任侠学園 (中公文庫 こ 40-19)

著者 :
  • 中央公論新社
4.09
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本棚登録 : 1933
感想 : 212
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055841

作品紹介・あらすじ

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、ちっぽけながら独立独歩、任侠と人情を重んじる正統派のヤクザだ。そんな組を率いる阿岐本雄造は、度胸も人望も申し分のない頼れる組長だが、文化的事業に目のないところが困りもの。今回引き受けてきたのは、潰れかかった私立高校の運営だった。百戦錬磨のヤクザも嘆くほど荒廃した学園を、日村たちは建て直すことができるのか。大人気の「任侠」シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 今回も面白かった。
    ヤクザの代貸・日村が高校生に信賞必罰を実践してましたね。素晴らしい。
    なぜか日村さんが好きになってきますね。
    学園のゴタゴタも最後は上手く落ち着きました。

  • 任侠シリーズ第2弾!
    人情もん好きや!何か、良いわ!
    ミステリとか、ホラーの合間に読むのはええ!
    今度は、学校再建!
    高校の時って、結構、楽しかったけどな。勉強はしてないけど(⌒-⌒; )
    学校抜け出したり、重役出勤もしたけど、意外と先生とも仲良くしてた。確かに生活指導とはあかんけど。
    再建と言っても、生徒がイキイキしない学校なんかおもんない。
    資金面ではなく、その辺も環境整えんとな。
     割れた窓を直す。
     花壇をきれいに。
     落書きは消す。
     挨拶する。
    などなど。
    『割れ窓理論』って言うらしい。
    微罪を放置しておくと、それがいつかは重大な犯罪につながる。
    小さな事から、コツコツと!やな!
    それが好循環を生んで、良い方向になるんやな。
    それと、生徒に本気で立ち向かう!実際の先生は、大変やとは思うけど、仕事として割切るんやなく、やって欲しいな!
    でも、ヤクザのええとこばかり描いてるけど、あくまでもフィクションやで!

  • H29.9.6 読了。

    ・阿岐本組の面々が今度は荒れ果てた学園の再生に挑んでいく。
    ・「ストーリーの面白さもさることながら、数々の箴言に満ちていることも本書の魅力である。
    『ヤクザは本気なのだ。適当にうけこたえをしている素人と本気で交渉しているヤクザ。どちらに軍配が上がるかは明らかだ。』
    『ヤクザの仕事というのは、調停や交渉事が多い。人と人の間に入って揉め事を収めたり、金の話をつけたりする。当然、信用がものを言う。信用というのは、日々の地味な仕事の積み重ねでしか得られない。』
    『トラブル解決は明日まで延ばさない。1日延びると、その分だけ実入りが減ると思わなければならない。それがヤクザのシノギだ。』

    ・面白くて一気読みしてしまいました。

  • 任侠シリーズ第二弾

    阿岐本組は東京下町の小さな組だ。
    広域暴力団の傘下にも入らず、若い衆は四人だけ。
    だが組長の阿岐本の顔は広く、兄弟盃を交わした弟分が、多くの組にいるのだった。

    今回の舞台は私立高校。

    阿岐本組の代貸、日村誠司は中学もまともに通わず、高校も中退で学校というものに拒否反応を示していたが、組長の気まぐれ(?)で、経営危機に陥った高校の理事となり、荒れ果てた学校を立て直すべく奔走する。

    ヤクザが教育現場に?
    …と思ったが、任侠の世界に生きるヤクザは礼儀を重んじ、躾も厳しいのだ。
    自分の子供のことしか考えず、気に入らないことがあれば文句ばかりを言う親と、そんな親に育てられた子供たち、無気力になってしまった先生たちを、日村が苦労しながらも少しずつ変えていくところが面白い。

    本気で事にあたると、気持ちは伝わるものだ。

    本作は任侠小説と言っていいと思うが、西上心太さんの解説にもあるように、まるでビジネス書のようで、日常に活かせる示唆に富んでいた。

  • 少し前の話になりますが、「任侠学園」という映画を見つけて、とても面白そうであれこれ調べてみたのですが、時すでに遅し、上映が終わっていました。
    今回、今野敏、という作家の本を読んでみようと探していたら、なんと、この本もあって…♡

    ありがたいことにNetflixで、映画も観れたのですが、
    まぁ、役者さんのぴったりなこと!!
    イメージ通りでびっくりするくらいでした。

    組長以下、たった6人しかいない小さな組のヤクザたちが、高校の経営改善に乗り出すお話なのですが、
    とにかく「痛快」という言葉がぴったりな本でした。
    ところどころクスッと笑えるところあり、ヤクザの言葉に妙に納得するところあり、面白くてあっという間に読んでしまいました。

    今野さんの作品は、「隠蔽捜査」や「安積班」など
    ドラマ化されているものも多く、どれも面白そうなので、
    また機会を作って読んでみたいと思います。

  • 任侠シリーズ、初挑戦。

    これが1番(っ ॑꒳ ॑c)ワクワクしたタイトルだったので。

    黒谷くん、そのまま成長して欲しい。モテそう。

    他、おすすめの任侠シリーズありますか?

  • 感想
    いつも通り潰れかけの学校を建て直し、颯爽と去っていく。ヤクザが学校!?と思ったがこれがなかなか面白い。

    組長の顔の広さも手伝っていつも揉め事もない。水戸黄門的な展開だけど面白いんだなぁ。

    あらすじ
    阿岐本組は一本独鈷の小さな組だ。組長の阿岐本は顔が広く、文化的な事業に弱い。兄弟分の永神がもってきた学校法人、井の頭学院高校の建て直しを図る。

    その高校は窓ガラスが割れ、落書きが多い高校で、生徒は無気力。代貸の日村は高校を建て直すべく、花壇の整備、窓ガラス割りの犯人を捕まえるなどに取り組み、生徒や先生の態度が徐々に変わってくる。

    やがて学校に多額の寄付をしている人物がヤクザのフロント企業と分かり、窮地に立たされるが。

  • シリーズ第二弾!
    前作「任侠書房」よりも面白かった!

    今度はヤクザが私立高校の立て直しを行う物語。
    エンターテイメントとして楽しめます。

    ストーリとしては、前作同様、阿岐本組の組長が私立高校の理事長を引き受けることになります。
    阿岐本組のNo2である日村は、またかと思いながらも、親の言ったことは絶対と、その立て直しに絡んでいきます。
    荒廃した高校をどうやって立て直すのか?
    荒れ果てた花壇、割られたガラス窓、成り立っていない授業、躾されていない生徒、やる気もない生徒、先生たちをどう対峙していくのか?
    さらには彼らを追い出そうとするモンスターペアレント。
    そんな中、ある生徒の問題行動の裏には大きな組が絡んできて、という前回同様の展開。

    そして、最後は前回同様のオチで終わります。

    安定調和なところが安心して読み進められますが、最後、彼らが高校を離れるシーンではジーンときました。

    前作同様、ヤクザの行動倫理?がビジネスマンにも生かされると思います。
    ある意味ビジネス小説と言っても良いかも。

    解説にまとめられていますが、ビジネスという点では、
    「ヤクザは本気なのだ。適当にうけこたえしている素人と本気で交渉しているヤクザ。どちらに軍配が上がるかは明らかだ」
    「ヤクザの仕事というのは、調停や交渉事が多い。人と人との間に入って揉め事を収めたり、金の話をつけたりする。当然、信用がものを言う。信用というものは、日々の地味な仕事の積み重ねでしか得られない」
    「トラブル解決は明日まで延ばさない。一日延びると、その分だけ実入りが減ると思わなければならない。それがヤクザのシノギだ」
    といった教訓?や、教育面というところでは
    「(生徒たちは)善悪の区別をおそわってこなかっただけなのかもしれない。(中略)子供たちの行いの悪さは、大人たちの振る舞いの反映でしかない」
    などなど

    とっても、お勧め

  • 指示されたことは絶対。直ぐに本気でやる。見習うところあるなー この世界、クセになりそう。

  • 任侠シリーズ第2弾。

    もう少し、居て欲しかったかなっ♪
    学校を去る場面にジーン。。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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