達人の弟子 海を渡る (中公文庫 む 24-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.25
  • (1)
  • (4)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055766

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「達人山を下る」の続編

    老人だからって語尾に「じゃ」とか今どき言わないでしょー(昔も?)
    展開を早くするために都合のよい不自然な会話が多すぎー
    説明的なセリフも多いよー

    けどまぁコメディ小説だしね
    そして旧制高校に関するところはいつもどおりに詳しい
    その辺のギャップが面白いといえばそう

    所々に良いセリフがある
    一番強い技は敵を仲良くなることとかね
    これは前作でも言ってたね

    あと、内戦の描写が結構リアルに感じる
    淡々と事実を述べてるだけなんだろうけどね
    ユーゴスラビアの分裂とダブらせてるのかと思うところが少々
    とは言っても僕もユーゴスラビアに関しては全然知らない
    米澤穂信の「さよなら妖精」を読んだくらい


    流石に続編はもうない?かな?

  • やっぱり小学校高学年から中学生に読ませればいいんじゃないかな⁇
    エンターテインメントの中に
    大事なことを紛れ込ませれば、
    つるんと飲み込めるんじゃないかな。

  • 達人シリーズ第二弾。
    前作の達人無双と打って変わって,今作は達人のもとに集まった弟子たちの成長劇。

  • 達人の弟子を名乗る面々の人情話が主かな?
    達人の教えを乞うと皆何かを悟ったように成長していく。
    弟子はとらないって言ってたわりに簡単に柔術を教えすぎだし、弟子も短期間で習得しすぎ。
    戦争と平和、ISIL 問題真っ只中の今、後半はちょっとテーマが重いです。

  • -2014/03/21
    抱腹絶倒痛快小説の室積光の達人シリーズⅱ。 今回はホロリと涙するシーンもあり、心穏やかになる良書。

  • 十年前、たった一人でカルト教団を崩壊させた八十歳の老人がいた―世界最強の技を持つ達人・山本俊之の存在を知った謹慎中のサッカー部員・晃吉とクロアチア人の留学生・マルコ。
    二人は達人がこもる山へと向かい、イルジスタン人のアバスとともに修行を始めるが…。

  • 前作の「達人山を下る」が室積光らしいハチャメチャなコメディ小説だったので、続編である今作もあまり期待せず、箸休め程度のつもりで読んだが、期待が大きく裏切られた。
    面白い! (良い意味での)期待の外れ具合で言えば今年一番だ。

    物語は前作の十年後。
    カルト教団を一人で崩壊させた柔術の達人・山本の弟子になるため、達人が篭る山へ向かった、謹慎中のサッカー部員・晃吉とちょっとKYな留学生マルコ。二人は電気も通らない山奥で仲間たちと修行に励み、成長していく…。
    というところまでは普通の話。この小説の良いところは、太平洋戦争や中東地域の内戦に絡めて、生きるということや、家族、国家などについて物語を深く展開させていることだ。

    若者の命を賭した決断に涙。

    「命を大切にしてくれ。自分の命だけではない、すべての命をじゃ。わしも六十年以上前の戦場を生き抜いた。わしは修行を、強くなるための武術の修行を続けていたが、戦場ではそんなものは通用しなかった。」
    本当の強さとは・・・。

  • 「達人山を下る」の続編が文庫書き下ろしで出版と言う事で期待度大で購入だ。

    前作は山に籠もり一人で「昇月流柔術」を極めた80歳の達人・山本俊之の痛快達人物語。孫娘が誘拐されたことを知り、達人は40年ぶりに息子家族の居る東京へ向かった。誘拐に関わっていると思われる渋谷のチーマー、ヤクザ、カルト教団、そして大物政治家までもを次々と秘技・「石仏の突き」「失禁のツボ突き」を繰り出しやっつけるという痛快物語だ。

    で、今作も期待するのはそうした痛快なる達人の技を駆使した活躍場面。達人が陶芸をするのも孫娘に達人の技を教え込んで今や達人以上の使い手というのも前作の最期で紹介はされていたのでまさに設定はその通りだ。

    タイトルは「海を渡る」だからか孫娘の婿がイスラム系の元留学生、新たに弟子に志願してきたクロアチア系ドイツ人大学生と同僚のサッカー部大学生など等、海外に縁のありそうな人物たちが達人の山で陶芸と柔術修行を行うところから物語は始まる。だが、物語は達人の旧制高校時代の思い出話や兄弟と思い出話にページを割いたり、余りにも普通な展開というのか室積得意の飛躍感が溢れるエンタテインメント性が見られないではないか。

    前作の如く次々と目まぐるしく展開が進み達人の技がまた新たな展開を呼ぶと言うリズム感は無く、ちょっとしたファミリー物語のような空気が漂ったりで、期待感との距離がページをめくる度に広がる感じだ。前作の幻想がそうさせるのだろうか、否、達人は達人でありその技を封印するならばこの続編の意味はあまりないような気もする。

    これまで室積の作品は馬鹿げた設定をモノともしないエンタテインメント性にあったのだが、今作はちょっとばかりストーリーに走ったのが残念無念。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1955年山口県光市生まれ。本名の福田勝洋名義で、俳優としてテレビ・映画に多数出演、また劇団「東京地下鉄劇場」を主宰し劇作家としても活躍。2001年『都立水商!』で作家デビュー。同作はコミック化・ドラマ化もされヒット作となる。主な作品に『史上最強の内閣』『史上最強の大臣』『ドスコイ警備保障』『埋蔵金発掘課長』など。

「2022年 『森の石松、社長になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

室積光の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×