卍の殺人 (中公文庫)

  • 244人登録
  • 3.26評価
    • (4)
    • (21)
    • (56)
    • (6)
    • (0)
  • 29レビュー
著者 : 今邑彩
  • 中央公論新社 (2011年10月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055476

卍の殺人 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 今邑彩さんのデビュー作。
    2つの家族が暮らす卍型の館で起こる殺人事件。

    不気味な卍型の館、そこで暮らす家族の醸し出す異常な雰囲気など館もの要素がすべて詰まっている。

    物語のテンポもよくすらすら読めるが不気味さは残っている。
    あとがきに酷評されたとあったが、とても楽しんで読むことができた。

  • オーソドックスな本格の雰囲気が感じられて個人的には好みの作品です。様々な要素が詰め込まれた割には綺麗に纏められていて、文章も読みやすく楽しめました。これを機に他の作品も読んでみようと思います。

  • 犯人 安東匠、布施宵子

  • 文章がこなれていて、ミステリとしても手堅くまとまっておりデビュー作としては申し分ないでしょう。
    館の形が卍、という設定からしてそれを使ったトリックがあるのは見え見えですが、それを成立させるための工夫が随所見られ、デビュー作からして卒のなさが際立っています。
    示唆的なプロローグや、滲み出る怪奇色も相変わらずで、やっぱり僕好みの作家なのだと再認識しました。

  • 今邑彩のデビュー作、『卍の殺人』を読了。鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と十三の謎」の〈十三番目の椅子〉受賞作。

    今邑作品はこれが初めて。卍型の屋敷で起きる殺人事件が描かれる。

    作者自信はあとがきで「発表当時、ミステリファンの間では酷評だったのではないか」と書かれているが、デビュー作としては文章も読みやすく、プロットも十分面白いと思った。卍型の屋敷での事件という時点で、ミステリファンとしての心をくすぐられる。月並みな評価かもしれないが人物の書き分けも一定水準を上回っている。たまに、誰が誰と会話をしているのか判らない作品もあるのだが(気のせいかどうか翻訳ものに多い傾向がある)、そんなことも無し。

    ただ伏線が多く、それでいてあからさま過ぎる点が見受けられるのも確か。犯人は判らないまでも、どんなトリックを使ったかは、ある程度ミステリを読みなれている読者には解ってしまうかもしれない。

    今邑彩は昨年、残念ながら早くも逝去されてしまったが、本作以外にも数々の作品を遺した。それらの作品も、今後必ず読んでみたいと思っている。

  • 途中で展開が読めたけど、それでも面白いと思います。読みやすくてサクサク読んでいけるし、登場人物の心の動きが繊細に書かれていて、ああ、わかる!とか、そうだよね…って思うとこもあって。物語の中でやきもきしたりつらかったり、ぷっと吹き出してしまったりなど、楽しく読むことができたかなぁと思います

  • 人物描写が足りなかった故にキャラクターに愛着が湧かなかった点や、緊迫感が出るような描写が足りなかった点、察し易いプロローグだった点がマイナス要素でした。
    しかし、「奇怪な館」や「複雑な関係を持つ富豪一族」など、クラシックなミステリーは大好きなので楽しく読めました。卍館をトリックに活かしていますし、細かい伏線を綺麗に回収しているので、なかなか良く出来ていると思います。

  • はじめは、古くさいありきたりな館もの
    と思ったら、終盤でどんでん返し

    さらに、ラストでなにやら、含みのある感じ………(((((((・・;)
    さすが今邑彩先生
    面白かったです(^-^)/

  • フィアンセの安東匠に連れられ、卍の形をした屋敷での殺人事件に遭遇した亮子。
    匠の戸籍上の兄 美徳と 戸籍上の従姉妹 品子が死亡し、それぞれの子供も何者かに襲われる事件が起こり..

    プロローグで犯人は男女のペアに絞られるのでミステリ面がつまらないかなと思いましたが、登場人物に怪しい男女が盛り沢山なので推理しながら楽しめました。

    最後に物語の収拾役で出た小杉章介と珠子夫婦の掛け合いがよかった。

  • 先日の中四国読メのオフ会でこの作者を薦められて、デビュー作から順番に読み始めようと本を買って読み始めると、作者の訃報をネットで発見。こんなタイミングで読み始めたのは何か意味があるんだろうか、もちろん無いだろうけど。とりあえず建物の形態とタイトルからトリックは単純でわかりやすいが、読みやすいので、刊行順にこの先も読み続けようと思う作家の一人となりました

  • 再読。
    訃報を知り思わず手に取りました。
    今邑さんのデビュー作です。
    タイトルにもある卍の形の屋敷を舞台にした館モノ。
    物語の舞台は88年頃ということで、一昔前の昭和を感じさせます。
    伏線も分かりやすく犯人は結構直ぐに分かってしまうのですが、卍形の屋敷の構造を活かしたトリックはなかなか面白いです。
    文体の読みやすさや余白を残した終わり方はデビュー作からだったのかと改めて思います。
    正直なところ本格ミステリとしては荒削りで詰めが甘い部分もあるにはあるのですが、後の今邑さんらしさの片鱗が伺え、ここがスタートで次第に昇華されていったのだと感慨にふけってしまいます。
    ご冥福を心からお祈りします。

  • 再読。卍型をした奇妙な屋敷で起こる連続殺人。奇妙な執着に囚われたかのような一族の雰囲気も、実に奇々怪々です。しかし嫌だなあ、こんな家庭は。
    とにかく人間関係のどろどろとした醜さがこれでもか、というほどに描かれて、事件はそれほど派手でもないのに禍々しさがいっぱい。そして最後の最後に明かされる真相がまた悪辣ったらありゃしない。……はい、こういう雰囲気大好きです。

  • デビュー作とのことで期待薄ではあったものの、予想はつくけど飽きさせない持って行きかたはいつもの通り。
    どう展開してもなぜか大丈夫的な安心感がある。

  • その邸はふたつの長い棟が卍形に組み合っていた。住人も建物同様にふたつの家族に分かれて、微妙な関係を保つ。亮子はこの邸を恋人の安東と共に訪れた。だが第一夜に早くも惨劇が起きた。続いてまた事件が。

    今邑彩のデビュー作というので読んでみた。本格推理というのかもしれないが、「推理小説を書くためだけが目的の」あり得ない極端すぎる設定、人物造形に感情移入できなかった。筆力の確かさは感じられたが、それだけだった。
    (C)

  • 推理小説のハラハラドキドキ感が十分。
    犯人は思った通りだし、トリックも予想通りだった。

  • トリックなどは楽しめたけれど、視点人物が「私」であることや冒頭などから、途中で犯人が容易に推測できたのは残念。
    これで終わったと見せかけて、もう一回返してくれたのはおもしろかった。

  • 卍型の館で起こる殺人
    何重かの仕掛け(殺人のトリック+α)が 用意されていて
    「ミステリはこうでなくちゃね♪」と思い出させてくれて 個人的には面白かった^^

  • 屋敷の特徴を利用した殺人事件。最後に謎を解く人物がまさかという展開で面白かったです。

  • この作者のデビュー作ということで若干の古さは否めないが、相変わらず安定した内容でさくさくと読めました。途中で犯人はわかったのですが、トリックは見抜けず本格ミステリーとしてもなかなかです。この作者の作品
    すごく読みやすいのですが、短編だとすごく傑作感が漂うのに、長編になると途端にすごく話が軽く感じてしまうのが不思議。軽いからこそ長編でも飽きずに読めるのですが。

  • 萩原亮子は恋人の安東匠に伴われて、おおみそかの夜に彼の実家を訪れた。ふたつの棟で卍形を構成するその館には、家長を自認する老婆を頂点として、ふたつの家族が互いに比べ合い、ライバル意識をむき出しにした異常な雰囲気のなかで暮らしていた。安東はこの家との訣別を宣告するために戻ってきたのだが、早くもその夜、亮子ともども奇怪な事件に遭遇する。そしてさらに次の怪事件が…。〈「鮎川哲也と13の謎」13番目の椅子〉を獲得したデビュー作。

    東京創元社 (1989.11)
    C・NOVELS (1996.03)
    創元推理文庫 (1999.01)
    中公文庫 (2011.10)

  • 前回「ルームメイト」がおもしろかったんでつい買った。

    今回も手の凝った、それでいて「ありそうでなさそう」なちょっと強引かというほどの世界観でのミステリーを楽しめた。最もミステリーってそーゆーモンなんでしょうね。

    まぁ注文をつけるとすれば、家系図と屋敷の図は切り離せるようにしたらもっともっと読みやすく、楽しめたんじゃないか、と。付録にするとか。でもそれは文庫に対しての冒涜ですかね。

    とにかく読み応えはありました。

  • 話の展開とかトリックは普通だけど、舞台となる館がすごく魅力的。見取り図も、本格好きにとってはたまらない。でも、せっかくの後半のどんでん返しとその後が雑なのが、惜しい。

  • 今邑彩のデビュー作ということで期待して読んだ。
    この作家の小説はいつも最初から最後まで引き付けられて一気に読んでしまうが、これは途中すこしダレてしまった。
    話し自体はミステリーでよくある「館で起る殺人」で、特に新鮮さはない。
    途中まではお約束通り殺人が起こり、犯人が判明するものの…という展開。ここまでは正直退屈だった。
    しかし物語の主人公である亮子が一人で東京に戻ってから真相が次々に明るみになるのが面白く、今までの退屈さが嘘だったかのようにグイグイ読めてしまった。
    なんとなく真相は予想出来ていたものの、やはりこの作者の小説の醍醐味はラストのどんでん返しだなぁと改めて感じた。

  • 今邑さんの本はいつも途中で犯人がわかるんだけど
    べつにイヤじゃないしね。
    最後まで読むとスッキリするし。

    今回は間取り図が出てきたので
    綾辻行人さんの館シリーズを思い出した。

    読まなきゃ!館シリーズw

  • 久し振りの今邑作品。
    ちょっとダークな雰囲気漂うストーリーが多いですが、やっぱり面白いです。

    タイトルから話の展開が予想出来てしまいましたが、もちろん予想外だった部分も多くて しっかり楽しめました。

    今邑さんの本を読むと、人は表の顔だけじゃないって、しみじみ感じてしまいます。(笑)

全29件中 1 - 25件を表示

卍の殺人 (中公文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

卍の殺人 (中公文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

卍の殺人 (中公文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

卍の殺人 (中公文庫)の文庫

卍の殺人 (中公文庫)の単行本

卍の殺人 (中公文庫)の新書

ツイートする