- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122055193
作品紹介・あらすじ
米が銭を生む街、大坂堂島。米問屋である山代屋へ、十六歳と遅れて奉公に入った貧農の倅・吉左には「暖簾分けを許され、店を持つ」という出世の道は閉ざされていた。しかし、刻々と変わる米相場の世界を舞台に、相場師としての才能を発揮していく。本格時代経済小説の登場。
感想・レビュー・書評
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面白い!
米問屋とか、経済小説とか
苦手なので今まで避けていた。
しかも、本の表紙だけ見ててっきり
漫画本だと思い込んでいた。
イヤイヤ~
米相場とか全く分からなくても
しっかりと説明してくれるので
問題無く読み進められる。
また、この作者の描く主人公って
素朴だけど人間味のある人が多くて
こんな息子が欲しかった~
と思わせるんだよね~。
1日で読了!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絶対的
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主人公の吉左は、貧しい農家に生まれ、総領だが継母に追い出されるようにして丁稚に出された。奉公先は、大坂は堂島の中規模な蔵米問屋、山代屋。相場師の才ある吉左は、奉公の合間に先物取引(つめかえし)を通じて米商いのコツを覚え、日々成長していく。将来大物商人の予感が…。
吉左のものに動じないあっけらかんとした性格は、読んでいて気持ちいい。江戸時代の蔵米を小切手で売り買いする米問屋の商いの仕組みが分かるのも、読んでいて楽しい。 -
歴史小説という体裁を取った、株の本ですね、これ。読むきっかけは”マストリード”シリーズから。商人と台頭と武士の凋落が、当時の最重要取引である米の売買を背景に、鋭く描き出されている。今はまだ、個人的趣味の域を出ない主人公の才腕が、今後どのように市場をかき回していくのか、っていうのが本筋ですね、きっと。枝葉として描かれる、兄弟や想い人との関係性も、アクセントとしての見どころになってきそう。6巻までの大長編だけど、これからの展開に期待が膨らみます。
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享保期の大坂の米市場を舞台にした物語。時代小説でありながら、取引市場の仕組みや雰囲気を感じられて面白い。主人公の吉左は、継母に追い出されるように大阪の米問屋に奉公に出される。当時としては遅い16歳の時である。しかし、村にいたときに寺で暮らしたこともあり、読み書き算盤だけでなく、和尚の崇高な精神も学んでいた。おかげで、米取引で身を立てるために周りの様々な情報に耳目を開き、本当に役立つ情報を自ら選んでいく姿が凛々しく思う。吉左は、黙認されていた「つめかえし(今の先物取引)」で儲けていく。今後、どんな風に設けていくのか楽しみである。
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凄く面白くて、4巻まで一気に読了。
自分も先物やるので、当時の米相場のやり方が緻密に書かれているのがまず面白い。
そして主人公が非常に実直で三方良しを努めているのが、読んでいて清々しい。自分も丁寧に生きよう、と改めて思う。
時代小説らしく淡々と描写されているのに、こんなに面白く感じるのは自分でも意外だった。 -
十六歳と遅れて米問屋へ奉公に入った、貧しい百姓の少年、吉左の成長物語。
“奉公モノ”というと、周りが意地悪な人ばっかりなイメージもありますが、この作品は、藤助や、お亀、月照様など、吉左の味方もいるので心強く(勿論嫌な先輩キャラはおりますが。。)、吉左自身も応援したくなるようなキャラなので、彼の成長が楽しみです。
当時の米取引の状況も詳しく書かれていて、その部分も興味深く読めます。 -
16歳と遅れて奉公に入った貧農の倅・吉左。
奉公先は米が銭を生む街、大阪堂島に店を構える山代屋。
米相場の世界を舞台とした本格時代経済小説。
吉左の才能と周りの人物に注目。
江戸時代の米安の理由や米相場の仕組みも分かってくる。 -
面白い。
星4つにするかどうか迷う。
エンターテイメントとして正しい文法で書かれている点を高く評価したい。
一つは、読者を楽しませてくれる仕組みを持っているという点で。
一つには、読者に新しい知識を与えてくれるという点で。-
「堂島物語」
ってコトは、大阪が舞台?エンターテイメントならサクッと読めそうですね!「堂島物語」
ってコトは、大阪が舞台?エンターテイメントならサクッと読めそうですね!2012/08/27
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すぐ続きを読みたくなる。
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働くことの芯の部分を快活に、心情豊かに描く。
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基本、投機は好かんけど、中々おもろいな。続きが気になる。
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軽快な読み口で一気に読ませる。第一巻では登場人物の大まかな人物像を描き、次巻以降が本格的な物語りになるのだろう。米相場という現代人には馴染の少ない題材だが読んでいて飽きないのは作者の妙だろう。次巻が楽しみ。
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時代劇経済エンタメ小説。
主人公成長物語とベタ要素にすでに完結という安心。
変わった舞台設定を楽しめるので続きが楽しみ。 -
人類の金融史上で初めて先物市場が開かれたのは、なんど日本。しかも江戸時代のこと。大坂の堂島米会所だ。そんな米取引にまつわる立身出世の物語り(だろう)。まだこの一巻だけだが、おもしろくてすっとこの大坂の米商人の世界に引き込まれた。FXや株取引に興味がある人にはなお身近に感じられる小説だろう。
主人公:吉佐は貧しい百姓のせがれ。継母に疎まれて、寺に出され、家に戻され、丁稚に出されとつらい少年時代を重ねたが、そんなつらさを知っているからこそ、丁稚生活を苦に思わないところが強みになった。そうして吉佐は米商人に向けて成長をし始めるのであった・・・・。 -
家族のため、米問屋へ奉公に行く吉左。
様々な苦難の中、相場師として才能を発揮していく。
冒頭20ページの決断に度肝を抜かれ、引きの強さに鼓動が高まった。
男前すぎるぞ!吉左。 -
苦労者吉左のサクセスストーリー
コメ取引の面白さがわかる
本格時代経済小説の名に偽りなし