空気のなかで、わだかまりも時間もこえて、出会い直すような物語。◆世界は恋愛だけでできてやしないんだ、そんなに雑なものではないんだ、もっときめ細かな夢のようなもので、ひとつの糸は必ず布全体につながっているんだp.52◆眼の前にいるこの人は幸彦さんの薄い影。そして私は昔の私の幽霊。ここには生きて躍動しているものはなにもない、そういう印象がある。p.140◆「ここにいると、足りないものはないから、失うものもなにもないんだよ。。命以外には。」p.147

  • ◯その「そうだよ」を聞いたときの甘酸っぱさを一生忘れないだろう
    ◯一生忘れないよ、あの驚いた顔も、あの風の感じも空が真っ青で飛べそうなくらいに近く感じたことも。自分が彼に会えてどんなに嬉しかったかも。

  • ハワイのきらきらしたすてきな感じを、そのまま手渡された様な本。

  • 家族のかたちはそれぞれ。
    理想や憧れを持ちすぎてしまうと
    自分が苦しくなってしまうものだと思った!
    その面、珠彦の生き方はとても賢くまたどこか
    切なさも感じる。
    どのキャラクターも魅力的で素敵だったなあ

  • あの本の続編だったとは知らず、読んでいる途中で気づく。
    よかった。そして、あの本をもう一度読み直してから、もう一回読みたい。

  • ハワイ島もう一度訪れたい。

    ばななさんの小説はわたしを癒す。
    今回も心が静かに着地していく。
    でも、
    まだ、足りない、もっと読んでいたい。

    p231
    でも今は古くから見ていた夢の中でまどろんでいよう、そう思った。やがてその夢の力が私を支える日がくるだろう。そんなふうにこの島は、あの世とこの世がとても美しい結び目でつながっている不思議な場所なのだから。
    私はあの日、サウスポイントではっきりとそれを見た。

    p229
    大丈夫、大人がふたりでいるだけなんだから。これから起こることは、全部自分のせいなんだから。もはや親のつごうではないんだから。

    こんな、やわらかくも強い言葉が紡ぎ出される物語が私は好き。
    たおやかさ。

    退廃的な、うら寂しさを感じたヒロのまち。
    日が傾いてて、日陰になった野っぱら公園にも人は少なかった。田舎の貧しさみたいなものもあったな。一度だけ行ったことがある。
    ここは、その時の私には、必要ではない場所だった。

    今の私が訪れたら
    どんなふうに感じるのだろう。

    もう、海外はいいや、って思っていたけど
    ハワイに確かめに行きたいな。

  • なんてことない作品だなあと思った。なんてことなさすぎてちょっと退屈してしまった(?)。

  • ばななワールド、時々恋しくなる。読んで良かった。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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